3月7日の佐世保市議会一般質問の中で、光武顕・佐世保市長は地元商工会議所が昨年末に打ち出した佐世保港の「軍港一本化案」に不快感を示し、米軍再編の中で国からの打診があったとしても拒否すると明言しました。選挙ともなれば商工会議所は市長の最大の選挙支援母体にもなるだけにこの発言は大きな重みを持ちます。
米軍再編の動きの中で昨年末に佐世保商工会議所が打ち出したのは、米陸軍第一軍団司令部の誘致、原子力空母の母港化、普天間基地などの機能受け入れなど。市長は「商工会議所の方針は、佐世保港を軍港一本化するというもので、私がすすめている港の軍事利用と商業利用を住み分けるという方針と次元を異にする。したがってこの方針には組しない」と批判しました。山下千秋市議の一般質問に対する答弁。
さらに光武市長は、この「軍港一本化案」に対して現在まで外務省からの打診は一切なく、仮に正式な打診があったとしても「私自身、基地の大幅な増強につながるこのような部隊及び艦船等の受け入れについてはお断りする。少なくとも私が市長である間はその姿勢を貫く」と明言し、新聞各紙でも大きく報道されました。
またこの中で、米軍が民間業者を使って家族住宅不足解消対策をはかっていることも明らかになりました。山下千秋市議は「現時点での米軍住宅の状況とこれからの整備計画」を明らかにするよう求めました。
原口優秀基地対策室長は「米海軍佐世保基地における住宅不足は600戸。国としては米軍針尾住宅地区内に新たに 44戸整備するためにすでに敷地造成工事に着手している。一方、米軍は、昨年 4月に、佐世保商工会議所において『賃貸住宅提携プログラム』というセミナーを開催し、民間関連業者を集めて、住宅不足の現状等について説明を行っており、現在5階建て36戸の住宅を建設し、さらに今後49戸の建設計画があると聞いている」と答弁しました。
政府は基地内の家族住宅や独身宿舎は「思いやり予算」の施設整備費で建設してきましたが、「思いやり予算」総額の削減が打ち出されている中で「需要」を満たすことはとうていできません。そこで米軍は民間活力を利用することにしたのでしょう。賃貸で利益が出るのであれば建設業界は動くでしょうし、当然何らかの見返りが政府から出るはずでしょうから。