とんでもない軍港増強への道
佐世保商工会議所が活動方針

 12月21日、佐世保商工会議所は国際商業港としての道を断念し、軍事施設の増強によって地域経済の振興を図るという活動方針を打ち出しました。現在、佐世保市での米軍・自衛隊による経済効果を年間約1200億円と試算しており、今回の要望がすべて実現すれば1兆円以上の効果が見込めるといいます。佐世保商工会議所は佐世保市に計画推進を要望し、その後、防衛施設庁や在日米軍、海上自衛隊に実現を要請するとしています。会頭の辻洋三氏は佐世保自衛隊後援会会長も務めています。

 要望項目は、

  1. 神奈川県キャンプ座間への移転計画がある米陸軍第一軍団司令部の誘致
  2. 米海軍第七艦隊に配備される二隻目の空母の母港化
  3. 普天間基地(沖縄)などの機能受け入れ
  4. 原子力潜水艦基地の誘致
  5. 海上自衛隊の潜水艦基地の誘致 など

 商工会議所の動きに対して佐世保市長も24日の議会で「まったく関知しておらず、戸惑いを感じている」「一商議所の考えで推進できればかなりの実力だ」と皮肉まで付け加えました。もちろん米軍・自衛隊がいればそれなりの「経済効果」は見込まれるでしょう。しかし米軍・自衛隊の存在が地域振興の発展を阻害しているのです。あれだけの基地を抱える沖縄の現実を見れば明らかでしょう。商工会議所は基地の代わりに商業施設に転換した時の経済効果を試算するべきなのです。