イージス艦「みょうこう」など
原子力空母の事実上の護衛か
進行する有事即応訓練

 8月21日に佐世保に寄港することになったステニス空母攻撃群と海自イージス艦が通信などの共同訓練を行なうことが明らかになりました。事実上の空母の護衛であり、憲法上許されない集団的自衛権の行使にあたるものです。

 報道によると、訓練は8月19日から26日までの間、4回にわけて沖縄周辺から九州西方の海域で行なわれ、舞鶴基地のイージス艦「みょうこう」と佐世保基地の護衛艦「さわぎり」,「おおよど」が参加。また那覇と厚木の航空基地からはP−3C哨戒機が加わります。

 もともとイージス艦は攻撃能力を持たない空母を守るために開発されたもの。佐世保基地に配備されている「こんごう」はインド洋に戦時派遣中。もう1隻の「ちょうかい」は三菱長崎造船所で点検・修理中ということで、舞鶴基地から「みょうこう」となったと推測されます。

 過去にも、同時テロ事件直後、横須賀を出港する空母キティホークを海自護衛艦などが事実上護衛するということがなし崩し的に行われました。また佐世保基地でも出港準備の強襲揚陸艦エセックスに海自隊員が乗り込んで警戒任務にあたったことが2年後に明らかにされました。

 原子力空母ステニス攻撃群の寄港日程の概要は18日になってようやく明らかにされました。「友好親善」をかかげるのであれば、事前の公表は不可欠のはずです。また受け入れ側の佐世保市では「対策会議」を設置したといいます。

 台風の影響で横須賀配備のイージス・ミサイル巡洋艦カウペンスの新潟入港は中止となりましたが、民間港3つを含む4港同時寄港が計画されていたわけです。情報開示の遅れ、「護衛」訓練、「対策会議」、まさに平時からの有事即応訓練がなされようとしています。

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