佐世保平和委員会・原水協が
原子力空母寄港拒否の申し入れ

 8月16日、在日米軍がステニス空母攻撃群の佐世保寄港を公けにしたことをうけて、佐世保平和委員会と佐世保原水協は佐世保市長に対して「米原子力空母ステニス佐世保寄港拒否の申し入れ」を行ないました。

 佐世保では8月21日午後1時から木場田公園(市役所脇)で「原子力空母寄港反対佐世保集会」を開催します。主催は「04日本平和大会 in 佐世保実行委員会」。


佐世保市長 光武 顕 様

米原子力空母ステニス佐世保寄港拒否の申し入れ

2004年8月16日  
原水爆禁止佐世保協議会 理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会 会長  町田 勇

 米海軍原子力空母ステニスが、今月20日以降25日までの間に、佐世保港に入港することが今日(16日)正式に明らかになりました。一昨年8月16日には、原子力空母リンカーンが佐世保に寄港しました。リンカーンは佐世保を出てそのままイラク侵略戦争に参加していきました。被爆県にその被爆の月に入港し、乗組員の休養・物資の補給などをおこない、被爆県をまったく大義のない侵略戦争の足場にしてしまいました。

 今回も米海軍の世界戦略の新たな試みの演習の一環として、またしても被爆県に被爆の月に入港しようとしています。

 「核兵器廃絶、ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」、これは被爆県佐世保市民の悲願です。こうした努力が強められてるなかでの、原子力空母の被爆県佐世保市への入港は、被爆県佐世保市民の願いを逆なでするものです。原子力空母ステニスの佐世保寄港お断りの態度を鮮明にされ、政府外務省に対しても被爆県自治体の意志をしっかり伝えられるよう申し入れます。

 今回特別に重視すべきことは、原子力空母ステニスほか2隻が佐世保に、ほかの随伴艦2隻を東京、静岡の民間港に入港させようとしています。「海外展開スケジュールの一環」として入港させると言うことをあけすけに述べています。

 「海外展開スケジュール」とは、今米海軍がおこなっている、7つの空母攻撃群を太平洋やペルシャ湾など五つの地域に展開し、地球規模での戦闘力を誇示する大規模演習「サマーパルス04」にほかなりません。ブッシュ米政権の先制攻撃戦略を具体化する新しい作戦構想「艦隊即応計画」にもとづくものです。もちろん今回初めての試みです。佐世保だけでなく日本全体を先制攻撃戦略の足場にしようというもので、日本を守ることとはまったく無縁の軍事行動です。日米安保条約でも説明のつかない事態だといわなくてはなりません。

 さらにまた、米海軍は、一歩間違ったら大惨事につながる米原潜ケーブル火災事故を引き起こしました。その原因究明も公表されないまま、同原潜は逃げるように佐世保港を出港していきました。その後、戦闘給糧艦コンコルドの油漏れ疑惑も引き起こしました。これらの徹底した原因究明は、二度とこうした事故を再現させないためにも避けられない課題です。佐世保市民の安全に第一義的に責任をおう自治体として、米軍のこうした無責任さを放置するのではなく、あくまでも真相はどうだったのか、再発防止対策をつくりあげることを強く求めます。

要請事項

  1. 原子力空母ステニス佐世保寄港反対を明らかにし、政府外務省に申し入れをされること。
  2. 米原潜ラホーヤの電気ケーブル火災事故の原因究明と再発防止対策を米軍・政府外務省に求めること。
  3. 戦闘給糧艦コンコルドの油漏れ疑惑の真相解明を求めること。