6月10日、長崎県の五島福江島の三井楽町にある航空自衛隊福江島分屯基地に福江島総合訓練場完成し、開所式がありました。11日付け新聞各紙が一斉に報道しました。
この総合訓練場は戦闘機などの航空部隊と対空高射、移動レーダーなどの地上部隊が連携して訓練できる初の施設といいます。実際に飛行する敵機役の空自機を移動式の高性能レーダーで捕捉、味方役の戦闘機と連携して、地対空誘導ミサイル「パトリオット」で「撃墜」するという実戦的訓練です。敷地は分屯基地に隣接する長さ約250メートル、最大幅約150メートルの楕円形(約2万2千m2)で、民間から山林を購入したもの。97年から整備を始め、費用は約1億9千万円。
この種の訓練はすでに2000年8月28日〜9月8日に行われた日米共同訓練の際に行われ、福岡県芦屋基地から「パトリオット」が持ち込まれたことがありました。
福江島分屯基地には第15警戒群がおかれ、レーダーを使って九州西方空域の領域侵犯などの監視、スクランブル発進する戦闘機への命令や誘導、各地のレーダーサイト間の通信といった任務があります。今回の訓練場完成は有事法制、ミサイル防衛システムの導入決定とあわせて、より深く長崎県をアジアでの戦争に巻き込んでいくものと言わざるを得ません。
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