午後6時半からは爆心地の松山公園で「戦争法に反対する市民の会」の主催で有事法制の成立に抗議する市民集会が開かれました。有事法制反対長崎県連絡会と長崎市連絡会もこれに合流し、約100人が集まりました。
「市民の会」代表の舟越耿一さんは「この間、市民社会は大きく変わった。マスコミも有事法制が違憲であるという論陣を張らなくなった。しかし私たちが少数派だという気持ちはない。国民の意識の中に憲法9条の精神は生きているし半数は有事法制反対だ。しかも国民の多くは罰則規定を知らない。知ったら反対するだろう。そして有事法制が仮に発動されても『良心にもとづいていっさいの戦争協力をしない』と多くの人々が言う時、憲法9条はよみがえる」と述べました。
参加者からも「小泉・ブッシュに強い怒りをおぼえる。マスコミはもっとわれわれの怒りを伝えて欲しい。いろんな方々が集まってくれたのはうれしい。垣根を取り払って運動を広げていこう」などと意見表明がありました。
佐世保でも午後6時から佐世保原水協と平和委員会が島瀬公園前で宣伝行動を行い、「私たちは戦争を望みません」というチラシ300枚を配付しました。佐世保原水協理事長の山下千秋さんは「有事法制はアメリカの起こす戦争に日本が大きく踏み込むので許すわけにはいかない。成立はとても残念でたまらないが、この間の運動もあって、核心部分の米軍支援法や国民保護法は先送りとなった。法律の発動と具体化を阻止する下地はある。たたかいは今からだ」と訴えました。
本日、政府・与党3党と民主・自由の各党は参議院本会議で日本国憲法に違反する有事関連3法案の採決を強行し、成立させた。この暴挙に私たちは満身の怒りをこめて抗議する。あわせて法案の危険性を国民の目からそむけさせたマスメディアの責任も厳しく問われなければならない。
政府与党が国会で多数を占めながらもこの法案の採決を1年2ヶ月にわたって強行できなかったのは、国民の中に脈々と浸透していた憲法第9条の精神、そして全国各地で展開された反対集会、自治体からよせられた批判の声など、国民の世論と運動が無視できなかったからである。
現時点で外国からの日本への侵略が全く想定できないことは防衛庁も認めるところである。にもかかわらず、北朝鮮の脅威を執拗にあおって3法案の成立を急いだのは悪法の真実が国民の前に明らかになるのをおそれたからにほかならない。
この法案の最大の危険性は、アメリカがイラクに対して行ったような先制・予防攻撃・侵略戦争に日本を参戦させ、海外武力行使の道を公然と開くこと、そのために日本の国民、国土、自治体と諸機関、資材などを総動員する法的しくみをつくるところにある。テロ対策特別措置法でインド洋に軍事展開する自衛隊への「攻撃予測」がされた段階で有事法制が発動されることがそれを語っている。これが戦争を前提としない日本国憲法と相いれないことは言を待たない。韓国与野党が、ただちに憂慮と批判の声をあげたのは当然である。
有事法制は北朝鮮問題の「備え」とはなりえず、かえってこの問題をいっそう悪化させるものである。この問題は、国際協調による包括的交渉を通じて平和的に解決すべきものである。
たとえ国会議員の9割が賛成しようとも憲法違反の悪法は真実と道理の前には少数派である。今後提出が予定される米軍支援法案、「国民保護法案」などは、あらためて悪法の全体像を浮かび上がらせ、その危険性がいっそう白日の下にさらされるだろう。
われわれは有事法制なるものの危険性を広く国民の中に浸透させ、その具体化と発動を許さないたたかいを草の根から燃え上がらせ、「戦争をする国」への道をきっぱりと断ち切りるために全力を尽くす決意である。