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京都原爆訴訟、
 不当にも厚生省が控訴

 12月11日に全面勝訴勝ち取った京都原爆訴訟で、厚生省は控訴期限ぎりぎりの25日、控訴しました。「控訴されたら判決が出るまで命があるかわからない。控訴せず認定して欲しい」と訴える原告Aさんの切実な願いを踏みにじる暴挙に支援する会は抗議文を送信しました。国民の怒りとして抗議電を厚生省に集中させましょう。

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1998年12月25日


 宮下創平 厚生大臣 殿

長崎原爆松谷訴訟を支援する会


京都原爆症認定訴訟の控訴についての抗議

 本日、貴職が京都での原爆症認定をめぐる訴訟について控訴したことに対し、私たちは憤りをもって抗議するものです。今月11日に京都地裁でのこの訴訟の判決は、原爆の被害の実相を直視し、原爆医療法には戦争遂行主体としての国が自らの責任で被爆者の救済をはかるという一面をもつものであって、実質的には国家補償敵配慮が制度の根底にあることをふまえ貴職の処分を違法と断じたものであり、さらに原爆医療審議会での審査のずさんさを指摘、それを知っていながら是正せず、安易に審議会での意見に同調した貴職の責任を明らかにしたものでした。
 司法によるこのような指摘に対して行政がなすべきことは、真摯な反省であるべきです。ところが貴職は、なんら反省を示すことなく、控訴によって結論の先送りをはかったのです。裁判が長期化して苦しむのは被爆者なのです。私たちは、貴職のこのような姿勢に心の底からの怒りを禁じえません。
 私たちは、貴職の控訴に対し抗議するとともに、貴職が直ちに控訴を撤回し、これまでの誤った被爆者行政を一日も早く是正されるよう要請します。

 


「厚生大臣は故意、過失があった」
京都原爆訴訟、全面勝訴

 12月11日、原爆症認定をもとめて12年間にわたってたたかってきた京都訴訟で全面勝訴の判決が言い渡されました。
 原告のAさんは法廷でしょうとわかった瞬間、深々と裁判官に一礼、そして傍聴席にも一礼しました。どんな思いが去来したことでしょう。
 この日、尾藤弁護士事務所を訪れたAさん、前夜は緊張のあまり腹痛がひどく救急車で運ばれたとのこと。今朝も食べていないということで、事務員さんの用意したお粥を食べて裁判所に向かいました。裁判所前にはたくさんの報道陣が待ち受けていました。匿名での裁判とはいえ、関心の高さが伺えました。
 判決を言い渡す裁判長はこの4月に札幌に異動しましたが、毎週末に京都に来て合議を重ねていたそうです。ですから、裁判長がこの日も来るという情報で、弁護団は「勝!」と確信したそうです。そしてその通り、「全面勝訴」となりました。
 翌日の地元新聞は、そろって厚生省に対して早急な改善を求めました。
 松谷訴訟の福岡高裁判決より踏み込んだ判断をしている分野もあり素晴らしい判決です。判決文の骨子はここをクリック!

 


支援する会結成10周年ロングラン宣伝行動


 12月10日、支援する会は結成10周年を地元市民へのアピールとして目抜き通りで8時間のロングラン宣伝行動を行いました。20団体から43名を越える参加者があり、署名895筆、募金2万6千円あまりが寄せられました。
 原爆パネルや裁判パネルをじーっと見て「何をすればいいのですか」と署名コーナーに来る人、「厚生省はひどいですね」「早く認定されるといいですね」と松谷さんを励ます人、たくさんの市民が署名、募金と協力してくれました。
 マスコミ各社も取材に駆けつけ、松谷さんや参加者を取材、夕方のニュースで大きく取り上げられました。


署名用紙はここをクリック


不当な厚生省の上告に対し、怒りをもって抗議し、ファックスまたは葉書で上告取り下げを要求しましょう。
宛先: 厚生大臣 宮下創平
    東京都千代田区霞ヶ関1-2-2
      03(3502)3090


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