京都訴訟判決骨子
- 厚生大臣は、原爆医療法八条一項の原爆被爆者医療認定申請において、申請者の負傷または疾病が原爆放射線に起因する可能性と原爆放射線以外のものに起因する可能性とを比較し、原爆放射線に起因する可能性が相対的に高いことを申請者が証明した場合は、他の科学的専門的な知見等によって当該負傷または疾病が原爆放射線以外の原因によるとの確定判断ができるときを除いて、同条項の「認定」をしなければならない。
- 原告の白血球減少症及び肝機能障害は、広島原爆の放射線被曝により発症した可能性が相対的に高いと認められ、T65DまたはDS86の線量推定体系及びしきい値論によっては、これらは疾病が原爆放射線以外の原因によるとの確定判断することはできない。
- 被告厚生大臣は、原告の本件疾病が原爆放射線に起因すると認めたうえ、原爆医療法八条一項の「認定」をするべきであったのに、その「起因性」を認めず原告の申請を却下した本件処分は、処分の基礎となる事実認定を誤った違法があり、取り消しを免れない。
- 被告国は、公権力を行使する被告厚生大臣の違法な本件処分により原告に与えた損害を賠償する責任がある。