風呂が2階にあると言うと、「どうして?」という顔をされることがあります。風呂は1階にあるものだと思っている人が多いのでしょうね。
おじさんの生家の風呂は細い路地に面していたので、風呂に入っていても、人が通ると足音や人影で分かります。ということは路地を歩いている人も誰かが風呂に入っていることが分かるのです。だから窓を開けて入ることはできなかったのです。
今は2階にあるので外のことは全く気にしなくてかまいません。夏場は窓を開けてブラインドだけ下ろして入ります。ブラインドの角度も上方が少し見えるくらいにしておけば道路からも向かいの家からも見られずに風を入れることができるので、とても気持ちいいのです。
浴槽にゆっくりつかるときはブラインドも全開にして外を眺めながら入ります。青空はもちろんですが、しとしと降る雨を眺めるのもいいものです。冬だと体を温めながら冷気を顔に当てていると、露天風呂につかっているような気分になれます。
もう一ついいことがあります。前回、洗濯機はベランダと同じ階にあるほうがいいと書いたのですが、風呂が2階だと洗濯機を2階に置いても何の問題もありません。むしろその方が自然でしょう。
おじさんの家ではベランダではなく2階のサニールームに洗濯物を干します。風呂に入るときに脱いだ服やタオルはそのまま洗濯機に入れて、風呂の残り湯で洗濯して同じ2階に干すので、洗濯物の移動がとても楽にできます。
最初に書いた「風呂は1階にあるもの」というような思い込みが色々なことであると思います。でも、最初に設計士が提案してくれた案の1つは玄関が2階にありました。二世帯住宅ではないのにです。
こうあるべきという常識にとらわれずに、自由な発想をしてみると意外といいものができるかもしれませんよ。