設計士を決めるために3人の設計士と「お見合い」をしたことは「設計士決定」<2009年8月31日>で書きました。その中の一人の設計士が「家は平屋がいいですよ。」と言われました。実際にその設計士の家を見せてもらったのですが、平屋の立派な家でした。でも好みは別としても平屋にするためには土地が広く必要です。限られた土地である程度の床面積が欲しいとなればどうしても2階建てになります。
2階建てだと階段が必要です。間取り図を設計していて階段で色々と考えることがありました。おじさんの実家は古い家なので天井が低く、その分階段の段数も少ないのですが、今の家は天井が高くなっているので段数も多くなります。
階段の傾斜が同じであれば、当然その分長くなります。ということは階段の占める面積が広くなるということです。まっすぐな階段で通常の傾きなら2間(3m60cm)くらいになると思います。ちょうど畳を2枚縦に並べたくらいです。つまり2畳分、1坪の広さです。階段は1階と2階をつなぐものですので、1坪の広さが1階と2階の両方に必要です。また階段の手前と上がりきった場所にも何らかのスペースは必要です。階段の下はトイレや収納に使えるかもしれませんが、約2坪を階段のために確保しなければなりません。
これはまっすぐな階段の場合ですが、L字型に途中で1階曲げると踊り場が必要になるので階段3段分くらいの奥行きがさらに必要になります。U字型に2回曲げると倍の6段分くらいが必要になります。1段の奥行きが20cmとしても1m20cmも長くなります(それぞれの階段に必要な面積の割合を下図に示しています)。
それなのにおじさんはU字型にしました。それはおじさんの考える安全のためにです。もしまっすぐな階段の最上部で転げたら一番下まで転がり落ちるかもしれません。それは大変です。でもU字型の階段だと踊り場か突き当たりの壁で止まります。
L字型でも同じように思いますが、壁に当たってその反動で下向きの階段側に倒れたら下まで転がるかもしれません。だからU字型にしました。そこまで心配する必要はないと言われるかもしれませんが、飲んべえのおじさんとしてはできる用心はしておきたいのです。
なお、L字型やU字型の場合、踊り場部分を斜めの段にする方法があります。U字型でも2つの踊り場を3段ずつにすれば、まっすぐな階段とほとんど変わらない長さになります。でも斜めの階段は外側部分はいいのですが、中心部分は段の奥行きが狭くなるので、踏み外す可能性がありますし、転げたら途中で止まらなくなるでしょう。これは余計危ないと思います。
住宅の本などではおしゃれな階段も目にしますが、何よりも安全で使いやすいことが一番だと思っています。