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朝日村SRI研究会活動報告(NO.2 20130806作成)
T現状報告 1 比較的水分が多めに推移した今井の田は、1株茎数も20本を越え、成長している。 色は若竹色で淡い。最近葉が広がり少し緑ががっている。 いまだ茎は平板で、丸みを帯びてきているのは一部だけなので、まだこれからぶんげつすると考えられる。 新しいぶんげつが多く見られる。 現在の生育状況から推測すると、8月末から9月上旬にかけて出穂すると考えられる。 湛水型の場合、ゆうだい21は、大型種のせいであろうが、コシヒカリより遅く、8月20日前後に出穂(「しゅっすい」約半数の茎が出穂する時期を「出穂期」、すべての穂が揃うと「穂揃い期」と言います)となるので、少し遅れ気味に推移している。 排水については、やはり、本格的な溝を設置することが必要であると反省的に考えている。入水口周りが、過湿となり、生育がよくない。 入水口と排水口が同じ側面に設けられているので、繋げばよい。 2 針尾の田は、初期の乾燥の影響と思われるが、根の発育が遅く、成長が遅い。 これは、土が日干しレンガのように固化し、根にとって好ましくない環境となったと思われる。 その後、頻繁に走水を行って、水分を補給した結果、遅ればせながら生育している。 1本植えは、ばらつきがあるが、多いところで20本になっている。 機械植えは20本を越えている。 比較的外周部のほうが生育がよい。入水口から遠い場所、すなわち、圃場の中では比較的水分が少ない箇所のほうが生育がよい。 現状は、今井の田と比較して、3週間遅れている。 3 御馬越の田は、標高が高い(920m)ので、その影響を考慮する必要がるが、針尾とほぼ同じ成育状況にある。 1本植えは、多いところで18本に広がっている。 この田は、元肥が多めなので、葉色は濃い。 数年放置されてた田なので、均平が出てなく、中央部が過湿気味で、その箇所は成育が遅い。 U 見えてくる課題 1 施肥方法について 今回の施肥方法は、湛水型と同じ様に、元肥を代掻き前に全層施肥としている。かつ、元肥に60%、追肥40%という配分をしている。 しかし、SRIの場合、表面に近くに根が張る関係上、初期に肥料不足となりかねない。 SRIの場合、元肥(50%)を全層施肥するとして、田植え後、あまり間をおかずに表面施肥をする必要がある。 初期成長を重視する観点から、アミノサン肥料が好ましい。 今後は、追肥分の残り50%を田植え直後、1ヵ月後、および穂肥と3回に分ける方法を考えてみることにする。 今回は、田植え後40日目に鶏糞を追肥している。(90kg/10a) 2 好気性栽培について 圃場の土の表面が大気に触れている状況を維持すると同時に、過湿を避けることが同時に必要である。 入水口に近い箇所はどうしても過湿になる。溝を設置して、排水を確実にすることが必要と考える。 3 機械植えについて 乳苗機械植えの湛水型の田は、一株の茎数が40〜50本と大株になり、少し過剰気味である。 植え付け本数をもっと絞る必要がある。 乳苗の活力を最大限に発揮するために、初期育成を大事にすることが重要な点だが、そうすれば、機械植えで数本の株となっても初期の立ち上がりがよければ、ぶんげつは可能と思われる。 4 初期に水管理について 今回初めてのSRIということで、手探り状態でスタートしたが、初期の水管理は、慎重に行う必要を感じている。 田植え後、今井は3日に1回、ほかの2箇所は1週間空けて入水としている。 この間、雨も少なく、乾燥気味になった。 大きく深いひび割れが走ったということは、土がそれだけ凝固したということを意味する。すなわち、固い土に根が包囲されたということになる。 初期には、連日または2日に1回、入水・落水を行って、土が固まらないようにする必要がある。 かつ、確実に表面が大気に触れるようにするためのみならず、過湿にならないようにするために、水溜りがないほうがよい。 V 草対策 当初は、手で除草をしていたが、30日を過ぎると草の勢いが大きくなり、手では処理不可能となった。 草刈り機に180mmのチップソーを取り付け、ガードをつけて条間の草を機械刈りすることにした。 株間の草は後で可能な限り手でとることにした。 W 生育状況 |
今井 8月5日 茎数25本 | 今井 8月5日 700mm |
針尾 8月5日 1本植え | 針尾 8月5日 機械植え |
御馬越 8月5日 1本植え | 御馬越 8月5日 機械植え |
湛水型乳苗機械植えの田 6月19日 | 湛水型乳苗機械植えの田 7月12日 |
湛水型乳苗 標準株830mm 8月6日 | 湛水型乳苗 茎数63本 8月6日 |