安藤政輝リサイタルの記録          「宮城道雄全作品連続演奏会」
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タイトル 年月 場 所 内 容
牧瀬裕理子・安藤政輝
第1回リサイタル
1972/11 国立教育会館
虎ノ門ホール
宮城喜代子・宮城数江・古賀政男(指揮)・東京芸術大学声楽科学生をゲストに迎え、交声曲《日蓮》をはじめ5曲を演奏。
第2回リサイタル
「箏がうたう子供の世界」
1978/ 5 abc会館ホール 杉並児童合唱団他をゲストに、宮城道雄作品のうち子供向けの童曲27曲を演奏。
第3回リサイタル 1981/ 9 郵便貯金ホール 東京都交響楽団・宮城喜代子・宮城数江をゲストに、学位論文の実証を目指して、コンチェルトを含め、箏と種々の楽器との合奏を行った。
第4回リサイタル
「組歌の流れを求めて」
1982/10 abc会館ホール 箏曲の原点である組歌を出発点とし、その器楽性が現在までどのように発展してきたか、さらに将来に向けての展望を委嘱作品に託し、組歌の流れをソロリサイタルで示した。
第5回リサイタル 1983/ 5 第一生命ホール 青木鈴慕(尺八)、米川文勝之(三絃)、増渕任一朗(箏)をゲストに迎え、山田流を含めた他流派との合奏を行った。
第6回リサイタル 1984/ 3 松本市才能教育会館ホール 青木鈴慕(尺八)、米川文勝之(三絃)をゲストに迎え、松本市において初のリサイタルを行った。
第7回リサイタル 1984/11 星陵会館ホール 金昌国(フルート)、篠崎功子(ヴァイオリン)、北本秀樹(チェロ)をゲストに迎え、箏と洋楽器との合奏を行った。
第8回リサイタル
「宮城道雄歌曲の夕べ」
1985/ 6 abc会館ホール 桑原英子(ソプラノ)、永井和子(メゾソプラノ)、森田澄夫(テノール)、山本邦山(尺八)をゲストに迎え、箏と洋楽器との合奏を行った。
第9回リサイタル
「箏コンチェルトの夕べ」
1985/10 朝日生命ホール 宮城道雄と唯是震一の箏コンチェルト各2曲を演奏。
第10回リサイタル
「宮城道雄抒情の世界」
1986/10 abc会館ホール 藤城清治の影絵をバックに、抒情性豊かな宮城道雄作品12曲を演奏。
第11回リサイタル
「箏独奏曲の夕べ」
1989/10 星陵会館ホール 八橋検校から現代作曲家まで、山田流の作品を含めて箏の独奏曲を5曲演奏。
第12回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会‐1」
1990/ 3 星陵会館ホール 宮城道雄生誕100年に向けて、約300曲と言われる全作品を連続して弾いて行こうとするシリーズの第1回。吉川英史(解説)、山本邦山(尺八)他をゲストに、明治42年から大正4年までの6曲を演奏。
第13回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会‐2」
1990/ 8 星陵会館ホール 澤崎真彦(解説)、横山勝也(尺八)、青山恵子(メゾソプラノ)他をゲストに大正6年から大正8年までの宮城道雄作品15曲を演奏。
第14回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会‐3」
1991/ 2 津田ホール 吉川英史(解説)、桑原英子(ソプラノ)をゲストに、大正9年から大正10年までの宮城道雄作品14曲を演奏。
第15回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-4」
1992/ 2 abc会館ホール 吉川英史(解説)・多忠麿(笙)・堅田宏(打楽器)他をゲストに、大正10年から12年までの宮城道雄作品10曲を演奏。
第16回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会‐5」
1992/ 4 東京芸術劇場
小ホール2
山本邦山(尺八)・青山恵子(メゾソプラノ)他をゲストに、主として大正13年から14年までの宮城道雄作品11曲を演奏。
第17回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会‐6」
1993/ 2 東京芸術劇場
小ホール2
吉川英史(解説)・田辺秀雄(対談)・山本邦山(尺八)他をゲストに、主として大正15年から昭和2年までの宮城道雄作品15曲を演奏。
第18回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会‐7」
1993/ 7 東京芸術劇場
小ホール2
山本邦山(尺八)・青山恵子(メゾソプラノ)・法政大学アりオンコール他をゲストに、主として昭和3年の宮城道雄作品19曲を演奏。
第19回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会‐8」
1994/10 国立教育会館
虎ノ門ホール
松尾葉子指揮・東京交響楽団と、宮城道雄作曲の現存する箏とオーケストラによる協奏曲全4曲(《越天楽変奏曲》《盤渉調箏協奏曲》《神仙調箏協奏曲》《壱越調箏協奏曲》)を演奏。
第20回リサイタル 1998/10 abc会館ホール 宮城道雄の名作を集めて演奏。
第21回リサイタル
「安藤政輝 箏の世界」
2006/11 北とぴあ
つつじホール
野坂操壽、山勢松韻、米川文子をゲストに、古典曲3曲を演奏。
第22回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-9」
2007/9 紀尾井小ホール 嶺貞子(ソプラノ)、藤原道山(尺八)、千葉優子(解説)他をゲストに、主として昭和4年の宮城道雄作品20曲を演奏。
第23回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-10」
2008/2 紀尾井小ホール 藤原道山(尺八)、千葉優子(解説)他をゲストに、主として昭和5年の宮城道雄作品15曲を演奏。
第24回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-11」
2008/10 東京証券ホール 柴田旺山(尺八)、千葉優子(解説)他をゲストに、主として昭和6-7年の宮城道雄作品18曲を演奏。
 第25回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-12」
 2009/3  四谷区民ホール  青山恵子(メゾソプラノ)、川村泰山、難波竹山(尺八)、千葉優子(解説)他をゲストに、主として昭和8年の宮城道雄作品11曲を演奏。
  第26回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-13」
 2009/9 旧東京音楽学校
奏楽堂
 柴田旺山(尺八)、千葉優子(解説)他をゲストに、主として昭和9年の宮城道雄作品23曲を演奏。
 第27回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-14」
 2010/5  すみだトリフォニーホール  藤原道山(尺八)、千葉優子(解説)他をゲストに、主として昭和10~11年の宮城道雄作品17曲を演奏。
 第28回リサイタル
「宮城道雄 古典への手付」
 2010/12/20  紀尾井小ホール 宮城道雄が古典曲への箏手付をした現存の3曲《こんかい》《水の玉》、《尾上の松》(尺八も宮城道雄手付)を演奏。 
 第29回リサイタル
「魂をうたう」
 2011/10/24  紀尾井小ホール 川瀬順輔(尺八)、富田清邦(三絃)、藤井泰和(三絃)をゲストに、魂の奥底に迫る《秋風の曲》《こんかい》《残月》の3曲を演奏。 
 東京藝術大学
退任記念演奏会
2012/3/18  東京藝術大学
奏楽堂
 《道灌》《編曲松竹梅》《壱越調箏協奏曲》
《春の海》(アンコール)を演奏
  第30回リサイタル
宮城道雄作品による 
安藤政輝箏リサイタル」
 2013/10/6  高松市
サンポートホール高松
第1小ホール
柴田旺山(尺八)をゲストに、《泉》《数え唄変奏曲》《水の変態》《秋の調》《尾上の松》《春の海》の6曲を演奏。 
 第31回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-15
2014/6/9   紀尾井小ホール 柴田旺山、田嶋謙一(尺八)、野川美穂子(解説)他をゲストに、邦楽器版による《壱越調箏協奏曲》の再演を含む主として昭和12年の宮城道雄作品8曲を演奏。 
 第32回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-16」
2015/9/2   
紀尾井小ホール


 柴田旺山、金子朋沐枝(尺八)、野川美穂子(解説)他をゲストに、《大和の春》など昭和13-14年の宮城道雄作品8曲を演奏。
 第33回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-17」
2017/4/25   
紀尾井小ホール


 田嶋謙一、川村葵山(尺八)、東野珠美(笙)、野川美穂子(解説)他をゲストに、昭和15-16年の宮城道雄作品から《夢 殿》《希望の朝》《夏の小曲》《村の春》《銃後の女性》《数え唄変奏曲》《祝典箏協奏曲》の7曲を演奏。
 第34回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-18」
2018/4/23   
紀尾井小ホール


 柴田旺山、友常毘山(尺八)、東野珠実(笙)、野川美穂子(解説)他をゲストに、昭和16-17年の宮城道雄作品を中心に《寄桜祝》《萌ゆる若葉》《七つの胡桃》《大空の歌》《秋の流れ》《漁村の曙》《防人の歌》の7曲を演奏。
 第35回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-19」
2019/4/24   
紀尾井小ホール


 東野珠実(笙)、北川森生(フルート)、野川美穂子(解説)他をゲストに、昭和17-19年の宮城道雄作品から《もんぺ姿》《日の丸兎》《朝(鳩/行進)》《ひとかたに》《社頭の寒梅》《春遊び数え唄》《大東亜和楽》《すみだ川》《心の子守唄》《虫の歌》《三つの遊び(まりつき/かくれんぼ/汽車ごっこ)》の11曲を演奏。
 第36回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-20」
2020/4/18   
自宅で収録


 新型コロナウイルス感染症拡大のため「無観客開催」とし、ホームページ上で公開いたしました。

 東野珠実(笙)、野川美穂子(解説)他をゲストに、昭和20-23年の宮城道雄作品から《五十鈴川》《空と海》《静(吉野山/しずやしず)》《秋の小夜曲》《観音様》《至誠学園四誓音頭》《秋はさやかに》《子守唄》《祭の太鼓》《白玉の》《手 事》
 第37回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-21」
2021/4/17   
都内ホールで収録


 新型コロナウイルス感染症拡大のため「無観客開催」とし、ホームページ上で公開いたしました。

 篠崎和子(ハープ)、柴田旺山(尺八)、野川美穂子(解説)他をゲストに、昭和23-25年の宮城道雄作品から《黄昏(たそがれ)》《明 日》《水 滴》《野田中学校校歌》《福山ドレスメーカー女学院校歌》《炭坑の歌》《手 鞠》《荒城の月》《迎 春》《無 題》
 第38回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-22」
2022/4/17   
紀尾井小ホール


 望月彦十郎(鼓)、友常毘山(尺八)、飯島晶子(朗読)、野川美穂子(解説)他をゲストに、昭和25-27年の宮城道雄作品から《飛鳥の夢》《牛と馬》《雲雀の学校の校長さん》《ほたる》《さくら》《源氏物語》《伊丹風流(丹水会館祝歌)》《さらし風手事》《通りゃんせ》《平和数え唄》《編曲八千代獅子》
 第39回リサイタル
「宮城道雄全作品連続演奏会-23」
2023/12/27   
紀尾井小ホール


 桐山建志(ヴァイオリン)、北川森央(フルート)、田嶋謙一(尺八)、友常毘山(尺八)、野川美穂子(解説)他をゲストに、昭和25-28年の宮城道雄作品から《昭和松竹梅》《初秋の夕》《七夕まつり》《阿寒湖のほとり》《おおぞらを》《ほのぼのと》《梅が枝に》《さくらさくら》《春の賦》の10曲を演奏
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  第29回リサイタル 魂をうたう
 
 
             
プログラム           1. 秋風の曲    蒔田 雁門 作詞  光崎 検校 作曲 

                 2. 吼  噦   多門 庄左衛門 作詞  岸野 次郎三 作曲
                          宮城 道雄 箏手付 

                 3. 残  月   峰崎 勾当 作曲
 

賛助出演(敬称略)           三絃 : 富田 清邦
                          藤井 泰和
                   尺八 : 川瀬 順輔
                   解説 : 徳丸 吉彦
 
リサイタルに寄せて
徳丸 吉彦

 今年の初夏に安藤政輝さんからリサイタルを開くというお話を伺い、大変に嬉しく思いました。それには二つの理由がありました。第一は、邦楽でも洋楽でも、優れた音楽家が教授職を長年続けながら演奏会を開くことが稀であるからです。第二は、今年が安藤さんにとって東京芸術大学教授としての最後の年であることを知っていたからです。専任としての最後の年は、博士論文の指導、事務量の増大などで、誰でも頭が演奏や研究に向かないのが普通だからです。それですから、よく決心してくれたというのが私の気持でした。
 安藤さんは地歌・箏曲の専門家として、演奏と教育に、そして研究にも大きな功績をあげてこられました。また、社会における邦楽の現状と将来をつねに考えてこられました。例えば、9割以上の演奏者が箏に化学繊維の弦を用いる現状を知りながら、絹の弦を用い続け、また、学生にも絹の弦の使い方を教えておられるのも、日本文化における絹弦の将来を考えておられるからでしょう。最近も、絹の箏弦を締めることの少ない箏屋さんたちに、もっと多くの機会を与えるための社会制度が作れないか、と私に相談された程です。
 私は数年前から、切れにくく、しかも弾きやすくて音色のよい絹弦を作るための研究をしています。そのために、皇后様から皇居の中の紅葉山御養蚕所で桑の葉だけで育てられた繭を頂いて、それを他の方法で育てた繭と、あるいは、別の種類の繭と比較してきました。こうした比較を科学的に行うために、私はいつも安藤さんを頼りにしてきました。その結果、毎年、東京芸大の同じスタジオで、芸大の先生方が一定の条件で演奏する過程を分析することができるようになりました。こうした方法を遂行する時の安藤さんの優れた力量を、私は敬意をもって見てきました。
 このようなわけで、私は安藤さんの中に論理的な面と分析力を強く感じていました。バランスのよさを安藤さんの特徴と考えていたのです。しかし、私の見方は一面的であったようです。今回の演奏会を「魂をうたう」と名づけておられるように、安藤政輝さんは「情」の部分もお持ちです。この演奏会を契機に、それを表に出し、より自由な境地に飛躍されることを期待しています。

 開催にあたって
安藤 政輝
                                                                     
 本日はご来場いただきましてありがとうございます。
 地歌・箏曲には、四季のうつろいや色恋を題材にしたものが多いのですが、人間の精神の深みに迫るような内容のものは少ないようです。
 本日は「魂をうたう」と題して、よく追悼曲として演奏される3曲を取り上げました。
 《秋風の曲》では、高校時代に読んだ『長恨歌』の「温泉水滑洗凝脂」「在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝」に思いを馳せたり、万里の長城で、果てしなく続く峰々のそのまた先まで続いているであろう雄大なスケールに見とれ、吹きわたる風を感じたことなどを思い出します。
 《こんかい》は、1991年2月に第3回の「宮城道雄全作品連続演奏会」で取り上げたときに、冒頭「いたはしやな母上は」まで歌った時、直前に亡くなられた喜代子先生のことが急に心に浮かんで、声がつまってしまったことがありました。先生の亡くなられた後9日間、不思議に涙一滴も出なかったのに、一旦出だした涙は後から後から止めもなく、自分でもびっくりするばかりでした。以来、この曲を弾くたびに、喜代子先生と、翌年逝った母のことが想い出されてしかたがないのです。
 宮城先生の手付けは、《尾上の松》の後歌の部分が全曲にちりばめられたようで、きっとニコニコしながら手を「遊んで」いらっしゃったのではないでしょうか。
 《残月》は、追悼曲であるのに、なぜ手事が派手に速いのだろうと思っていました。ある時、ふっと感じたのです。将来を楽しみにしていた身近の若い人が急に亡くなってしまった時、「なぜ死んでしまったんだ」という思いを、亡くなった人にぶつけるわけにもいかず、その怒り・鬱憤をどうしたらよいのか…。どうしようもないと理性ではわかっていても、悲しみに打ちひしがれた気持と、持って行き場のない怒りとが交互に押し寄せて来る…。しかし最後は諦めの境地に入って静かに亡き人の成仏を祈る、というのが、歌と手事の緩急で表されているのではないか、と。
 3月11日の大地震・津波と原発事故。科学技術が発達して人間の英知を結実させたものよりも、なお大自然の力のほうがはるかに大きかったということを思い知らされました。多数の方が亡くなりました。不思議と、先に逝かれた方々のことがしきりに想われ、鎮魂の気持ちを込めてこのような曲を弾いてみたくなりました。「坊や、がんばって弾いているね。」と宮城先生は喜んでくださっているだろうか。演奏のたびにいつも心に浮かぶことです。
 終わりになりましたが、解説とお言葉をいただいた、高校の先輩でもある徳丸吉彦先生をはじめ、ご助演をいただいた方々、会の開催にあたりご援助・ご協力をいただいた皆様に御礼を申し上げます。 
    《秋風の曲》

 箏 :安藤政輝
   《こんかい》

 箏 :安藤政輝
 三絃:
富田清邦
   《残 月》

 箏 :安藤政輝
 三絃:
藤井泰和
 尺八:川瀬順輔
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  第28回リサイタル 宮城道雄 古典への手付
 2010/12/20  紀尾井小ホール 
 宮城道雄が古典曲への箏手付をした現存の3曲《こんかい》《水の玉》、《尾上の松》(尺八も宮城道雄手付)を演奏。 
 

 
    《こんかい》

 箏 :安藤政輝
 三絃:友渕のりえ
   《水の玉》

  箏 :安藤政輝
 三絃:森 雄士
     奥田雅楽之一
 尺八:川瀬順輔
   《尾上の松》

 箏 :安藤政輝
 三絃:
藤井泰和
 尺八:川瀬順輔
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  第21回リサイタル 安藤政輝 箏の世界
 


プログラム

20061119日(日)
14時開演(1330分開場)
北とぴあ つつじホール 

 
 1.五段砧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 光崎検校 作曲
箏本手     安 藤 政 輝 
箏替手     野 坂 操 壽 
 
 2.松竹梅 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 三津橋勾当 作曲
     安 藤 政 輝 
三絃   山 勢 松 韻 
 
 3. 八重衣 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 石川勾当 作曲 八重崎検校 箏手付
       安 藤 政 輝 
三絃   米 川 文 子 
 


ごあいさつ

安藤政輝

本日は、お忙しい中ご来場いただきましてありがとうございます。

財団法人北区文化振興財団・北区が区制60周年記念事業の一つとして行う「北とぴあ国際音楽祭2006」への参加という形で、久しぶりに演奏会を開催させていただくことになりました。

古典の芸系をそれぞれ受け継いでご活躍中の、生田流・米川文子先生、野坂操壽先生、山田流・山勢松韻先生のご助演をいただき、古典曲の中でも大好きな3曲を演奏いたします。
 15日に日本伝統文化振興財団より発売されたCDには、本日と同じ3曲が収録されていますが、録音というものは、数ある演奏のうちのある1回が固定化され、それを繰り返して聴くことになります。しかし、生の演奏は1回限りで、まったく同じ演奏というものはありえません。時には羽目をはずすこともありますが、その緊張感と充実感は何物にも代えられないものです。
 このような機会を与えていただきました北区文化振興財団・北区、ご後援いただいた日本伝統文化振興財団・日本音楽表現学会の諸機関に感謝申し上げるとともに、ご出演いただきました先生方、また、会の開催にあたりご援助・ご協力いただきました皆様に御礼を申し上げます。

〔参照〕⇒ じゃぽマガジン 記事

 
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  第20回 安藤政輝 箏リサイタル
 
 

 4年ぶりにリサイタルを行うことになりました。
1990年以来宮城道雄全作品の連続演奏に取り組み、1994年の「宮城道雄全作品連続演奏会-8」で、宮城の独奏箏とオーケストラによる協奏曲全4曲を一夜に演奏して以来のことになります。

 今回は、作曲年代順に行ってきたシリーズとは別に一般になじみの深い名曲を揃えてとりあげます。
独奏曲2曲と合奏曲が2曲ですが、そのうち独奏曲《手事》は、第1楽章<手事>第2楽章<組歌風>第3楽章<輪舌>の3楽章からなる器楽曲で、難曲として知られています。また《数え唄変奏曲》は、古くからある「ひとつとや…」の数え唄を主題にした変奏曲で、宮城が開発した数多くの奏法が用いられていて、さながら「箏奏法の展示会」の感があります。

 合奏曲のうち、《水の変態》は満14歳の時の処女作でありながら、現在でも個人のリサイタルには必ずといって良いほど取り上げられる名曲です。また、《尾上の松》は、九州に伝わった作者不明の三絃の原曲に宮城が箏の手付をしたもので、それによって盛んに弾かれるようになりました。

 助演者として、人間国宝・故米川文子の後継者である米川文勝之、尺八には古典から現代までの幅広い演奏活動と作曲活動とで有名な山本邦山、古典的地歌箏曲の継承者でありながら現代邦楽の畑での活動をしてこられた野坂恵子の3名の方々をお迎えしました。

 近代日本が誇る作曲家・宮城道雄の作品は大正から昭和にかけては「新日本音楽」と言われて時代の最先端を走り現代の箏曲の基となりましたが、現在では定着し、半ば「古典」となりつつあります。その宮城曲を宮城系以外の、古典・現代の両極で活躍中の方々との合奏で弾くところに今回の主眼があります。すなわち、宮城曲が宮城系だけのものでなく邦楽界全体で弾いていく状態になってきているという、普遍化の一つの証にしたいと思っております。

 


プログラム

1998年10月14日(水)  19時開演(18時30分開場)
abc会館ホール

手 事 ・・・・・・・・・・・・・・・
第1楽章 手  事
第2楽章 組歌風
第3楽章 輪  舌

宮城道雄 作曲
1946(昭和21)年

箏   安藤 政輝
 
2.水の変態 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
宮城道雄 作曲
1909(明治42)年

箏本手 安藤 政輝
箏替手 野坂 恵子
 
3.数え唄変奏曲 ・・・・・・・・・・・・・
宮城道雄 作曲
1940(昭和15)年

箏    安藤 政輝
 
4.尾上の松 ・・・・・・・・・・・・・・
原作者不詳
宮城道雄 箏手付
1919(大正8)年

箏    安藤 政輝
三絃 米川 文勝之
尺八   山本 邦山
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  第11回リサイタル 箏独奏曲の夕べ                           
 1989/10/24 星陵会館ホール
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  第10回リサイタル 宮城道雄抒情の世界                  
 1986/10/19 
 abc会館ホール 


 影絵:藤城清治とジュヌ・パントル




1.《数え唄変奏曲》

2.《三つの遊び》
  (まりつき・かくれんぼ・汽車ごっこ)

3.《ロンドンの夜の雨》
  《衛兵の交替》

4.《夏の小曲》
  (風鈴・金魚・線香花火)

5.《虫の歌》

6.《五十鈴川》
  (五十鈴川・祭りの太鼓)
 
「箏との協演にあたって」

 箏と影絵、ぼくにとってはじめての試みだ。こんど演奏される曲を聞いていると、〈五十鈴川〉にしても、〈夏の小曲〉や〈ロンドンの夜の雨〉にしても、情景がまるで目で見たように伝わってくる。はたして、ぼくの影絵がそれにふさわしい情景を作ることが出来るだろうか。
 安藤さんは影絵のために反響板はなくていいという。ぼくが作る影絵空間が、それ以上に箏の調べを会場にひゞかせなければと思っている。
                                                       藤城清治
 
ごあいさつ
 
 本日はお忙しい中をご来場いただきまして、まことにありがとうございます。
 箏という楽器の持つ表現力を拡大した宮城道雄の作品は、同時に"絵になる曲"が多いことで知られています。
 今回は藤城清治氏にご協力いただき、《宮城道雄抒情の世界》と題して、宮城道雄が耳で感じた四季おりおりの風物誌を箏独奏曲によって構成いたしました。
 どうぞ耳と目と両方でお楽しみください。 
                                                      安藤政輝
 
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  第9回リサイタル 箏コンチェルトの夕べ                 1985/10
 朝日生命ホール
《箏協奏曲第2番》  唯是震一 作曲
《箏協奏曲第3番》  唯是震一 作曲
《春の賦》      宮城道雄 作曲
《越天楽変奏曲》   宮城道雄 作曲
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  第8回リサイタル 宮城道雄歌曲の夕べ                  1985/6
 abc会館ホール    
 
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  第7回リサイタル                           1984/11
 星陵会館ホール     
 
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  第6回リサイタル                             1984/3
 松本市才能教育会館ホール
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  第5回リサイタル                          1983/5
 第一生命ホール
 さしそう光 
 残 月
 尾上の松
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  第4回リサイタル  組歌の流れを求めて                 1982/10
 abc会館ホール       
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  第3回リサイタル                             1981/9
 郵便貯金ホール
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  第2回リサイタル 箏がうたう子供の世界                1978/5/28
 abc会館ホール
《春の風》
《春の風》
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  第1回リサイタル                             1972/11 国立教育会館 虎ノ門ホール
 
 
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