東海道を歩く (35:御油宿) 2km
(写真は、御油の松並木)
いかにも田舎ののどかな風景の素敵な川にかかる御油橋を渡り、御油宿へ入ります。
宿へ入ると、御油高札場跡の説明板がありました。
少し歩いて、風格のある民家が点在する御油宿を抜けると、冒頭の写真の「御油の松並木」
です。
写真の様に見事な松並木です!
舞阪の松並木も素晴らしかったけど、こちらの松並木も道路のカーブが、いかにも東海道
という感じで趣があります。
こちらは、国の天然記念物指定です。
松並木を抜けると説明板があり、また松並木の説明かと思ったら、もう赤坂宿の説明板でした。
近ッ!
近すぎ!
御油宿と赤坂宿の間は、わずか1.7キロです。
このため、江戸時代には、しっぽの短い猫を「御油猫」
と言ったそうです。
この御油宿と次の宿場町の赤坂宿は、もともとは一つの宿場だったため、僅か1.7キロしか
離れていません。
このため、別々の宿場になった後は、2宿の旅籠同士の客引き競争がすざましかったそう
です。
広重の浮世絵「東海道五十三次御油」でも、旅籠の前で、旅人の袖を強引に引っ張る
客引き女が描かれています。
実際に、袖を引きちぎられた旅人も多かった、とありますから凄い!
旅人へのサービス競争も凄くて、マッサージ、髪結い、飯盛り女、たばこ等の出張販売など、
至れり尽くせりだったみたいです。
「東海道中膝栗毛」では、この御油宿と赤坂宿の間の短い道が、弥次さんがキツネに
化かさた、と思いこむ話の舞台になります。
弥次さんは、御油宿まで歩いてきたところで、バテてしまい、茶店で一休みします。
そこで、喜多さんが、先に一人で赤坂宿に行って、宿の予約をして待つことになりました。
弥次さんは、その茶店の主から、この先の松原に悪いキツネが住んでおり、よく旅人が
バカされる、という話を聞かされます。
やっと、弥次さんが歩きだすと、もう辺りは薄暗くなっており、遠くでキツネの鳴き声が
聞こえます。
すると、暗がりの中に、土手に腰掛けている喜多さんの姿が!
”お前、何故、ここに居る?”、
”先に行こうと思ったが、キツネが出るという噂があるので、弥次さんをここで待っていたんだ。”、
”ふん、そんな手にのるものか!、
それにしても、上手く化けたな!”
弥次さんは、喜多さんを、手拭で縛り赤坂宿へ連れて行き、キツネが正体を現す様に、近くに
いた野良犬を呼びます。
すると、近づいてきた野良犬は、喜多さんに吠えずに、尻尾を振っています。
そこで初めて、弥次さんは、喜多さん本人だ気付きます。
御油宿から赤坂宿まで約2キロです。
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