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33:二川


東海道を歩く (33:二川宿) 6km




(写真は、旅籠・清明屋)

愛知県に入り、キャベツ畑の中の国道1号を歩き続けると、東海道新幹線が横切るのが
見えました。



新幹線のガードをくぐり、東海道線の踏切を渡ると二川(ふたがわ)宿です。

二川宿は、遠江の国(静岡県)から、三河の国(愛知県)へ入った最初の宿場町です。

先ず、宿の入口近くの案内所に入って、二川宿の見どころについて聞きます。

他に客もいなかったので、案内所のおばさんと、ついつい長話をしてしまいましたが、そのお陰で、
二川宿の町の様子や歴史が、よく理解出来ました。

その話によると、二川宿は、江戸時代の道や町割りのままだそうです。

ここは、過去に地震も無く、関東大震災でも大して揺れず、また第二次大戦の空襲もなかったので、
江戸時代のままに残っているとのこと。

宿場町の中ほどには、東海道では、ここを含め2か所しか現存しないという「二川宿本陣」があり、
また、本陣の周辺にも、当時のままの家屋が点在します。



写真上は、商家の駒屋です。



写真上の本陣は、平成14年に、土塀、表門、母屋、玄関、土蔵などの全てが、江戸時代の
そのままに、見事に改修復元されており、なかなか見ごたえがあり必見です。





また、下の写真の本陣資料館は、これまでの資料館の中では桁違いに、資料、展示の内容が
豊富です。



江戸時代の東海道について楽しく学べ、見学に2時間はかけたい資料館です。





見学に2時間もかけられない人へは、ここで売っている「二川宿本陣資料館・展示案内」
(1,000円:当資料館発刊)がお薦めです。

この本は、どの出版社の東海道関連書籍よりも良く出来ており、もし立ち寄る機会があれば、
是非購入して下さい。

資料館の中には、江戸時代の旅行雑誌のベストセラーの「旅行用心集」なども展示されており
楽しいです。

それには、駕籠に酔った時の手当て方法などが、絵入りで細かく書いてあります。

また、江戸時代の携帯旅行用品として、折りたたみ式枕などの他に、密書を入れるための
「脇差し型の書状入れ」等の珍しい品も展示されています。



写真は、小刀型の財布です。

本陣の隣が、冒頭の写真の旅籠「清明屋」で、本陣資料館と合わせて400円です。

宿場町を抜けると、JR二川駅がありました。

駅を通り過ぎて、火打坂という名の交差点に、”東海道は右折”の大きな道路標識がありました。

ゆるやかな坂を登って行きますが、いくら歩いても、次にあるハズの”東海道は左折”の
道路標識がありません・・・

火打坂にあんなに大きな表示があったのだから、左折も大きな表示があるハズ、という
思い込みに引っ張られて、ズルズルと歩いてしまい、見切って引き返すタイミングを失って
しまいました。

冷静に考えると、随分と長い距離を行き過ぎてしまっています・・・

仕方なく、iPad2で現在地を検索します・・・

う〜ん・・・

とんでもない方向!、とんでもない場所にいます!

”ここは、どこ?” ”私は誰?”

トボトボと、これまで登ってきた坂を交差点まで戻り、地元の人らしきおばさんに尋ねます。

”う〜ん、坂に左折の表示はありませんよ。”、

”え?では、目印か何か?”

”目印ね〜、う〜ん、それも無いんですよね。”

”どうせ、この先で旧東海道は、国道1号と合流するのだし、その間、見どころも無いから、
このまま直進すれば?”

また、火打坂を戻る気力も無いし・・・

メンツにこだわらずに・・・

おばさんのアドバイスに従い、交差点を直進し、国道1号に合流するまで歩きます。 

国道1号に合流してから、トラックの排気ガスと騒音に耐えながら、単調な国道1号の、狭くて
歩きにくい歩道を、吉田宿へ向けて、ただ、ひたすら歩きます。

二川宿から吉田宿まで約6キロです。


バスで行く東海道「第7回-2」(二川宿〜吉田宿) 2012.10.6


「33:二川宿」




浮世絵は、白須賀宿と二川宿の中間の猿ケ馬場で、三人は瞽女(ごぜ)と呼ばれる三味線を手にした
盲人の旅芸人です。

二川宿は、本陣、旅籠屋、商家などの多くの古い家が残っていて、宿場町の風情を残す町並みです。

(次の写真の様に、街道に面した家の二階は、大名行列を見下ろせない様に窓がありません。)


本陣は、大名が泊る宿であるため、これまでに見た脇本陣よりも数倍は広い感じで、トイレの中まで
畳敷きです!





「二川宿本陣資料館」は、本陣と旅籠屋がセットで見学出来る東海道53次の中で最も内容の充実した
資料館です。(400円)










また、二川宿のジオラマも良く出来ており、上の写真のスポットライトを浴びた旅籠の人形達が、
下の写真の3台のスクリーンに写しだされ、人形がそのまま人に入れ替って動き出す、という
凝った仕掛けです。



資料館によると、江戸時代の旅の費用は、1日平均18,000円くらいだったとあります。

以下、主な内訳です。

旅籠代:3,000円

小夜の中山の峠越え(人足1人):2,100円

自宅へ手紙:380円(意外に安い!)

永福講道中記(旅行案内):1,600円

丸子のとろろ汁:500円

安倍川餅(10個):600円

駕籠代(袋井〜見附の場合:1,300円(思ったより安い!)



32:白須賀
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