東海道を歩く (32:白須賀宿) 6km
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(写真は潮見坂)
旧東海道は、新居宿を抜けて、美しい松並木を過ぎると、やがて始まる急な坂が、東海道の難所
だった潮見坂です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0059.gif)
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白須賀の名前の由来は、白い砂浜の意だということですが、その昔、海岸にあった白須賀宿は、
江戸時代に、大地震の津波による被害を受けて、現在の高台に移転したそうです。
そのために、旧東海道は、白須賀宿に近づくと、急な登り坂になります。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0059.gif) ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0228.gif)
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旧東海道を歩いていて気が付いたのは、吉原など、江戸時代の地震や津波で、海岸部から
内陸部へ移動した宿場町が多いことです。
そして、また東海大地震は、この東海道にやってくるのでしょうか?![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0209.gif)
坂の途中からの眺めは、眼下に雄大な遠州灘が広がる遠州路で随一の絶景で、広重も描いた
東海道の名所だったそうです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0140.gif)
京から江戸へ向かう旅人は、この坂の上に立って初めて、太平洋と富士山を見て感動した
そうです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0229.gif)
え?![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
と言うことは、これから先、京都まで海が見られないということ? ガッカリ!
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潮見坂の途中で、坂からの眺めの写真を撮ります。 この坂を、後ろ歩きで登って来る
おばあさんが、写真を撮っている私に気が付かずに、ぶつかりそうになりました。
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私は、慌てて、”こんにちは”と声を掛けましたが、いきなり後ろからの声だったので、
おばあさんはびっくりした様子でした。
”気が付かずに失礼しました”、と恥ずかしそうにして、今度は、前向きで、坂を登って行きました。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0199.gif)
私も、後ろ歩きで、景色を見ながら、坂を登りたい気持ちは良く分かります。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0140.gif) ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0068.gif)
冒頭の写真はその時のものです。
写真を撮り終えて、坂を登り始めると、野菜の袋を提げて、坂を下りてくる先程のおばあさんに
再会しました。
坂の上の100円の無人販売機の野菜を買い行ったみたいです。
おばあさは、恥ずかしそうに、”先程は失礼しました。”
と、丁寧に頭を下げて行きました。
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「東海道中膝栗毛」では、弥次さん喜多さんが、新居宿から駕籠に乗り、潮見坂に
さしかかった時の話が出て来ます。
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喜多さんが、潮見坂からの大海原の絶景を眺めていると、駕籠屋が、”向うの山に鹿がいる
のが見えますよ”と教えてくれます。
そこで、喜多さんが、”お前達には、聞かせても、分からないだろうが、一首、出来た。
”と言って詠み聞かせます。
”おく山に 紅葉ふみわけ なく鹿の 声きく時ぞ 秋はかなしき”![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0236.gif)
その時は春なのに、駕籠屋は、”すばらしい”、とほめ讃えます。
気分を良くした喜多さんは、次の茶屋で、駕籠屋に酒をおごります。
すると、駕籠屋は、その茶屋に居た仲間3人に、”おい、猿丸太夫(先程の和歌の作者)様の
おごりだぞ!”と言って酒を振る舞います。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0205.gif)
喜多さんは、すっかり落ち込んでしまいます。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0211.gif)
潮見坂を登り切ると白須賀宿です。
高台の白須賀宿からは、雄大な遠州灘が一望出来ます。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0140.gif)
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本陣跡などの碑と案内板があり、宿場町の雰囲気を残す民家が点在しています。
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でも、現在もそのまま人が普通に住んでいるので、見学は出来ません。
宿場町の入口の道は、直角に曲げられており(曲尺手)、下の写真は、その直角に
曲げられた道の説明板です。
説明板によると、その目的は、軍事的な役割の他に、大名同士が、かち合って、トラブルに
なるのを避けるため、お互いの行列が直接見える前に、お互いに偵察を、曲尺手の先に
出して、一方が、最寄りのお寺に緊急避難するのに利用されたそうです。
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白須賀宿を抜けると、遠江の国(静岡県)と、三河の国(愛知県)の国境に境川という川がある、
とガイドブックに書かれているのですが・・・
しかし・・・
境川が無い・・?![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_3.gif)
気付かずに通り過ぎた?
そんなことは・・・
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まあ、いずれにせよ、この辺りが、遠江(とおとおみ)の国(静岡県)と、三河の国(愛知県)の
国境のハズです。
あまりパッとしない国境越えですが・・・まあいいか。
とにかく、やった〜!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cake_2.gif)
やっと、愛知県まで来たゾ!
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「遠江」(とおとおみ:静岡県)に対応する地名は、近江商人で有名な「近江」(おうみ:滋賀県)
です。
京都からみて、近くの湖が「近江」(琵琶湖:滋賀県)で、遠くの湖が「遠江」(浜名湖:静岡県)だ
そうです。
なるほど!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0151.gif)
江戸時代以前の地名の由来は、京都が中心ですものね。
それから先は、広大なキャベツ畑の中の単調な国道1号を、二川宿へ向けて、約4キロひたすら
歩きます。
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白須賀宿から二川宿まで約6キロです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_walk.gif)
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