本文へジャンプ
甲州街道を歩く( 39:下諏訪)(長野県諏訪市)  2021.11.20




(写真は、「聴泉閣かめや」の「上段の間」)

 

遂に、甲州街道のゴールの「下諏訪宿」に到着しました。

「下諏訪宿」は、中山道との追分を控え、諏訪大社下社の門前町として昔から栄えていました。

また、中山道の”唯一の”「温泉場」としても大いに賑わいました。

下諏訪宿は、本陣1、脇本陣1、旅籠40軒でした。

 

 



旧甲州街道は、諏訪大社下社の前を通り過ぎると、下諏訪名物「塩羊羹」の老舗「新鶴本店」に突き当たります。



中山道踏破のときに、ここで名物「塩羊羹」を買って美味しかったので、今回もまた同じ塩羊羹を買います。



(塩羊羹:950円)

明治6年創業の新鶴本店は、幕末の尊皇派で南画家の天龍道人(てんりゅうどうじん)の住居でした。



新鶴本店の少し先の「聴泉閣かめや」に入って、コーヒーを飲みながら一休みします。



「かめや」は、江戸時代には、下諏訪宿の本陣の一部だったので、参勤交代の諸大名はもちろん、皇女和宮などの将軍の御台所となった皇女の
寝所もありました。


更に、明治以降になると、島崎藤村、芥川龍之介、与謝野鉄幹・晶子なども宿泊しています。









「かめや」の「上段の間」が喫茶室になっているので、上段の間から前庭を眺めながら、コーヒーを飲んで、贅沢なひと時を過ごしました。













なお、「かめや」の隣の写真の「本陣岩波家」には、近藤勇らの新撰組、赤報隊、水戸浪士などが宿泊し、激動の幕末の舞台となりました。

(「本陣岩波家」の内部については「中山道を歩く・下諏訪宿」を見てね。) 

(また、赤報隊については「中山道を歩く・塩尻峠」を見てね。) 

 





「聴泉閣かめや」の出口の右手に、「下諏訪宿 甲州道中 中山道 合流之地」と刻まれた上の写真の「合流之地碑」があります。



この合流之地碑が、甲州街道の終点で、碑面には、「中山道下諏訪宿 問屋場趾、甲州道中終点、右 江戸へ五十三里十一丁、
左 江戸より五十五里七丁、 正面 京都へ七十七里三丁」と刻まれています。






ここには、上の写真の「問屋場跡」碑があります。



また、問屋場跡碑と並んで、ここには、下諏訪三名泉(児湯、旦過の湯)のひとつの「綿の湯」の碑があります。



太古の昔から湧き出ていたという「綿の湯」は、諏訪大社下社に由来するために、「やましい者が入ると、神の怒りに触れて、湯口が濁った」
そうです。



やましいことに心当たりのある人は入らない方が良さそうです・・・



綿の湯の並びには、子宝に恵まれるという写真の日帰り温泉の「児湯(こゆ)」があります。(入浴料230円)





児湯の前には、上の写真の「桔梗屋」旅館があります。

桔梗屋は、東海道中膝栗毛の作者の「十返舎一九」や、浮世絵師の「安藤広重」などが宿泊しました。

(十返舎一九の旅加羅寿から:上の諏訪を発ちて 下の諏訪に至る、このところ桔梗屋というに泊る。)

また、明治以降には、川合玉堂、竹久夢二、斎藤茂吉など多くの文人も宿泊しています。

実は、私も、この桔梗屋に1泊して、五街道踏破の祝杯を挙げようと思い、前日に予約の電話をしました。

しかし、このときの女将さんの説明によると、「現在、山梨県民が対象の県民旅割が実施中なので、県内の観光地は全て満席ですよ。」
とのこと・・・




上の写真は、「桔梗屋」旅館と並ぶ老舗の旧脇本陣だった「御宿まるや」(建物は最近忠実に復元)ですが、こちらも、もちろん満室でした。

という訳で、温泉に浸りながらの五街道踏破の祝杯は断念、泣く泣く日帰りの旅となりました。


                           
桔梗屋の前の「宿場街道資料館」に入って、下諏訪宿の展示物を見学します。







  

 


 

甲州街道のゴールの下諏訪宿の見物を終えて、下諏訪駅から、JR中央本線の普通列車に乗車します。

これは、JR中央本線の特急列車は、ここ下諏訪駅には停車しないので、停車駅の隣の上諏訪駅まで、
1駅だけですが普通列車に乗らなければなりません。


時間の変更が出来ない安い特急列車の切符を買ったため、上諏訪駅で、かなり長い時間を潰すことになりました。









上諏訪駅の構内には、写真の「足湯」があったので入ってみます。



ホームに入ってくる電車を眺めながらの足湯というのは楽しいです。



あ〜、疲れた足に気持ちいい〜!





足湯の横には、温泉卵づくりの専用スポットの「温泉たまご処」のボックスがあります。









説明版によると、温泉卵を作るには、先ず、駅の売店で、卵とタレのセットを100円で購入する必要があります。

次に、温泉たまご処のボックスの蓋を開けて、味噌こしの中に卵を入れ蓋を閉めて20分待てば出来上がるみたいです。



考えてみると、夕食が未だだったので、上諏訪駅をいったん出て、駅の周辺で食事をします。

駅周辺の飲食店は、既にほとんどが閉店していたので、仕方なく、チェーン店の居酒屋・魚民に入ります。



たこ刺身(548円)と枝豆(円328)とトマト玉葱だれ(438円)をツマミに、生ビールで五街道踏破の祝杯をあげます。

本来、下諏訪宿の老舗旅館・桔梗屋に1泊して、ゆったりと温泉に浸かり、懐石料理で五街道踏破の祝杯を挙げる予定でした。

しかし、山梨県民旅割の実施中だったために、県内の観光地の旅館は全て満室でした。

と言う訳で、老舗旅館の温泉と懐石料理の予定が、駅の構内の足湯と居酒屋のタコ刺という、
数ランク格下の惨めな五街道踏破の祝杯になってしまいました・・・


魚民で食事をしている間中、屋根裏でドスンドスンという工事をしている様な音がしていました?

食事を終えて外に出てみると、工事の音だと思って勘違いしていたのは、何と、打ち上げ花火の音でした!








駅前の陸橋から、ビルの合間からですが、今年初めての花火大会を満喫しました。



帰宅してからインターネットで調べたら、諏訪湖湖畔で、11月中は11日間、毎回、約500発の花火を打ち上げている、とありました。



駅の売店で、写真の「信州くるみころがし」(1,300円)を買い、特急列車に乗り、八王子経由で新横浜に帰りました。