第3話 DNAの恨み

母親の突然の乱入に 直美より香季のほうが驚き

母親を見上げた。

「母さん どうしたの?」

香季の問いかけを 無視して母親は

いきなり直美の頬を 引っ叩いた。

床に転がって 動かなくなり

数秒して大声で泣き出した 

今まで母親から無視され

放任状態の直美に

生まれて初めての突然のビンタの衝撃

その顔は恐怖で満ちていた。

酷いじゃないかっ

母さん 

いきなり 叩くなんて

直美は 悪戯ざかりで

まだこんなに小さいんだよ」

おだまり

直美は最近

生意気に成ってきたからね

お前の 兄としてのケジメを

私が 代わってしただけだよ」

その話し振りは 母親としての愛情というよりは

喧嘩の因縁をつけるヤクザのようだった。

「直美

お前も 大分大きくなったんだから

今日から 二段ベットで香季といつしょに寝るのは止めてもらうよ

いいね

明日から 空いている隣の部屋で一人で寝なさい

それと もう一つ

お前の 血筋なんだから止められない・・・・?

ことは 承知してるよ

明日から直美は ピアノを習いに行きなさい」

「母さん 家にはピアノなんて無いじゃない

どうするの」

「香季は よけいなことを心配しなくていいんだ

この日のために 中古の安いポータブル電子オルガンを買っておいたからね」

「直美っ 

大丈夫か?

どうするんだ それで

いいのか?」

泣きやんだ直美は ゆっくりと起き上がり

「・・・・  兄ちゃんが

それで いいなら

いいよ」

「直美 俺も 悪かったよ

この所・・全然お前と遊んでやれなかったし

少しぐらい寝不足でも俺は 平気さ」

「兄ちゃんっ・・・・」

母親がいきなり二人の会話を断ち切った

「だめ だめ

そんなこと もう絶対に

絶対に

私が許しません

いいかい

直美 明日からピアノのレッスンには連れて行ってあげるけど

どんなことがあっても

絶対に 休んじゃいけないよ

お前の命 なんだから

命がけでレッスンを受けなさい」

母親は異常に興奮しながら直美を説得して

無理やり直美の手を引っ張って

隣の空き部屋に連れていった。

その日 香季は 疲れていても再び眠りにつくことはできなかった。

数十分時計を睨んで もんもんとしていたが

とうとう我慢できずに

隣の直美の部屋に 忍び込んだ

「直美っ

寝てしまったかぁー?」

「兄ちゃん

来てくれたの

嬉しい」

直美は大き過ぎる敷布団の上で

眠れずに

飼い主の帰りを待っていた子犬のような顔で香季を 見つめた。

「母さんが 寝てしまったたら

遊びに来てやるからな

そしたら 結局前と同じことだろっ」

「ありがとう 兄ちゃん」

それから毎日 二人は母親が寝静まった頃に

直美の部屋で サッカーのこと

ピアノのレッスンのことを

互いに語りあった。

直美はピアノのレッスンが気に入ったようで

見たこともない生き生きとした目でピアノレッスンの様子を語った。

 

ところが それから二週間ぐらい経った ある日

直美は 学校で慣れない鉄棒にぶら下がり

そのまま思いっきり、振り子のように体を揺さぶってから 着地しようとしたが

降り方が悪くて、 右足を強烈に挫いてしまった。

痛くて立ち上がれずその場で泣きじゃくっていた直美を

監視していた担任の先生が見つけ

即、保健室に直行した。

診断の結果は 捻挫で骨には異常はなさそうだったが

絶対の安静が必要だった

母親が担任から呼び出され 二人はタクシーで帰宅した。

 

その夜

いつものように、香季は母親が寝静まった夜中に

直美の部屋に行った。

「直美

大丈夫か

足 挫いたんだって」

香季が 捻挫して湿布してある直美の小さな足に

触れようとした瞬間だった

「香季っ」

ドアが開く音を聞き取りよりも 素早く

母親が乱入して

今度は

香季の頬を 強烈に引っ叩いた。

衝撃が強すぎて 痛さを感じない

叩かれたという事実は その数秒ごに

塩ぱい鼻血となって香季の味覚に伝わった。

やっぱり

父親の血

だねっ 香季」

母親は 興奮で目を充血させながら

直美の敷布団の横にあった中古のポータブル電子オルガンの端の部分を

鷲づかみにすると、ハンマー投げのように振り回して柱にぶつけた。

オルガンは 見事に真二つに壊れ

畳の上に 破片が散りじりに堕ちた。

 

「母さん 

何てこと するんだ

自分で与えておきながら

目の前で

直美の大事なオルガンを

壊すなんて

あんたは 鬼だ」

 

「なんだっ

その口の利き方

親に楯突くんじゃないょ」

 

直美は 二人の会話も耳に入らないくらい慌てて

右足を引きずりながら

毛虫のように、はいつくばって

二つに折れたオルガンのコードーが付いてある方をコンセットに繋いで

          哀れにも

必死で音をだそうとしている。

「お前たち 二人は私の言いつけを

破って夜中に同じ部屋で遊んでいたんだね

・・・・今回だけは絶対に許しませんょっ」

その時 直美が振り返って 

 

背筋が寒くなるような形相で 母親を睨んだ


(幼い直美と香季と母親の出来事から 遊兎と夏美のアジトでの直美と香季の再開の場面に戻る)

『・・・あの日 目付きだ』

頭の中の余計な感情は抜け落ちて

ただ母親への憎しみで満ちてしまった時の あの目だ

「いったい 何があったのか

正直に

教えてくれ」

「しつこいなぁ

だから

何でもないってば」

「そんなわけ ねーだろっ

なんだ?

この乱れた部屋の乱れ方は

ちゃんと

説明してみろ 直美っ」

香季は 荒々しく直美に問いただした

「・・・・

私が やったんじゃないわ

夏美  ょ」

 

「信じられないこと言うなっ

 このロッジをデザインした夏美さんが

こんなこと するかぁー?」

 

『 恐らく話せないのは

直美の方にも 話せない弱みを持っているからかもしれない

それは

遊兎や夏美さん達との間に起きたことだろう思う・・・

・・・たつた六日間の間に

いつたい何が』

 

香季は 直美が幼い時から

一度自分で心に決めた事は

何があっても途中で 曲げない女だと判っていた

だから これ以上聞いても

最後まで 本当のことは話してくれないだろうと予想したが・・・

それでも

香季は 何があったか問いただし続けた。

「兄ちゃんを信じて

何があったか 隠さず話してくれ

頼むっ」

 

「また 言っとくけど

兄ちゃんは 女の気持ちを知らな過ぎるわっ

私は もう子供じゃなくて

体と気持ちは 大人負けないわ

経験が少ないだけ

女の気持ちってね

兄ちゃんが思っているより

いつも同じでいられないものよ

これ以上 兄ちゃんの世話にならなくても

どうにか一人で 生きていけるって

この一週間で 思えてきたの

わかって

私は 親からの血で

美貌は自信ありよ

私が一人歩きすれば

きっと若い男は ほっとかないはず」

 

「・・・・

直美っ

 

人は 見た目じゃないっ・・・

 

いや

違う

 

俺が悪いっ

 

香季は 首から頭が飛んでいくくらい激しく頭を振った

 

「兄ちゃんは

大事な事を

肝心な時 直美に話しておくことが

できなかった」

 

「何?」

 

「直美の 産みの母親と 俺の親父の出会いの話だ

 

けど・・・もういいんだ

その話していたら

直美は じさ・・・・

 

もいいい

たくさんだ

畜生っ  どもがっ

 

・・・・」

 

「どうしたの?」

「・・・・直美のいう通りかもしれない

兄ちゃんは 人の気持ちなんて

何にも 読めないんだって 判ったよ

 

・・・・ごめんよ 直美

いや

そんな言い方も もうしないよ

 

 

辛かったろう・・・

 

あれほど・・・直美を置き去りにしないって 誓ったのに

・・・兄ちゃん 自分が情けないよ

 

生きていてくれて

ありがとう

兄ちゃんは これから一生

お前のそばに居て

お前を 守るぞ」

 

      香季は 流れる涙も拭かず 深々と直美に頭をさげ

 

 

それ以上 香季はロッジでの出来事は

直美の心が癒えるまで

一言も直美に問いかけないと

誓った

それから数日して香季のもとに夏美から

メールが届いた

「こんにちは香季さん

相変わらず貴方は 融通が利かないほど真面目で

肝心なことに気づかず

映画のヒロイン気取りで

熱心に人と付き合う毎日をお過ごしのことと存じます

それは貴方流の生き方で、ご自己満足の日々なのでしょうけど・・・

私にとってはとんでもない迷惑です・・・と

私の感情の高ぶりを お茶を濁し温い言い方で書き綴るつもりは無いは・・

 

 

何を 言いたいのか判らないでしょうから

ありままの感情を 書き殴ります。

私は

私は 怒りで このメールを打つ指先が 震えるほど怒っています

後ろから香季さん 貴方に呼びかけて

振り向きざまに 

ぶん殴りたいの

そう たぶん貴方は 私がそんなことしたら

「なぜ そんなに怒っているんだ」と

唾を飛ばしながら反論するか

反射的に殴り返すでしょうけど?

そうはいかないわ

なぜって

貴方が連れてきた

幼くてちっと触れば脆くて音を立てて壊れそうな

虐めで自殺未遂までした少女は

私と私の大切な人の人生を

めちゃくちゃに引き裂いた

そう・・直美という少女は

このロッジに来たとき 心が傷ついて

すごく怯えていた

遊兎は男だから

そんなか弱い少女を 慰めたがるのも当然よね

苛められて 傷ついた少女は

そう簡単に 心を開かないはずなのに・・・くやしぃ〜っ

直美はねっ

遊兎が香季  さんの親友ことだけで

憎らしぃっくらい

直美は 遊兎に心を許していたは

女の直感で判るの・・

それは直美は

しつこく遊兎の香季  さんが親友になった頃の話を聞いていたわ

私も昔 虐められっ子だつだから

たった一人 信頼できる特別な人間の友達は

その人間と同じくらい心を許せるって

その心理が判るの

直美は香季  さん 貴方に兄弟愛以上の

特別な感情もっいたからでしょ

二人は私の見ている前で

じゃれあい 笑ったり

喧嘩していたりしたは

そして最後には

遊兎は「それほど俺は 直美から信頼されている」

と勘違いしはじめて

もうっ

急速に 接近し始めたって 感じた

ほんとに 許せないっ

私がわざとロッジを空けて

私がセットした隠しビデオカメラの部屋で

二人は 肉体関係まで結んでしまった

それで・・・私ついにキレて

いじめられっ子の昔に 戻ったの

私は 頭が可笑しくなる位

一人のいじめっ子の女に 悩んでいた

ある晩 頭の奥に鐘の音が響いて

悩むのは止めて 

「戦ってやるっ」決心したの

そして期末テストの前の月一回の全体朝礼が終わった

列を崩して教室に向かう途中のいじめっ子の後ろから

忍び寄って

試験勉強で寝不足ぎみでふらふらしていたいじめっ子の背中で

突然 大声だして名前を呼んでやったの

いじめっ子が渡り廊下に向かう

三段くらいしかない勾配の緩い階段の手前だったので

驚いて 振り向き

計算どおり

後ろ向きで 階段から転げ落ち

後ろ頭を打って気絶したの

私は 勝ったと思った

いじめっ子は すぐに保健室で意識を回復したけど

その時の記憶を 無くしてしまったらしいの

それは計算外のこと

いじめっ子は翌日から 何かに怯えるようにおどおどと行動するようになり

期末試験も うまくいかず

学校も欠席するようになり

もちろん私を苛めるようなことはしなくなった

その日から 私は人から受けた痛みは

何倍かにして返す事にしたの

だから・・・

直美にも

私のヤンキィー時代の恋人を使って

復讐してやったの

つまり

言い方を変えれば

か弱い少女を 物怖じしないどうどうとした女にしてやったのよ

判るでしょ

香季  さん 

私の復讐は これで終わった訳ではないかもしれないょ

はははぁー」

香季は 自分のせいで起きたこの事件を

どうすることも出来なかった

虚しく時は流れた

 

事件から暫くたって

直美は登校拒否を 止めて

「学校に戻りたい」

と 枝垂れ桜のごとく身を沈めて

香季 しおらしく懇願した。

「もう 虐めにあっても

教科書をほっぽりだして直ぐ逃げ出さないよっ」

「ほんとか??

いや

駄目だ

無理するな

少しづつでいいんた゛

ちゃんと気持ちを 整理してから

学校に登校したら??」

「信じてっ

お兄ちゃん

私 ほんとに

大丈夫

いやーだ 兄ちゃん

そんなマジな顔もう

見たくない

退屈で 反吐が出るわ

私のことなんか

二度と心配しないでよ」

直美は 跪いて香季に向かって

再度のアピールは

キリストの像を拝むように

両手を併せて、祈りのポーズをした。

これまでの経過からして

直美の言う事は 半信半疑だったが

これ以上 直美の忠告を無視するようなことが

あってはならない・・・とも思えた。

ここは 直美の兄として覚悟きめて自立を見守るしかない 

と 決心した。

しかし それは直美の罠であり

香季への

そして誠実な恋を願う女への

復讐の第一歩であった

直美が学校に復帰したかった理由は勉強ではなく

自分の言うなりになる男を見つけることだった。

 

愚かな人間どもに

 平穏な日常の幸せを 密やかに運び疲れた

   運命のしもべは

     暗雲とともにその姿を変えて

       悪の華を咲かせようと

         濁った雨水を 降り注いだ

 

学校に復帰した直美は 雨道 武(たけし)と巡り逢った。

そう そう 早川武と出逢う一年前に

瞳はこの雨道 武(たけし)と恋仲におちいり不慮の交通事故で突然

雨道 武(たけし)は 死んでしまった事になっていましたね

それが元で 瞳はショックで意識を失うほど衝撃をうけ

当時の記憶を 全てなくしてしまったのですが・・・・

この雨道武は 得体の知れない男だった

両親の消息は 闇に埋もれ彼が物心付いた時には孤児院で、

雨道武の過去は

親に捨てられた事意外は誰も明らかにしてくれる人は居なかった。

 

 

そう・・彼は過去を持たない男だった。

ただ一人僅かに知っているの人と言えば

雨道武が捨てられた、現場での第一発見者ぐらいだ

その発見者は 家に帰るのも忘れるほど酒によって

公園のベンチで寝ていたが

寒さで酔いが醒めて 

この日に限って

抜けるような青さの星空

を眺めながら家路を辿っていた

あまりの信じがたいその美しさに

とうとう小石に躓き

膝からこんでしまった

とその時

視界に入ってきたものは

真っ白な箱だつた

 

恐る恐る近づくと

何やら中は黒いビニールで二重に包まれた

毛布のようなものから

手がはみ出している

発見者は初めそれが人間ではなく人形だと勘違いして近寄った。、

雨道武の手首に触れると 血の通っ温かみ僅かに残っていて

発見者は 仰け反って驚き

駆け足で、逃げ去ろうとした

が、 人の心を持っていた発見者は

数分して 足をピタリと止め

胸に手宛て

胸の何も入っていないポケットを まるで心臓を抉り出すように

強く 握り締め

大きく首ふり

自分に対する怒りを しかめっ面にして

振り返り、ゆっくりと後戻りして

最後には走り出しながら

捨てられた現場に戻った

 

その現場は

児童養護施設のカトリック教会の入り口であることなど

発見者にとっては

残念なことに、知る由もなかった

泣く事すらできない幼い雨道武を 放置されたベビーバスケットから救い出し

抱きかかえながら 

発見者は 病院でわなく

近くの警察に届けると

ぽっとして 腕時計を見ながら帰宅した。

警察は雨道 武(たけし)を緊急入院させ

数日後 小雨のそぼ降るどんよりとした曇り空の日

児童養護施設のカトリック教会に入所させた

 

その雨道武が時を経て成長し 

学校に復帰したばかりの、直美の目に止まった

その日も雨音が妙に鬱陶しい小雨の降りしきる日だった

 

直美は学校に来ても授業は 全上の空で

教科書を盾にして、こっそり好きな小説を読んでいた

そんな直美が、唯一小説を読むのを止めたのは

音楽の授業だった

目的はそれもただ授業の終わりのクラス移動の僅か時間に

ピアノを弾くことだけだった

というのも、直美は あの日の家出以来 

香季のアルバイト掛け持ちの資金で養ってもらっていた

二人で結局アパート暮らし始めていて

食べるのがやっとの貧乏生活をしていた。

だから家でピアノに触れるどころではなかった。

その日も移動時間ぎりぎりまで

憎しみを情熱にしてピアノに触れていてた

タイムアウトで次の授業の為に廊下へと飛び出した時

慌てて持っていたシャープペンシルが転げ落ち

弾みつけて回転しながら、まるで吸い込まれるように

誰も居ないはずの廊下に佇んでいた男の足元まで転がって行った。

その人こそ転校生の雨道 武(たけし)だった。

「ねっ 君 これ落としたょ?」

「私のっ だから

さっさと よこしな」

「何だと それはないだろ

お礼ぐらいしろよ」

「お礼

むかつくなぁ〜

うざいんだよ お前」

怒鳴り散らした瞬間

手元が緩んで

ピアノ用に書き写した譜面が

近づいてきた雨道 武の足元にまた

ゆっくりと宙を舞って落ちた

「これは

Purple Haze

じゃないか 女のお前が 生意気に・・・・

 

ジミヘンを弾きたいのか?

ははぁっ

訳ありの その憎しみ目

気に入ったぜっ」

これが二人の出会いの会話の全てだった

雨道 武はすんなりシャープペンを無言で直美に返して別の教室に去っていった。

翌日 どうやって探り当てた知らないが

放課後に昨日の場所で逢って欲しいとのメールが届いたが

返事は保留した

その日 直美は紫色の予知夢を見た

それは砂浜で 二人の男が 決闘する夢だった


(ここからは直美の予知夢の中)

「タケルっ

なんで、そうまでして俺と戦おうとするんだぁ

俺とマジで戦えば

勝ち目などないことは お前 知っんだろ?

たがが真由美 一人の為に

雅か お前 死にたいのか

今時 そんな計算のできない男はいないぞ」

 

 

「・・・・・死にたい?

轟っ

・・・そうかもしれない

「よせよっ

似合わないこと言うな

お前は どう見たって

ジェームス・ブラウンのようにファンキーになれないぜっ

お前は 経路から堕ちこぼれた

間抜けで臆病な

ちっぽけな蟻だ」

間抜けで臆病な

ちっぽけな蟻?

・・・悔しいけど・・・・そうだったかもしれない

クラスメイトと打ち解けることができずに

外に出るのが 怖くなり

家でゲームだけしていた時もあったよ

お陰で 家では アル中のお袋に精神的にずたずたにされ

学校では お前のような好戦的なゴリラ野郎に苛められようになり

最後には、家に帰ったら何もせずに直ぐ寝てしまうような人間になってしまったさ

群れから外れた俺は 旧友からも見放されてしまった時もあった

けど・・・

俺は

俺は お前なんかと違う

お前のように 

目的の為に人間をあきらめちゃいないぜ

 

いい気に成るな

筋肉怪獣っ

お前に 唯一

愛華が必要なように

今の

俺には 直美の素直さが

必要だったんだ

直美のような女に もう二度と巡り逢えることはないと

俺は知ってるぞっ

 

人生はワンチャュンスだ

それを 台無しして滅茶苦茶に壊しやがった

日本刀を素手で握ってでも

お前に復讐してやる」

 

「おーおっ

それは それは

どうもっ・・・

本気かっ

いい根性してる・・・

 

よし じゃ俺も・・・・」

 

 


(ここからはまた 現実の直美目線で)

直美は この夢を見た翌日 自分から呼び出して

雨道武と放課後の誰も居なくなった深夜の学校で再した

武(たけし)君 どうして?

私のことなんかに そんなに興味もつの?

私の目つき そんなに人を恨んでいるように感じたの?

貴方の 望みは いったい何

聞かせて欲しく成っちゃった」

「俺の 望みか?

聞いて後悔するなよ

お前に話したら それだけの代償はらってもらうが

それでも聞きたいか?」

「んんっ ?

代償・・・・

いいよ 私の人生の残り時間を 貴方のために支払うは

その代わりに 私のお願を かなえて欲しいの

それでもいい?」

「そうか・・・じゃ決めた

まず お前から その望みを話せっ」

「うんっ

私の望みは ・・・

笑わないでよ

私の夢の中にでてきた武と轟という男を捜して欲しいの」

「俺の情報収集は 目的人物の徹底的な尾行と盗聴で

その行動パターンから少しづつ割り出していくことだが

それには 大分時間が掛かる

それでも いいか?」

「も もちろんよ」

 

「いいだろう

その条件で契約しよう

 

俺の望みは 人の欲望を 勝手にコントロールすることだ

その目的のために お前の心を実験台に使う

それでも いいか?」

直美は 返事の代わりに頷いた。

 

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第1話 愛華を憎む訳


(ここからはこの物語の舞台が 喫茶店で香季から直美のスートーカーの訳を聞いて 哲に愛華のことで直美からメールが届いた時点(N05)に戻る)

 

 

その前に 今までの粗筋を載せる

 

 

No1 (時代設定 高1の始業式 武と瞳の交際)


この物語は 初め武目線で展開していきます

アルコール中毒で早くに死んだ母親せいで

人間関係が希薄になってしまって引き籠もりの武(たける) と

比較的裕福な家庭で美形で学業成績優秀のなのに

記憶喪失なるほどの恋の痛手で

深夜に家を飛び出しまで

亡くなった恋人の面影を捜し求めようとするために

夜遊び女という噂が流れ

クラスの生徒から苛めを受ける 瞳(ひとみ)

新一年生の入学歓迎会の席で出逢います。

 

武が校長の話を聞いていた時 傍にいた瞳は、突然、よろめいて武の腕の中で意識を失います。

それがきっかけで、瞳は武を意識しだし、学園祭の反省会の夜

瞳は誰も居なくなった校舎で、武に話し掛けます。

瞳は会話の途中でまた武の前での二回目の気絶をしかかりますが

武の介抱でその場で意識を取り戻します。

二人は帰り道でデートの約束を交わし、不思議な運命の恋物語が動きだします。

 

 

 

 

NO2(時代設定  高1 真由美と瞳の友達関係 洋子と哲の登場)

 

「出会いの広場」での待ち合わせ、そして映画を見た帰りに、誰も居なくなった

その場所で、瞳は武に嫌われることを覚悟で

記憶喪失が原因で父親が異常に男女交際を制限していることを告げるのです。

そんな障壁を乗り越えて、武は瞳とバンド活動をする事を約束するのですが。

 

バンドの練習が原因で、瞳の父に二人の交際がみつかりますが、なぜか呼び出しはなく

クラスメイトから父親のことが原因でいじめを受け始めたひとみは

武ともに『普通の女子高校生の生活』を取り戻していくのでした。

 

瞳はバンド活動の中でダンスユニット・スキップビートと合同クリスマスパーティーを開く事になり

メンバーの真由美と友達になります。

後からバンドに加入した勇輝の恋人の玲奈は顔見知りの真由美に近づき

レモンスカッシューのメンバーの中に瞳とそっくりの洋子という女が加入したことを教えます。


武はその面識のない瞳とそっくりな洋子と接触事故に遭遇し

翌日の夜、心配していた洋子を安心させる為に「洋子」に二回目の電話を掛けます。

その日を境に、次々と説明できないようなアクシデントが武達を苦しめようにります。・・・

その洋子の影には哲の存在が武の人生に関わってくる

 

 

 NO3 (時代設定 高2の夏休み Dream Boxsでの轟と愛華 の登場)

びしょ濡れになって 最後のバンド練習に来た瞳は

武に父親から交際を断られたので

家を出る決意を武に告げる

様子がおかしくて心配してた武のもとに道子から

「瞳が 、無断欠席」のメールを受け

この日を境に瞳との連絡は途絶えた

高2の夏休み入ったある日

突然 、愛華という少女から 洋子のDream Boxsでのコンサートに誘われ武は

かねてより気になっていた真由美一人を誘ってコンサートに行く事を決意する

喫茶店で真由美から

「瞳は従兄弟の愛子という子の所で元気でいる」ことを告げられる

瞳の失踪で、凹んでいた武は思い切って真由美に

「一日だけの恋人」に成って欲しいと告白する

友達の瞳の突然の失踪に内心 不愉快に思っていた真由美は

武が、かわいそうだと感じ始め

一日たぜけの恋人役を引き受ける

Dream Boxsで演奏していた洋子(実は瞳)は

真由美と武が恋人同士のように仲良くなっている光景を目にして

押さえ切れない嫉妬心に襲われ、演奏中に興奮してギターを叩きつけ

控え室に逃げ込

本物の強烈な嫉妬心の成せる技なのか?

武はその様子で洋子が 瞳であることに気づく

舞台に上がって武に警備がかりのアルバイトの轟(実は愛華の恋人)

威嚇する目つきでの武の方を睨み。

「この女に 近づくな」と警告する

二人は激しくも見合いDREAM BOXSは騒然となる

 

武は瞳と愛華(Dream Boxsのオーナーヒロの娘)が居る

関係者以外立ち入り禁止の控え室に乱入して洋子に詰め寄る

騒ぎを聞きつけた、轟と武はまた大乱闘になり

武は 轟に投げ飛ばされて、頭を強し意識を失う

 


 

 

 NO4 (時代設定 高2の夏休み 真由美の拉致)

病院のベットの上で意識を取り戻した武は

徹夜で床に添い寝して看病してくていた真由美と再会する

夜明け前にこっそり病院を抜け出した二人は

お腹がすいた真由美の発案でコンビニに立ち寄る

そこで 真由美は 突然

時間を気にしていた武に自分の願いを語る

「たける

急ごうょ

もう 日が昇り始める頃よ ねっ」

その朝日を見るために

日の出まで 後5分ぐらいしかないので急勾配の鬼坂道

「たける

私に勝ったら

恋人契約 延長してあげる」持ち掛けられ」

誘われる

轟との格闘でよれよれになった心と体をおして

武は見事に登りきるが、タイムオーバーで日の出には間に合わなかった

それでも二人は海が見たくて坂道の向こう側をゆっくり歩き出す

そこで真由美から告白を受ける

「私

たけるのこと

好きよ

とっても好き

死ぬほど好き

たけるとだったら いっしょに死ねるくらい」

二人は下り坂の途中で、押さえ切れない思いが弾けて

愛し合う

 とそこにコンビニで逢ったライダー(実は 催眠状態の瞳)と

スキップビートと轟に真由美は囲まれ

連れ去られる

武は真由美を奪還するために轟と関係が深そうな愛華の所に行って

居場所を尋ねる

そんな折りしも 轟からメールが届き

「真由美を帰して欲しければ

日が落ちたら浜茶屋 南十字星にお前一人で来い」

それは決闘依頼ただった。

南十字星に行くと浜茶屋の親父(実は愛華の祖父)に出会い

愛華の日記から愛華と轟の出会いと

愛華の性格を変えた直美の家族の話を聞く

 

 

 

NO5(時代設定 浜茶屋の武達から時空が愛華が中学三年頃にスリップダウン)

路上ライブをやっていた轟に愛華が出逢い その二人の演奏の感動した哲がメンバーに加わる

実はこの時 哲は瞳の父から

自殺未遂の前歴のある瞳の監視役を頼まれ

気が付くとどうにも抜き足ならない程

瞳と深い仲に陥っていた

そんな哲のもとに愛華の運変えるメールが舞い込んだ

それは直美からだった

「今日メールしたのは

特別な理由があるの

この前から哲くんに

忠告していたけど

愛華のこと

もう 私 彼女に限界超えて頭にきちゃった。

 我慢できないの

貴方が 瞳のことで

頭っぱいなのは 判るの

でも

私の忠告を無視して

最近 おかしな服を着てる愛華という女と

いつもいっしょにいるのは

耐えられないわ

 

 

NO6(時代設定 哲と直美の出逢い そこからタイムスリップして幼い直美とその家族 )

レンタルショップで直美と出逢った哲は直美の兄香季から

直美が禁断の恋愛関係を結ぶカップルを狙って想像絶する嫌がらせを繰り返す

ストーカーになったいきさつを聞く

それは直美の両親の生みの親メイとそれを激しく憎む育ての母親との物語であった

誰もいなくなった真夜中の野外ステージで 酔っ払って一人歌うメイと直美の父親である蛍太が知り合う

メイはアメリカ系フィリピン人でキャバクラ嬢だったが、性格的な問題を抱え同僚のキャバクラ嬢から酷い虐めを受け

上乗せて遠距離恋愛の恋人から浮気をされ やけ酒で荒れていた その粗暴な振る舞いに蛍太が注意から

口喧嘩に発展、突然発作的に メイはベランダから飛び降り自殺を図る

咄嗟の機転でメイの自殺を食い止めた蛍太と メイは禁断の恋に陥る