キットの煙突は外側の蒸気捨管まで一体化されたもので、この部分はキットの部品を使用しています。まず、基部の雨水除けの傘状のモールドの中心と煙突本体の中心線が合っていない(どちらも右舷側にズレていた)ため、いったん基部で煙突を切り離し、中心線を合わせて再接着しました。
この煙突には日本の軍艦に見られるような整流板は無く、内側に田の字状の足場が設けられていました。しかし、キットの内部は完全にムクになっています。正直言えば内部を作り込んでもあまり意味が無いようにも思うのですが、実艦に準じた形で作る事にしました。
まず煙突内部を直径6mmと2mmのドリルで穴を開け、残った部分を半円の彫刻刀で削り落とします。このレジンの材質は堅すぎず、柔らかすぎずの大変上質なもので、木材の感覚でサクサク削れます。整形した後で、内側に0.3mmプラ板を巻いた上で中にポリパテを詰め、乾燥後に引き抜いてプラ板を外し「煙突内側の型」を取ります。その型に焼きなました 0.3mm真鍮線を巻いてハンダ付けし、その内側にエッチングパーツの「はしご」の部品を十字状に組み合わせたものを置いてハンダ付けし、その上に外側より2mm小さい楕円状の真鍮線を曲げたものを置いて再びハンダ付けします。最後に伸ばしランナーを2つの楕円状の真鍮線の上に接着して、足場の部品を作ってゆきました。最後に真鍮線で「手すり」を植えて仕上げています。
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