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「空想特撮映画特集」 ミステリアン、ナタール遊星人、宇宙大怪獣ドゴラ、そしてドクター・フーから地球を守る!!
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ちょうど先頃『シン・ゴジラ』を観たばかりだから、『地球防衛軍』を大スクリーンで観ることができたのはラッキーだった。アメリカとの関係が異なっているものの、基本的な構成は本作と『シン・ゴジラ』が重なって見えるところが多々あったように思う。なかでも、攻撃するのかしないのかを巡って論じ合う姿を重視していた点が目を惹いた。大きな違いは『シン・ゴジラ』では首相が前に引き出されていたことに対して、『地球防衛軍』では防衛庁長官までで、むしろ科学者たちに主導権を負わせている点だった。二年後に制作された『宇宙大戦争』では首相が出てきたように思うけれども、影が薄かった。 その『宇宙大戦争』は、特技監督の表記が圓谷英二から円谷英二に変わったほか、ほぼ全く同じスタッフによる制作ながら、『ゴジラ』の原作者である潤色の香山滋が抜けたことで、同じ丘美丈二郎の原案作品でも警世的なメッセージがなくなり、単純な娯楽作品になってしまっているように感じた。 それにしても、当時は完全に一般映画として撮られていたのだなと改めて思う。そのアダルトテイストを醸し出している部分が『地球防衛軍』では、核戦争を起こすことでの取り返しのつかない自滅への警告であり、『宇宙大戦争』では、勝宮(池部良)と白石江津子(安西郷子)のラブシーンであったり、岩村(土屋嘉男)が宇宙に出撃する前に夜の銀座に遊びに行くことだったりしているのは、極めて大きな違いのような気がする。とはいえ、白石江津子は『地球防衛軍』の白川由美よりも安西郷子のほうが僕には魅力的だった。 BプログラムはAプログラムを観て、同じ丘美丈二郎の原案作品でも『妖星ゴラス』のほうではなくて『宇宙大怪獣ドゴラ』を上映するのは どう考えても選択誤りだと思っていたのだが、『シン・ゴジラ』繋がりで言えば、ドゴラ撃退策にはシン・ゴジラと被るものがあり、時宜を得ていることに思い当った。 であれば、敢えて『キングコングの逆襲』を添えたりせずに潔く全作、丘美丈二郎でいけばよかったのではないかと思うのだが、若林映子の出演している『宇宙大怪獣ドゴラ』と並べるのであれば、「007」色の濃い浜美枝(アジア某国工作員)とドクター・フー(天本英世)の出ている『キングコングの逆襲』にしたかったのかもしれないなどと思った。若林映子の個性以上に、藤山陽子の美人度が際立っていた『宇宙大怪獣ドゴラ』だったが、最も魅力的なのは、やはり『キングコングの逆襲』の浜美枝だったように思う。 アジア某国工作員の件については、ストレートに中国や日本ではない、タイでもビルまでもベトナムでもない、とまで言っていたから、韓国朝鮮は?と思わざるを得ない。そのうえで、同胞人も数多く暮らしている東京が主戦場になることに対しては、命を賭して避けようとするところがミソだった。 特撮映画が子供客を狙った作品になり始めたのは、『ガメラ』の'65年あたりからのように思っていたのだが、それ以降でもけっこう一般映画としての制作が続いていたことを、こうして並べて上映されることで今さらながらに気づかせてもらった。 それにしても、『宇宙大怪獣ドゴラ』で駒井警視庁外事課刑事を演じていた夏木陽介は、敏腕なのやら間抜けなのやら判然としない役柄が多いような気がする。彼の持ち味なのだろうか。 参照テクスト:「高知県立美術館HP」より http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum/contents/hall/hall_event/hall_events2016 /kuusatsueiga/hall_kuusatsueiga.html | ||||||||||||||
by ヤマ '16. 8.27~28. 美術館ホール | ||||||||||||||
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