ルアー工房

プラグの飛距離実験


プラグの飛距離実験

重心の位置による飛距離の変化


これまでたくさんのルアーを作ってきて、経験的に重心位置を決めてたけど、
思ったように飛ばないことが多かった。

そこで、実際に重心の位置でどれくらい飛距離に差が出るか実験してみた。


実験用ルアー


実験用のルアーは、よく使うシーバスミノーのサイズである11cmの
ボディとして、丸棒の両端を削って、アイを付けただけのもの。
重心の差が出やすいように、あえてシンプルな棒状とした。

そして、それぞれ重心の位置を以下の6タイプとし、
重量は16.5g程度でそろえた。

@センター
Aセンターだけど、長めの錘
B少し後方重心(逆にして少し前方重心)
C後方重心(逆にして前方重心)
D前後に分散
Eセンター重心でよくあるミノー形状

実験用ルアーの重心位置


実験方法


近所の砂浜で、海岸と平行にキャスト(陸上)し、
PEライン(1mマーカー付き)のマークで計測。
それぞれ3投づつ記録した。

使用したタックルは、以下の通り。
ロッド:ルナミス MH 10.6ft
リール:ツインパワー 4000MHG
ライン:PE 1号

当日の気象状況:横風1〜3m


結果表
重心位置 1投目 2投目 3投目 平均
@センター重心
Aセンター長い 57 52 57 55.3
B少し後方重心 67 65 63 65
B少し前方重心 57 52 57 55.3
C後方重心 75 74 67 72
C前方重心 39 38 39 38.7
D前後分散 42 43 40 41.7
Eセンターでミノー形状 53 54 53 53.3
※@のデータがないのは、すぐ壊れて計測不能となったから


実験からの考察


実験結果は、後方重心ほど飛距離が伸びて、最長75m、最短38mであった。
後方重心が飛ぶのは分かっていたが、思っていた以上に差がつき驚いた。
メインの@センター重心が計測できなかったが、他の状況から55m程度であろう。

後方重心では飛行姿勢が安定し、スコーンと飛んでいく。
逆に、前方重心では飛行姿勢が不安定となり、回転することも多く飛ばない。

Aのセンター重心で錘を長くとったものは、飛ぶイメージがあって、
自作ルアーでも多用していたが、あまり変わらないことが分かった。

また、トゥイッチしたときに左右に飛ぶように、ヘッドに鉛を入れることもあったが、 Dのようにやりすぎると飛距離が出ないことが分かった。

シンペンやシンキングミノーでは、沈降姿勢をなるべく水平にしたいこともあり、 これまでどおり重心はセンターが基本となる。
それでも飛距離が必要となれば、やっぱり重心移動が必要か。

ミノーでは、リップも飛距離に影響が大きい。
今度は、リップの大きさや角度で実験したい。


ルアー工房
ルアーの作り方から、動きの出し方等、 ルアー作り歴20数年の試行錯誤により得たものを紹介します。

メニュー
copyright (c) 伊予のルアー職人 All right reserved.