安藤政輝 宮城道雄全作品連続演奏会
記録 |
安藤政輝HOME ≫活動記録 ≫リサイタル ≫宮城道雄全作品連続リサイタル |
トップページへ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
演奏予定 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
活動記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
著書・記事 発表論文 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リサイタル の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
講演・講習・演奏 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
安藤珠希へのリンク |
12
宮城道雄全作品連続演奏会 1 1990/3/16 ▲連続演奏会トップへ ▼第2回へ 演奏会によせて
宮城喜代子
「宮城道雄先生の作品を世界中の人に聞いてもらいたい」 今から20年ほど前になるでしょうか。安藤政輝さんのリサイタルのごあいさつにこう書いてあったのを思い出します。
あの時から、また20年の歳月が流れました。
現在の安藤さんの活躍については、ここにあらためて申し上げるまでもないことと存じますが、あらゆる場で一歩一歩、着実に前進を続けておられること、大変に嬉しく思います。
さて、4年後の平成6年(1994)には宮城道雄の生誕100年という記念すべき年を迎えることになり、現在いろいろな企画が立てられています。
明治27年(1894)4月7日、神戸に生れた宮城道雄は、盲目というハンディキャップと幾多の困難を乗り越えて、処女作「水の変態」を始め、多くの人々に親しまれている「春の海」など、多数の作品を世に残しました。また優れた演奏家、教授者、随筆家としての偉業も、既に皆様ご承知のことと存じます。
このたび安藤さんは、その宮城道雄の作品を連続して取り上げる演奏会を催されることになりました。時宜にかなった有意義な企画と思います。
随筆家、内田百闔≠ヘ「宮城道雄は後世に傳へなければならない」と書いています。
宮城道雄没後、既に30数年経ちましたが、ますます、その作品が光を増しているように思われますのは、安藤さんのように、宮城道雄を目標とし、また精神的な拠りどころとして精進している多勢の門人の皆さんのお蔭でしょう。ありがたいことと思います。
安藤さんには今後いっそうこの道に精進され、国際的な箏曲家として大いに活躍されますよう心から期待いたします。演奏史上画期的な壮挙に敬意
宮城道雄記念館館長 吉川英史
来る1994年は「春の海」の作曲者、「現代邦楽の父」宮城道雄の生誕百年に当たります。そのための記念事業が、いろいろと企画されていて、すでに着手されているものもあります。
しかし、個人の企画として、安藤君の「宮城道雄全作品連続演奏会」ほど、長期的で、気宇壮大な企画はありますまい。いや、このような企画は、技量と才能だけでは実行できるものではありません。「全作品」といっても、宮城の作品の数の多いことは、峰崎勾当や山田検校や十代目杵屋六左衛門たちとは比べものになりません。
この連続演奏が、5年や6年で打ち上げになるとは思われませんが、そのような長期的企画を思い立つ所に、安藤君の恩師宮城道雄先生に対する追慕の念の、並大抵ではないことが知られます。
安藤君が宮城先生に弟子入りしたのは、まだ小学校2年生の可愛らしい坊やの頃でした。道雄先生のお喜びは一通りではなかったようです。恐らく、それまで道雄先生にはあどけない坊やの弟子入りはなかったのでしょう。
この坊やの弟子第1号は、めきめき上達して、東京新聞の邦楽コンクールで、三曲の児童部門の第1位に人賞しました。その頃審査員の一人として、舞台や新聞で講評も受け持った私は、政輝(当時正照)君の頭を愛撫したものでした。
やがて正照少年は成長して、日比谷高校から慶応大学を経て東京芸術大学大学院に入学し、博士課程に進んだばかりか、遂に邦楽出身の学術博士(第1号) を贈られました。恩師宮城先生のお喜びもさこそと推察しましたが、今回の「全作品演奏会」で、一層恩師に報いようとしている政輝君に、私からも大きな拍手を送りたいと思います。
さて、第1回の演奏曲目は、処女作「水の変態」から「都踊」までで、今の数え方(満)では14歳から20歳までの、正に少年期の作品であります。それなのに、今も名曲として愛奏される曲が4曲もあることは驚嘆の至りです。天才というほかはありません。
宮域先生の創作活動とその背景についての話をせよと、安藤君に頼まれました。結婚式の仲人なのだから、その位は当然だといいたげな顔です。しかし、やる中身が全作品の連続演奏という健気な企画でなかったら断りたいところでした。しかし、何しろ宮城先生の作品とあっては断れません。安藤君もそこを承知した上での依頼でしょう。
だが、この連続演奏が完了するまでは、うかつに死ねない。そう考えると、安藤君は命の恩人かも知れません。中途で挫けないで完遂してくれることを祈ります。宮城道雄全曲演奏会を始めるにあたって
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
宮城道雄の作品は約300曲といわれていますが、一人の作曲家の作品としては珍しく、「パイエル」に相当する手はどき用のものから洋楽の声楽家を対象とした歌曲、オーケストラとのコンチェルトまで分野が広〈、また次代を担う子供のための「童曲」も約100曲を数えます。
いつの日かその全作品を弾いてみたいという"夢"を抱いておりましたが、1994年に宮城道雄生誕100年を迎えるにあたり、いよいよこの遠大なシリーズに挑戦することを決意しました。
しかし、なにぶん曲数が多いので10年くらいかかるのではないかと思われますが、作曲年代に沿って、宮城道雄先生の"心"を弾いていきたいと考えております。
なお、今回は処女作「水の変態」(1909年作曲)から1915年作曲「都踊」までを演奏いたしますが、1915年作曲の「かけひの音」(大和田建樹作詞)のように、作曲年表に曲名は載っていても楽識が散逸してしまった曲もあります。楽譜の所在にお心あたりの方は、ぜひご一報下さいますようお願い申し上げます。
終りになりましたが、おことばをいただきました宮城喜代子先生、吉川英史先生、快くご出演をお引き受け下さいました山本邦山氏をはじめ、会の開催にご援助・ご協力をいただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。プログラム 演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 1 水の変態 1909 『高等小学読本』より 箏本手
箏替手吉川 英史
山本 邦山
安藤 珠希
石井まなみ
江川てる子
高洲 満子
長谷川 慎
山 ア 忍
与田 愛子2 唐 砧 1913 --- 箏高音
箏低音
三絃高音
三絃低音3 笛の音 1913 大和田建樹 箏本手
箏替手4 春の夜 1914 土井 晩翠 箏本手
箏替手
尺八5 初 鴬 1914 大和田建樹 箏本手
箏替手
尺八6 都 踊 1915 大和田建樹 箏高音
箏低音
三絃
尺八▲連続演奏会トップへ ・@ 宮城道雄全作品連続演奏会 2 1990/8/30 ▲第1回へ ▼第3回へ 演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 7 春の雨 1917 葛原しげる 箏 澤埼 眞彦
横山 勝也
青山 恵子
柴田 旺山
安滕 晃英
安藤 珠希
石井まなみ
江川てる子
真田江津子
浜崎 悦子
与田 愛子8 鯉と麩 1918 葛原しげる 箏 9 秋 1918 葛原しげる 箏 10 おさる 1918 葛原しげる 箏 11 かたつむり 1918 不 詳 箏 12 文福茶釜 1918 葛原しげる 箏 13 珠と鈴 1918 葛原しげる 箏・尺八 14 吹雪の花 1919 --- 第1箏・第2箏・
第3箏・第4箏15 岩もる水 1918 不 詳 箏 16 君のめぐみ 1918 大和田建樹 箏・三絃 17 若 水 1919 島崎 藤村 箏・三絃・尺八 18 秋の夜 1919 小林 愛雄 箏・尺八 19 秋の調 1919 小林 愛雄 箏・尺八 20 七 夕 1919 島崎 藤村 箏 21 尾上の松 1919 不 詳 箏・三絃・尺八 ▲連続演奏会トップへ 宮城道雄全作品連続演奏会 3 1991/2/28 ▲第2回へ ▼第4回へ 当時の作曲者とその周辺 ――― 第3回演奏会に寄せて
宮城道雄記念館 館長 吉川英史
「宮城道雄全作品連続演奏会」は、今回第3回を迎えることになりました。演奏曲目の作曲年代からいえば、大正9年(1920)から大正10年にかけての作品ということになります。
宮城道雄は第1回作品発表演奏会を終わると間もなく、浜町から牛込の払方町に引越しました。大正8年5月のことです。 次の転居先市ヶ谷加賀町に移るまで(大正12年3月)払方町の住人となったのですから、今回の演目は“払方町前半期”の作品ということになります。
この時期は、宮城にとって経済的には誠に深刻な貧困時代で、貞子夫人やその姪の清子さん(現宗家宮城喜代子)は、足しげく質屋通いをしなければなりませんでした。 しかし芸術的には豊かな時代で、前回既に演奏ずみの<秋の調>や、今回の目玉商品である<落葉の踊>などの名曲が数多く作曲された時期であります。
次に、この時期に特筆すべきことは、宮城道雄後援会が設立されたことであります。しかし、後援会とはいっても、その主な会員は学者や洋楽関係の音楽家であり、実業家や政治家でない所に特色がありました。 その人数も多くはありませんでしたから、経済的援助よりも、精神的・知脳的な援助という点に特色がありました。
それでも、当時としては破天荒な入場料であった世界的巨匠エルマンのバイオリン演奏会に夫人同伴で行けたのも、宮城音楽に新生面をもたらすことになる新楽器十七絃を完成させる費用が出せたのも、他ならぬこの後援会の金があったればこそであります。
なお、この時期―大正9年と大正10年中に、それぞれ第2回第3回の作品発表演奏会が開かれましたが、その会場が第1回とは違って、東京音楽学校の奏楽堂であったことも、注目に値します。 当時は今と違って演奏会場はほとんどなかったので、第1回はキリスト教の教会である本郷の中央会堂を借りたのでした。東京音楽学校の奏楽堂は当時としては最良のホールでありましたが、一般には貸さなかったのです。それが借りられた陰には、後援会のメンバーその他の誠意ある尽力がありました。
演奏会といえば、今一つ書き漏らすことのできない演奏会があります。大正9年11月27日、東京の有楽座で行われた「新日本音楽大演奏会」であります。 この演奏会は、第1部宮城道雄の作品、第2部本居長世の作品による合同演奏会でしたが、宮城道雄の作品を呼ぶ代名詞ともなった「新日本音楽」という名称は、この合の名称から来たもので、 その名付け親は、宮城の親友であり、合奏の相手であった尺八家吉田晴風(当時は竹堂)でありました。ごあいさつ
安藤政輝
約300曲と言われる宮城道雄の全作品の連続演奏会も第3回目を迎えました。 今回は、1920年(大正9年)と1921年(大正10年)の作品を14曲取り上げます。
1920年という年は、10月に第2回作品発表演奏会が東京音楽学校奏楽堂で行われ、11月に「宮城道雄後援会」が発足、そして、同月「新日本音楽大演奏会」が有楽座で開催されたという年であり、 また、1921年には、8月に宮城数江先生(当時は牧瀬数江)が入門し、10月に第3回作品発表演奏会開催というように、宮城作品が華々しく世に出ていった時期にあたります。
14曲のうち、<あひる>など7曲が子供のための「童曲」です。 また、大人向けの「歌曲」も<せきれい>など3曲あります。その他、注目すべき曲の第一は<ひぐらし>です。 宮城道雄が音域と音量の拡大を狙って改良した「大胡弓」を発表したのは、音域から考えて、 この箏・胡弓・尺八の三重奏曲<ひぐらし>であったろうと思われます。
次に注目すべき曲は<落葉の踊>です。十七絃は1921年(大正10年)の、 箏・三絃・篠笛・十七絃・胡弓・尺八による管絃合奏曲<花見船>で発表されましたが、残念ながら現在は楽譜が残っていません。 続いて作曲された箏・三絃・十七絃三重奏曲の<落葉の踊>が事実上の十七絃を使用した第1作ということになっています。演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 22 春の風 1920 葛原しげる 箏・尺八 吉川 英史
川村 泰山
桑原 栄子
拝田 明子
拝田 祥子
安滕 晃英
安藤 珠希
石井まなみ
高洲 満子
山 ア 忍
与田 愛子23 紙風船 1921 葛原しげる 箏 24 白 兎 1920 葛原しげる 箏 25 紅薔薇 1920 小林 愛雄 箏・尺八 26 尊しや 1921 九條 武子 箏・三絃 27 吼 ロ歳 1920 多門庄左衛門 箏・三絃 28 梅と鶯 1920 葛原しげる 第1箏・第2箏・
第3箏29 燕と少女 1920 葛原しげる 箏 30 あひる 1920 葛原しげる 箏 31 おんどりめんどり 1920 葛原しげる 箏 32 こすもす 1921 与謝野晶子 箏・尺八 33 せきれい 1921 北原 白秋 箏・尺八 34 ひぐらし 1920 −−− 箏・胡弓 35 落葉の踊 1921 −−− 箏・三絃・十七絃 ▲連続演奏会トップへ 宮城道雄全作品連続演奏会 4 1992/2/27 ▲第3回へ ▼第5回へ 最悪・最良の年の作品群 ―― 宮城道雄全作品連続演奏会4 ――
吉川英史
安藤政輝君の〈宮城道雄全作品連続演奏会〉も第4回を迎えることになった。今回の演奏会で取りあげられる曲は、大正12年(1923)に作曲されたものが中心になっている。
大正12年といえば、あの関東大震災の年であり、東京に住む住まないに拘らず、日本全体にとって凶年というべきであろう。それなのに作曲家としての宮城にとっては、意義深い傑作が次々に生まれた豊年であり、吉年であった。
高田桂堂は雑誌≪三曲≫の誌上で、こう書いている―――
“宮城師が最も油の乗ったと思われる大正12年(中略)、この1年の作品だけでも、質量ともに、他の作曲者の一生を凌駕(りょうが)するに足るものである。(昭和16年2月号<紫柳荘雑記帖>)。
この大正12年の作品の中で、特筆すべきは<さくら変奏曲>と<薤露調(かいろちょう)>と<雨>と<蜂>である。<さくら変奏曲>は宮城の数ある変奏曲の中で最初の作品であるばかりでなく、邦楽の変奏曲の記念すべき第1作でもある。また、<薤露調>は恩人朝比奈・ム之助氏の死に対する哀悼の曲であるが、同時に小編成ながら、宮城が初めて手がけた管絃楽曲という意味においても、邦楽器による日本最初の管絃楽という意味においても、画期的作品なのである。
これらの意義ある曲を宮城に作曲させた原動力となったものに、今村銀行社長今村繁三氏の金銭的援助があった。田辺尚雄の恩師中村清二博士は、大正11年3月、日本工業倶楽部で聴いた宮城曲に感銘を受け、生活費を稼ぐ時間をなるべく切り詰め、作曲に多くの時間が使えるように、名を秘して毎月援助金を贈ったのである。
大正12年8月31日の晩、宮城は<薤露調>の楽譜を持って田辺邸を訪れ、有楽座での笙の吹奏を依頼した。田辺は快諾した上、曲についての意見を述べ、宮城の賛同を得た。
9月の有楽座の宮城の演奏会の成功を夢見ながら胸をふくらませて帰宅した翌日、9月1日例の関東大震災が起こったのである!! 東京だけでも9万余の死者を出し、46万余戸の家屋を失った大惨事の勃発で、演奏会どころの状態ではなかった。幸いに宮城の家は被害を免れたが、<薤露調>の初演は、翌大正13年5月の報知講堂での第4回作曲発表会まで待たねばならなかった。
家は被害を免れても、弟子たちの稽古通いは困難になったし、自分の演奏会は開かれぬばかりか、他の演奏会その他へ招かれる機会もほとんどなくなった。その上に、毎月金銭的援助を続けてもらっていた今村銀行の今村繁三氏も大震災の被害で破産したのである。
途方にくれた宮城は、牧瀬喜代子と数江(後の宮城宗家)二人に留守を托して、思い出深い第2の故郷京城(現在のソウル)に昔の弟子たちを頼って行くことにした。稽古のほか、講習会や演奏会も催したが、それよりも作曲家宮城にとって記念すべきは、李王殿下の妹徳恵姫の2つの童謡<雨>と<蜂>に作曲したことである。大震災前の輝かしい作品群に比べて、大震災後の作品がこの童曲2つだけとは!! 宮城が受けたショックの大きさが分かるような気がする。宮城道雄全作品の演奏会(4)にあたって
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
約300曲と言われる宮城道雄の全作品の連続演奏会もおかげさまで第4回目を迎えることができました。 今回は、1921年(大正10年)と1923年(同12年)の作品を10曲取り上げます。
1923年(数え年30歳)は、吉川先生の解説にもあるとおり、本日演奏する曲に<母の唄><大鳥(現在不明)>を加えた11曲を作曲した、 宮城道雄にとって最も充実した年と言われています。
<むら竹>(1921年)は箏と笙の伴奏による歌曲です。 宮城道雄はこの頃、宮内庁楽部の薗・当セ氏について笙と篳篥を2年間習っており、その成果がこの曲と<薤露調>、 後になって1948年(昭和23年)の箏・笙伴奏の歌曲<観音様>および、<道潅><日連>などの大合奏曲における「楽の手」などとなってあらわれるわけです。また、<薤露調>では、笙の他に前回ご紹介した大胡弓、および箏・十七絃・尺八・打楽器が使われ、(現存する中では)初の管絃合奏曲となっています。本日は、先ごろ芸術院会員になられた、笙演奏家・多忠麿氏をお招きしました。箏と笙のハーモニーを十分にお楽しみいただけると思います。
ところで、十七絃が1921年(大正10年)の<落葉の踊>で発表されたことは前回お話ししましたが、その時使われたのは、 長さ8尺(約240cm)の十七絃でした。その後長さ7尺(約210cm)の「小十七絃」が作られ、本日演奏する三重奏曲<さくら変奏曲>と、代表的な二重奏曲<瀬音>に使用されました。小十七絃の調絃法は、チェロの音域である「大十七絃」のものより全体に5度高く、ちょうどビオラの音域にあたります。しかも高音域を7音階ではなく5音階にとり、箏との音域の重複が大きくなっている上に、糸も細めになっているために音色の差も縮まり、その結果、大十七絃の目的である「低音による伴奏」*に加えて、箏と対等にメロディを演奏するという新しい十七絃のスタイルが確立されました。
また、<舞踏曲>はワルツを模した非常に明るい曲です。現在は箏3面と十七絃1面の編成で演奏されますが、 作曲者の意図が「西洋の弦楽四重奏(ヴァイオリンT・U、ビオラ、チェロ)を日本の楽器で」にあったとすれば、本日のような箏2面と大小十七絃という編成が本来の姿ではないかと思われます。しかし、当時まだ貴重な存在であった十七絃を大小2面も使うとあっては、せっかくの曲も演奏されにくいという配慮から、現在の形のようになったのではないかと考えられます。小十七絃の代わりに低音部を受け持つ第3箏には、箏の音域ギリギリの低さの上に、他の曲には絶対出てこない第3絃の強押し(1音押し上げる)や第2絃の弱押し(半音押し上げる)があるなど、演奏には相当無理があります。
<比良>は、昔からの三曲合奏形式にのっとり、しかもその中に新しい雰囲気が表されています。 尺八は、三味線と同じ旋律ではなく、箏・三味線と対等に旋律を奏していきます。演奏時間こそ短いのですが、第2回に演奏した<尾上の松>に似たスケールの大きさが感じられる曲です。本日は、第1回の<春の夜>と共に「この曲が大好き」と言われる山本邦山氏に再びご登場願うことになりました。ご期待ください。
さて、毎回苦労することは、演奏する曲の楽譜が整っていないということです。 作曲年表に載っていても曲名だけで詳細不明と言う曲がすでに何曲もあるのが本当に残念です。 先日も、宮城道雄記念館の資料室で<かけひの音>の楽譜を偶然発見しました。 他の曲の楽譜の間に挟んであった"手書きの心覚えの譜"で、そのままではすぐ演奏するわけにはいきませんが、 たった1枚の古い紙を手にして文字どおり感激で手が震えました。"解読"してお聞かせできるのを楽しみにしております。 そのような中で、前回<紙風船>を中井猛氏提供の楽譜によって、歌のメロディをユニゾンで演奏いたしましたが、 本年1月、新谷美年子氏門下の福山圭子氏が伴奏譜を提供してくださいました。ありがとうございました。次回に、伴奏付きで再演したいと思います。
終わりになりましたが、今回も、吉川英史先生に色々とお話しをいただけることになりました。 また、堅田宏氏をはじめ、会の開催にあたりご援助・ご協力をいただきました皆様に、厚く御礼を申し上げます。
* 宮城道雄「十七絃琴の解説」<三曲>第2巻第4号(1922年4月)演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 36 さくら変奏曲 1923 --- 第1箏・第2箏・
十七絃吉川 英史
多 忠 麿
山本 邦山
山本 将山
堅 田 宏
安藤 晃英
安藤 珠希
石井まなみ
高洲 満子
長谷川愛子
山ア 忍37 谷間の水車 1923 --- 箏・尺八 38 山の上 1923 葛原しげる 箏本手・箏替手 39 むら竹 1921 大伴家持 箏・笙 40 舞踏曲 1923 --- 第1箏・第2箏・
小十七絃・大十七絃41 薤露調 1923 --- 胡弓・箏・十七絃・
尺八・笙・打物42 雨 1923 昌徳宮徳恵姫 箏 43 蜂 1923 昌徳宮徳恵姫 箏 44 比 良 1923 平 兼盛 箏・三絃・尺八 45 瀬 音 1923 --- 箏・十七絃 ▲連続演奏会トップへ 宮城道雄全作品連続演奏会 5 1992/8/5 ▲第4回へ ▼第6回へ 宮城道雄全作品連続演奏会 ―― 第5回に寄せて
宮城道雄記念館 館長吉川英史
恩師宮城道雄先生の生誕百年に因んで、愛弟子安藤政輝君が発願した空前の超大企画「宮城道雄全作品連続演奏会」も、回を重ねて第5回となった。今回扱う曲は、原則として、大正13年(1924年)から大正14年までの2年間の作品である。
あえて“原則として”といったのは、例外として大正10年の作品<紙風船>と大正15年の作品<軒の雫><船唄>が含まれているからである。<紙風船>は既に第3回の会に取り挙げたが、その時には、伴奏の楽譜が見つからなかったので、歌の旋律とユニゾンの箏で演奏しておいたが、幸にその後伴奏の楽譜が見つかったので、再度演奏することになったのである。安藤君の良心的態度と熱心さに敬意を表したい。(ついでながら、現在埋没している宮城曲の楽譜―童曲であれ、小曲であれ―の所在をご存知の方は、安藤君にご一報下さるよう、お願い申し上げる。)また、<軒の雫><船唄>は、演奏者の都合で今回に繰り上げた次第である。
さて、大正13年から14年までといえば、作曲者が数え歳31歳から32歳までの時期で、人生の壮年期に入った働き盛りの頃というべき年頃である。 しかも、時代背景としては、日本に放送が始まった大正14年という、日本文化史上特筆に価する時期と重なっている。更に特筆すべきは、その試験放送にも、仮放送の場合も、第1日の出演者として、宮城道雄が白羽の矢を立てられたことである(このプログラムの宮城道雄年表(5)参照)
この前の時期には、森垣二郎と町田嘉章(後の佳声)による宮城曲のレコード化が行われて宮城の演奏家としての名声を高くし、宮城曲の普及に一役買ったが、放送の出現が宮城芸術の普及に果たした効果は、レコードの比ではなかった。
一方、破竹の勢いで流勢を拡大していた尺八都山流との提携も、宮城芸術の普及に役立った。特に、大正13年3月、都山流尺八譜が宮城曲の公刊を始めたことの意義と効果は大きい。しかし、都山流との結び付きが、西日本大演奏旅行となり、思いがけない大病をひき起こした件は、宮城の病歴の中でも最悪といえるほどのものであった。(14年の年表参照)
けれども、この時期には良い事もいろいろあった中に、皇室との結び付き、宮家での御前演奏という名誉な事が始まっている。それは幼少時代の童謡<青山の池>の作曲が動機となっているのであろう。しかし、芸術上では、後世に残る宮城曲<春の訪れ>、<清水楽>、<湖辺の夕>などの作曲などを問題にすべきである。これら3曲では、すべて尺八が宮城独特の使われ方で効果を挙げ、尺八家に喜ばれているようであり、また<湖辺の夕>は胡弓に新しい境地を開拓した曲として話題になった曲である。
なお、この演奏会の当日の出席を楽しみにしておられた安藤君の御母堂が急逝されたことは残念至極である。ご冥福を祈ると共に、この世紀の連続大演奏会が有終の美を全うするようご加護下さるようお願い申し上げる次第である。宮城道雄全作品の演奏会(5)にあたって
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
約300曲と言われる宮城道雄の全作品の連続演奏会も、おかげさまで第5回目を迎えることができました。 今回は1924年(大正13年)と1925年(大正14年)の作品を中心に11曲をとりあげます。 1925年という年は、日本でラジオ放送が始まった年で、3月1日の試験放送初日および、3月22日の仮放送初日にも、宮城道雄の演奏が行なわれました。 以前からのレコードへの録音とともに、ラジオ放送が宮城作品の普及にどんなに役立ったかということは計り知れません。 また、同年10月には、尺八の中尾都山の依頼により大演奏旅行をしています。 レコードが片面3分間のSP盤であり、ラジオ放送も今日とは比べようもない技術未発達の時代にあって、 生田流の牙城である京都・大阪を含む西日本地域に生の演奏を開いてもらえるチャンスを生かしたと言えましょう。 このように、この時期は宮城道雄の芸術が全国に広まっていった時代にあたります。
<紙風船>は、前回にお約束いたしましたとおりの伴奏付き再演ですが、改めて福山圭子氏にお礼を申し上げます。 <清水楽>は、夜明けの鐘の音を表す前奏に始まる箏2部と尺八の合奏曲です。 箏の奏法自体はさほど難しくなく、基礎的な奏法の復習といった感じでいろいろな奏法が盛りこまれています。 <竹の子><傘舞台>は、子どもが自分で弾くためにできている童曲ですが、後年作曲者によって十七絃の手が付けられています。 <湖辺の夕>は、箱根の芦の湖畔の印象を尺八と胡弓を中心に箏との三重奏にしたもので、中ほどの転調部分では月の出の描写がされています。 <唐松は>は、箏と三味線の伴奏による歌曲ですが、地歌風ではなくて現代的な感じの曲です。 <母の唄>は、<紅薔薇>や<こすもす>の流れの上にのった歌曲ですが、母の愛情溢れたきれいな陰音階のメロディが印象的です。 第2回の時に助演をお願いした青山恵子さんに再び登場していただきます。 <軒の雫>は、<比良>と同じように、古典的な三曲形式(箏・三味線・尺八の合奏)の中に新しい感覚の尺八の節が付けられている曲です。 <春の訪れ>は、冒頭のグリッサンドが特徴的です。中ほどの部分では、春の訪れを喜ぶ鳥の声が箏の左手や尺八のスタカットを使って表されています。 <青山の池>は、前回演奏の<雨><蜂>で李王殿下の妹・徳恵姫の詞に作曲したのに引き続き、皇族の詞に曲を付けたもので、 年表にあるように御前演奏が始まっていることと関連づけられます。 <お山の細道>は、大人が伴奏して子どもが歌う(あるいは、子どもに聞かせる)童曲です。
最後の<船唄>は、大正10年に作曲された<花見船>を改作した管弦合奏曲ですが、箏が高低2部、十七絃、 胡弓、尺八2部に今回は玲琴を加えて演奏いたします。玲琴は田辺尚雄が考案した、胡弓とチェロを足して二で割ったような低音楽器ですが、 今はほとんど使われていません。楽器を中井猛氏よりお借りしました。お礼を申し上げます。 同時にお借りした楽譜は、唯一の玲琴の音源である昭和3年発売のレコードから採ったものですが一部欠落のため、 尺八の楽譜を参考にして補完したものを演奏いたします。なお、 この曲は尺八だけの合奏曲として改訂されたものもありますが、その場合は、3部の尺八(いずれも1尺8寸管)が部分的に6部で演奏されます。
ところで、前回<無踏曲>の第3箏は本来小十七絃ではなかったかと推察して演奏しましたが、その後、 宮城道雄記念館資料室の千葉潤之介さんが、依頼してあった第4回宮城道雄作品発表会のプログラムを見つけてくださり、それによって、 当日の演奏が、第1箏・第2箏・小十七絃・大十七絃のパート編成で、弦楽四重奏(第1ヴァイオリン・第2ヴァイオリン・ビオラ・チェロ)の形そのままであったことが確認できました。 また、その直後の出演を依頼された演奏会では、小十七絃の代わりに箏で演奏され、さらにその後の宮城道雄主催の演奏会では、 再び小十七絃で演奏されていることも分かりました。 つまり、初演を含めて自分の主催の会では本格的に2面の十七絃を使っていますが、「当時貴重品であった十七絃を大・小2面も使うことは、 楽器の運搬や演奏者も含めて大変なことで、普通の箏でも弾けるということを示して曲の普及を計ったのではないかと思われる」とお話ししたことが証明されました。 修士論文「十七絃について」の中でこの間題を提起してから16年ぶりに解答が見つかり、千葉さんには感謝の念でいっばいです。
終わりになりましたが、お忙しい中、解説・年表原稿を項きました吉川英史先生、心よくご出演をお引き受けくださいました山本邦山氏・ 青山恵子氏をはじめ、会の開催にご援助・ご協力をいただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。
あと何年かかるか分かりませんが、宮城道雄先生の全作品を弾き終えるまでがんばってまいりますので、 今後ともどうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 * 紙風船(伴奏つき再演) 1921 葛原しげる 箏 山本 邦山
難波 竹山
青山 恵子
安滕 晃英
安藤 珠希
石井まなみ栗山 涼子
高洲 満子
長谷川千恵
原 京 子
藤 岡 歩
山 ア 忍46 清水楽 1925 葛原しげる 箏本手・箏替手・尺八 47 竹の子 1924 葛原しげる 箏本手・箏替手・十七絃 48 傘舞台 1924 葛原しげる 箏本手・箏替手・十七絃 49 湖辺の夕 1925 ‐‐‐ 胡弓・箏・尺八 50 唐松は 1924 北原白秋 箏・三絃 51 母の唄 1923 西条八十 箏・尺八 52 軒の雫 1926 行 慶 箏・三絃 53 春の訪れ 1924 ‐‐‐ 箏・E尺八 54 青山の池 1924 澄宮崇仁殿下 箏・尺八 55 お山の細道 1924 葛原しげる 箏 56 船 唄 1926 ‐‐‐ 胡弓・第1箏・第2箏・十七絃
・玲琴・第1尺八・第2尺八▲ 連続演奏会トップへ 宮城道雄全作品連続演奏会6 1993/2/27 ▲第5回へ ▼第7回へ 宮城道雄全作品連続演奏会―第6回に寄せて
宮城道雄記念館館長 吉川英史
この第6回演奏会に取り上げる曲は、宮城道雄が数え年33歳と34歳の2年間に作曲した曲の大部分と、 大正9年作曲の<野の小川>とである(年表を参照されたい)。
33歳・34歳といえば、正に壮年時代である。『日本国語大辞典』には“そうねん”の項に、“人の一生のうち、 最も元気のさかんな年ごろ、心身ともに成熟して、働きざかりの年ごろ(中略)狭くは三十代から四十代にかけてをいう。(後略)”とある。
しかし、宮城にとって33歳の大正15年は、“最も元気のさかんな”年とはいえない。 前年大正14年の秋の中尾都山一行の西日本大演奏旅行に参加したことがこたえたか、悪性の流行性感冒から急性のリウマチ・併発、 長期入院後自宅静養となった。
その反省からか、大正15年には長期の演奏旅行はなく、仙台での都山流演奏会への客演くらいが、 例外的な演奏旅行といえる。その代りというべきかどうかは分らないが、東京では演奏会への客演のほか、放送が次第に増加する。
その演奏会の客演で注目すべきものに、11月7日の永井郁子の独唱会(帝国劇場)がある。 洋楽の一流歌手永井郁子が宮城の歌曲3曲(<コスモス><母の唄><せきれい>)を宮城の箏ほかの邦楽器の伴奏で歌うということは、 東京や大阪の朝日新開に写真入りに報道されて、大きな話題となった。 「又も楽界を驚かす永井郁子さんの試み―声楽の伴奏にピアノを廃し―琴や尺八で歌ふ」などの大見出しが付けられている。
永井の独唱会に客演した宮城は、20日後の11月27日には、逆に自分の作品発表会に永井を呼んで歌ってもらっている。 この永井の歌唱に勇気付けられ、自信を得た宮城は、その後も松平里子・佐藤美子・佐藤千夜子・荻野(太田)綾子らの洋楽歌手に歌ってもらった。
次に、放送の方で注目すべきは、9月15日の<萩の露>の三絃演奏である。 従来は“箏の宮城″又は“新曲の宮城″として評価されたが、この放送を機に、三絃や古典においても非凡な名手であることが公認され、評価されるようになった。
なお、大正15年は、12月25日大正天皇崩御のため、年号が昭和と変わって、6日後には昭和2年となった。 この昭和2年は宮城にとっては、ラジオとレコードで注目すべき年であった。 ラジオ放送では、正月19日の<尾上の松>を初めとして、2月27日には大阪のBKから<春の訪れ>と<春の夜>、 4月3日にはAKから<初鴬>と<湖辺の夕>、8月6日にはAKから<水の変態>と<鈴虫>が放送された。
更に、レコードでは、昭和2年9月13日に創立された日本ビクター株式会社から<鈴虫>その他が録音され発売されることになった。 当時の専務取締役ガートナー氏が宮城を絶賛した逸話が伝えられている。11月22日付けで宮城はビクター専属芸術家となった。 宮城音楽が、あのように急速に、あのように広範囲に広まった陰には、放送とレコードの発達と普及があったことも認めなければならない。宮城道雄全作品の演奏会(6)にあたって
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
約300曲と言われる宮城道雄の全作品を連続して弾いてゆこうというこのシリーズも、これまでに55曲を弾き、 今回で6回目を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたしております。
今回は、1926年(大正15,昭和元年)と1927年(昭和2年)の作品を中心に15曲を取りあげます。 今回の年表でも目立つことは、1926年の元日を含む放送の回数の多さです(ラジオ放送の開始は1925年)。 宮城作品に混じって<萩の露><菜蕗><夕べの雲>などの”古典”の存在が目を引きます。 レコードへの吹き込みも続けられ、日本ビクター蓄音機(株)が1927年9月に設立されると、11月にはその専属芸術家となって、 以後30年間にわたるビクターにおける録音活動がはじまります。 また、演奏会への客演も多くなっている中で、1927年11月に開催された三曲聯合大会に個人でなく宮城社中として参加しているのが注目されます。
前回に引き続いて子どものための「童曲」の作曲割合が多いのですが、残念なことに、<人形><燕の巣><朝顔のラジオ店> <豊年萬作御世萬歳><星の国><きれいなお正月>の6曲は、曲名だけが残っていて内容は不明です。 しかし、1920年(大正9年)作曲の<野の小川>の楽譜が入手できました。 これは、福山圭子さんが矢島凱子さんから採譜なさったものです。
第1曲目<和風楽>と最後の<天女舞曲>で「玲琴」が使われておりますが、 玲琴は前回述べましたように田辺尚雄氏が考案された低音楽器です。 本日は、令息の田辺秀雄氏お迎えしました。 「玲琴」のこと、田辺尚雄さんと宮城道雄先生のこと等、とっておきのお話を伺えるのではないかと楽しみにしております。 なお、楽器は、中井猛氏より拝借いたしました。
<天女舞曲>という曲は、非常に欲張った曲で、箏3面に、大・小の十七絃、笙、胡弓、玲琴、尺八、打物(太鼓とトライアングル)、それに女声2部という構成です。 それだけに、演奏の機会の少ない曲になってしまいました。初めは<五節舞曲>という曲名だったようで、天女が袖を翻して5度舞ったという言い伝えのように繰り返して歌が歌われます。 大小2種の十七絃の音色の変化を出すために、前回同様小十七絃を宮城数江先生から拝借いたしました。ありがとうございました。
終わりになりましたが、お話をしていただく吉川英史先生、田辺秀雄先生、毎回快く出演をお引き受けくださる山本邦山氏をはじめとする賛助の皆様、 その他会の開催にご援助・ご協力をいただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 57 和風楽 1926 --- 胡弓・第1箏・第2箏・十七絃
玲琴・尺八1・尺八2・笙吉川 英史
田辺 秀雄
山本 邦山
山本 将山
野田 説子
山下 裕子
青山 伶子
輝 箏 会
58 雪の雲 1927 大和田建樹 箏本手・箏替手 59 朝の雪・昼の雪・晩の雪 1927 葛原しげる 箏本手・箏替手 60 小狸小兎 1927 葛原しげる 箏本手・箏替手 61 ささ舟 1927 葛原しげる 第1箏・第2箏・第3箏 62 君が代変奏曲 1927 --- 第1箏・第2箏・十七絃 63 ポチが吠えたよ 1927 葛原しげる 箏 64 お猿のお顔 1927 葛原しげる 箏・歌3部 65 鈴 虫 1927 --- 箏・尺八 66 おこと 1927 葛原しげる 箏 67 いろはかるた 1927 葛原しげる 箏 68 夜の大工さん 1926 葛原しげる 箏 69 野の小川 1919 不 詳 箏 70 花紅葉 1927 桜居女 箏・三絃・尺八 71 天女舞曲 1927 古代歌謡 第1箏・第2箏・第3箏・大十七絃
小十七絃・笙・胡弓・玲琴
尺八2部・打物(太鼓とトライアングル)
女声2部
▲連続演奏会トップへ
宮城道雄全作品連続演奏会71993/7/27 ▲第6回へ ▼第8回へ 宮城道雄全作品連続演奏会 ―― 第7回に寄せて
(財)宮城道雄記念館 館長吉川英史
今回は、昭和3年に作曲された曲が主となります。 昭和3年(1928)といえば、宮城道雄は数え年35歳の働き盛りの年であり、体調も良く、活動ができた年でありました。 それに住居も幸いに大正12年の関東大震災の被害から免れた牛込区(今は新宿区)の加賀町の借家に住むことができたし、門人も増え、 演奏会への客演、放送やレコードの仕事も加わっているので、宮城の演奏活動は順調に発展していました。
その演奏活動の中で特に注目すべきは、成和音楽会の創立と、その演奏活動であります。 成和音楽合とは、単に演奏会の名前ではなく、演奏集団の名前であります。その点、長唄の研精舎の命名に似ています。 同人は、宮城道雄を中心とし、町田嘉章(後の佳声)・田辺尚雄(芸名は禎一)・中島雅楽之都(うたしと)・吉田晴風の5人でした。 会員制による鑑賞組織という点でも長唄研精会と似ています。研精会に関係があった町田佳声の案によったのであろうと推測します。
しかし、昭和3年の宮城の業績の中で、最大最高のものは、<越天楽変奏曲>の作曲と演奏です。 昭和天皇御即位の奉祝曲として作曲されたものですが、その企画には元首相近衛文麿の弟・秀麿と直麿が関与しているものと思われます。 直麿は雅楽の研究者で、ほとんどの管絃曲を五線譜に採譜した人、秀麿は新交響楽団の指揮者としてこの曲を宮城の独奏によって初演し、 レコードにも録音した人です。この曲(主として箏の独奏部)の作曲と演奏は世紀を飾る記録的業績で、宮城自身も満足だったと見え、 彼が晩年に愛用し、現在宮城道雄記念館に展示されている箏の銘にも「越天楽」と記されています。 洋楽の管絃楽団や指揮者や広い会場を必要とするため、今回は割愛せざるを得ませんので、これ以上は申しません。
さて、今回演奏される曲は、大きく分けると三つになります。 1)歌曲と 2)器楽曲と 3)童曲です。 このうち、特に注目すべきは歌曲で、宮城がこの時期に集中的に歌曲を作曲したのは、その直前の頃、 永井郁子という女流の歌手が宮城の歌曲を歌って楽壇に波紋を投げ、好評を得たことがキッカケとなったようです。
1)歌曲のうち、<緑(えにし)>と<春の唄>は島崎藤村の詩、<うわさ>と <ひばり>は西条入十の詩、<花園>は葛原しげるの詩、<以歌護世(うたをもって、よをまもる)>は昭憲皇太后の作であります。
2)器楽曲では、今もよく演奏されるのは<砧(きぬた)>ですが、歴史的に意義深いのは<今日(きょう)の喜び>です。 昭和天皇の弟の宮・秩父の宮の御成婚の祝賀曲であることはさておいて、宮城が問題のまぼろしの楽器八十絃の初公開に、 バッハの<プレリュード>とこの曲を選んで演奏したことは、他日述べる機会があるでしょう。 <小鳥の歌>は小鳥の生態を描写した箏と尺八の二重奏曲で、伝統的な尺八にはニガ手なスタッカートを多用した曲のために普通の尺八家には敬遠されるようですが、 宮城の尺八音楽の改革精神の具体例として意義があります。宮城道雄全作品の演奏会(7)にあたって
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
約300曲と言われる宮城道雄の全作品を連続して弾いてゆこうというこのシリーズも、1990年3月以来これまでに70曲を弾き、今回で7回目を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたしております。
今回は、1928年(昭和3年)の作品を中心に、1926年(大正15・昭和元年)からの19曲を取りあげます。
1928年(昭和3年)の年表で目立つことは、「宮城関係」でいえば、東京以外での演奏や放送が増えてきていることと、 御大典奉祝大音楽会に<越天楽変奏曲>を新交響楽団と協演したということでしょう。 次回は、この<越天楽変奏曲>を含めてオーケストラとのコンチェルトをまとめて演奏したいと思っております。 また、「その他」の欄では、社会情勢の不安がどんどん増していっている点が注目されます。
今回も子供のための「童曲」の作曲割合が多く、前回演奏できませんでした<きれいなお正月>を含めて9曲になります。 作詞者・葛原しげるとのコンビは1956年(昭和31年)に宮城道雄が亡くなるまで続き、時代を担う子どもたちへの期待を込めた子ども向けの作曲は100を越えています。 このことが、内田百閧フ諌言に対する無言の回答であったと考えられるでしょう。
<花園>は、前回演奏した<天女舞曲>で合唱が使われたのに続くもので、 この女声合唱の型は次回演奏予定の<新暁>から1931年(昭和6年)の<秋韻>へとつながっていきます。
<法政大学航空歌>は、法政大学の航空部の部歌ですが、現在では全く歌われておりません。 と言うより、その存在すら明らかではありませんでしたが、法政大学体育会航空部60年史「飛翔」(年刊)の中から見つけ出すことができ、 ここにまた1曲、光を当てることができました。ご尽力いただいた三田航空クラブ(慶応義塾大学体育会航空部OB会)の栗山脩氏、 および内山俊範氏をはじめとする法政大学航空部の関係者の方々にお礼を申し上げます。 今回は法政大学アリオンコールの方々に出演をお願いし、元来ピアノで伴奏するようになっておりますが、 5音音階で書かれていることでもあり、箏と十七絃とで演奏いたします。
終わりになりましたが、解説と年表をいただきました吉川英史先生、毎回心よく出演をお引き受けくださる山本邦山氏をはじめとする賛助の皆様、 その他会の開催にご援助・ご協力をいただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。
演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 72 花 園 1928 葛原しげる 箏高音・箏低音・歌2部 山本 邦山
土山 伶豊
青山 恵子
青山 伶子
仲宗根祐希
法政大学アリオンコール
輝 箏 会箏高音
箏低音
歌1部
歌2部
安藤政輝
長谷川 慎
原 京子 山ア 忍
藤岡 歩
高洲満子 長谷川千惠
栗山涼子73 以歌護世 1926 昭憲皇太后 箏・尺八 74 梅三本 1928 葛原しげる 第1箏・第2箏・第3箏 75 小鳥の歌 1928 ‐‐‐ 箏・尺八1・尺八2 76 首振り鼻振り 1927 葛原しげる 箏 77 きれいなお正月 1926 葛原しげる 箏 78 山の水車 1927 葛原しげる 箏・尺八 79 縁 1928 島崎藤村 箏・尺八 80 うわさ 1928 西条八十 箏・尺八 81 法政大学航空歌 1928 佐藤春夫 ピアノ(箏・十七絃) 82 海の風山の風 1928 葛原しげる 箏本手・箏替手 83 雛祭り 1928 葛原しげる 箏本手・箏替手 84 砧 1928 ‐‐‐ 箏高音・箏低音 85 春の唄 1927 島崎藤村 箏・尺八 86 チュンチュン雀 1928 葛原しげる 箏 87 チョコレイト 1928 葛原しげる 箏 88 狸の泥舟 1928 葛原しげる 箏・歌2部 89 今日の喜び 1928 ‐‐‐ 箏・十七絃 90 ひばり 1927 西条八十 箏高音・箏低音・尺八 ▲連続演奏会トップへ 宮城道雄全作品連続演奏会 81994/10/12 ▲第7回へ ▼第9回へ 演奏会に寄せて
宮城宗家 宮城会会長 宮城数江
今年は宮城道雄の生誕百年にあたります。
私どもではこれを記念し、昨年から今年にかけて全国各地で演奏会・展覧会・講演会などを主催いたしてまいりました。
7月17日、NHKホールでの宮城道雄生誕百年記念演奏会は他地区でのそれと同じく、すべて宮城道雄の作品で構成し宮城の象徴ともいえる終曲「春の海」には各流各派の方々にご出演いただきました。
そして、夜の部には天皇皇后両陛下の行幸啓を賜わりました。
なお、この秋にはアメリカのシアトル・ロサンゼルスでも記念演奏会が実施されますが、国内では私どもの主催ではありませんが、まだ幾つか開催される予定です。
このように一つの団体だけでなく、個人をはじめさまざまな機関・団体が生誕百年を祝い、またこれを記念しての各種行事を実施して下さること、大変にありがたく、うれしく存じます。
その一つに、安藤政輝さん主催の宮城道雄の作品連続演奏会があります。あれは今から20数年前のことだったでしょうか。
当時、安藤さんがなさった演奏会のプログラムに、自分は宮城先生の作品を世界に紹介したい、という意味の文章が載っていたのを記憶しています。
その後、その言葉を実践すべく努力を続けておられる安藤さん。
どの演奏会でも、出演者の顔ぶれひとつとっても、それが如実にわかる多彩なプログラム。
宮城道雄は邦楽の歴史の中だけで位置づけすべき人でなく、洋楽系も含めた日本の音楽史全体の中でも重要視されるべき人であったといわれています。
今後、安藤さんにもぜひ、一流一派の人としてではなく流派を超えた大きな存在として、日本の音楽の発展のために尽力して下さるよう願っています。
意義ある演奏会のご盛会を心からお祈りいたします。宮城道雄全作品の演奏会(8)にあたって
安藤政輝
演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 91 越天楽変奏曲 1928 --- 箏・オーケストラ 【指揮】
松尾 葉子
【管弦楽】
東京交響楽団92 盤渉調箏協奏曲 1953 --- 箏・オーケストラ 93 神仙調箏協奏曲 1933 --- 箏・オーケストラ 94 壱越調箏協奏曲 1937 --- 箏・オーケストラ ▲連続演奏会トップへ 宮城道雄全作品連続演奏会92007/9/27 ▲第8回へ ▼第10回へ 宮城道雄全作品連続演奏会−第9回に寄せて
宮城道雄記念館資料室 室長 千葉優子
音楽作品は演奏されて初めて完成するものです。それゆえに、この宮城道雄全作品連続演奏会は大きな意義があるのですが、 吉川英史館長が「画期的な壮挙、気宇壮大な企画」と書かれたように、並大抵のことでは完遂できるものではありません。 何しろ、宮城道雄は現在確認されているだけでも、実に425曲もの作曲を手がけていたのです(演奏記録のみで楽譜が現存しないなど、 現在のところ演奏不可能な作品も含む)。 けれども、この壮大な企画が13年の時を経て、今ここに再開されるのです。
12年の間には研究も進みました。新たに作曲年代が特定された作品や楽譜が発見された作品もあります。 また、宮城自筆の点字楽譜の解読によって、さまざまに検証することが可能となり、永年の疑問が解けた作品もあります。 そこで今回の演奏会は、こうした研究成果を反映した作品と、これまでの続きとして昭和4年(1929)に作曲された作品で構成されています。
昭和4年、数え年36歳のときに、宮城は17曲の作品を作曲しました。そのうち、5曲が新様式による歌曲、7曲が童曲、 それに、後に『宮城道雄小曲集』に収載された教則的意図にもとづく歌曲、また手事物と新民謡が各1曲ずつと、主に声楽曲が作曲されました。 器楽曲はわずかに2曲だけで、そのうちの五重奏曲≪胡蝶≫は楽譜が現存しないので演奏することができません。 ですから、演奏可能な器楽曲は1曲だけとなるのですが、その1曲が、日本の代表的な音楽ともいえる箏と尺八による二重奏曲の≪春の海≫でした。 ただ、≪春の海≫が本格的に放送初演されたのは翌年のお正月なので、今回は演奏されません。次回のお楽しみということになります。 けれども、その代わりというわけではありませんが、替手付きの≪水の変態≫が演奏されます。もちろん、処女作≪水の変態≫は、 この全作品連続演奏会の第1回目に演奏されましたが、このときは作曲された当時の独奏曲としてのものでした。 その後、宮城自身が替手をつけて、今はこの替手付きの演奏が一般的となりましたが、いつ替手を付けたか判然としませんでした。 それが、大正11年(1922)10月31日の「宮城道雄社中演奏会」(丸ノ内生命保険協会)で、宮城自身の替手、時田初枝の本手で演奏されたのが、 替手入り演奏記録の初出ということが判明して、このころ替手が作曲されたということを推定でき・驍謔、になったのです。
さて、その他の今回演奏される作品は、第1曲目の≪新暁≫をはじめ≪稲つけば≫≪初便り≫≪嘆き給ひそ≫≪章魚つき≫ が新様式による歌曲、≪石清水≫と≪野菊≫が手事物、≪月のかがみ≫は古典的様式による歌曲、 そして、そのほかの作品が、すべて葛原しげる作詞の童曲です。 そのうち11月26日に神宮外苑の日本青年館で行われた「宮城道雄作曲発表会」で発表されたのが、 歌曲の≪新暁≫≪稲つけば≫≪初便り≫≪嘆き給ひそ≫と童曲の≪二軒の雨だれ≫≪かけっくら≫でした (他の作品の作曲年は「宮城道雄年表(その8)」参照)。
ところで、この演奏会では新楽器八十絃の発表もありました。 ただ、このとき演奏されたのはバッハ作曲の≪プレリュード≫と前年に作曲された≪今日のよろこび≫だったため、八十絃の製作が新たな作品を生み出すことはありませんでした。 そのうえ、八十絃はもともと音量が足りなかったので、それを補うためにアメリカからマイクロフォンやスピーカーといった拡声装置を取り寄せたのですが、 それがなかなか到着しなかったうえに、思うように作動しなかったために、その発表は、決して成功といえるものではなかったのです。 実は、この楽器は最初から80本の弦にする予定ではありませんでした。実際、試作箏として作られたのは47弦の箏だったのです。 けれども、それでは実際の演奏に適さないため、半音の弦を加えて80本としました。 発表後、宮城はさらなる改良の必要性を語りましたが、結局、それがなされる前に、昭和20年(1945)5月25日の空襲で焼失してしまったのです。 音色や技法などの点で箏のもつ特性を損なうことなく、音域の拡大と半音階の自由な演奏によって、世界中のあらゆる音楽を演奏できる箏を宮城は夢見ましたが、 やがて、新楽器開発は自分の手にあまる仕事で、専門家に任せるべきであるとして、むしろ今までの箏で、まずやるべきことがあると考えるようになります。 これが晩年の≪手事≫や≪ロンドンの夜の雨≫などの箏独奏による名曲の作曲へと、彼を導いたのかもしれません。
さて、今回はじめて、この連続演奏会を微力ながら、お手伝いさせていただくことになりましたが、それによって、演奏可能なように、実に緻密な推敲を重ねられている安藤政輝さんのお姿、それも、どんな手ほどき用の小さな作品も妥協することなく、とことん追及されるお姿に触れて、頭が下がる思いがしました。 ここまで作り上げるためには、確かな見識に裏打ちされた地道な研究と、それを実際に演奏会として成立させるための器量が必要なことを、改めて実感した次第です。 このような意義深い演奏会に、関わらせていただけたことを光栄に思い、感謝しております。宮城道雄全作品連続演奏会の再開にあたって
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
宮城道雄の全作品を連続して弾いてゆこうというこのシリーズも、1990年3月以来これまでに93曲を弾き、今回で9回目を迎えることができました。これもひとえに皆様の暖かいご支援の賜物と感謝いたしております。
1999年(平成11年)には、宮城道雄生誕百年を記念する事業の一環として、千葉潤之介・千葉優子両氏の編著になる『宮城道雄音楽作品目録』が(財)宮城道雄記念館から出版されました。これまでは『宮城道雄伝』『宮城道雄作品解説全書』が作品リストとしての拠り所であったわけですが、これらの補遺を行ったこの書は、この演奏会シリーズを行っていくにあたっては非常に大きな支えとなってくれる資料です。しかし、その中で「楽譜あり」と表記されていても、その楽譜が断片的であったり、尺八と合奏してみると寸法が合わなかったりすることもあり、実際に演奏する場合には一つひとつ検証をしていかなければなりません。
≪新暁≫は、前回までに演奏してきた≪天女舞曲≫≪花園≫の流れを汲むもので、この女声合唱の型は1931年(昭和6年)の≪秋韻≫へとつながっていきます。≪新暁≫は、箏高低2部と尺八で演奏されることが多いのですが、今回は原曲通り笙と胡弓を加えて演奏いたします。
≪石清水≫は、箏本手・替手と尺八の曲でしたが、本手を宮城道雄先生から習われた広岡柔甫氏が宮城数江先生に送られた楽譜を基にいたしました。
今回も子どものための「童曲」の割合が多く、11曲になります。次代を担う子どもたちへの期待を込めた子どものための作曲は100を越え、作詞者・葛原しげるとのコンビは1956年(昭和31年)に宮城道雄が亡くなるまで続きました。
作曲当時の有名なソプラノ歌手佐藤千夜子らを想定した大人のための「歌曲」も数多くあるのですが、今はあまり世に知られた存在ではないのが残念なことです。今回は、東京芸術大学名誉教授の嶺貞子氏に歌をお願いしました。
前回、松尾葉子氏の指揮で≪越天楽≫≪壱越調≫≪盤渉調≫≪神仙調≫の箏協奏曲4曲を東京交響楽団と演奏して以来、いつの間にか13年の月日が経ってしまいました。その間、宮城数江先生が、そして吉川英史先生も旅立たれました。このシリーズ第1回のプログラムの中で「この連続演奏が完了するまでは、うかつに死ねない」とおっしゃっていた先生のご期待に添えず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。今度は、「全曲弾き終えるまで死ねない」と私自身が言わなければなりません。
陣容と気持ちを新たに再開し、最後まで頑張るつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします。
終わりになりましたが、解説と年表をいただきました宮城道雄記念館資料室の千葉優子氏、賛助の皆様、その他会の開催にご援助・ご協力をいただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 95 新 暁 1929 島崎藤村 箏高音(歌付き)、箏低音(歌付き)、尺八、胡弓、笙 ソプラノ:嶺 貞子
尺八:藤原道山
笙: 金澤裕比子
歌: 藤原美月
細川喬弘
岡村秀太郎
武田菜実
三谷夏香
長谷川莉奈
関 彩那
澤田颯汰
箏: 石井まなみ
長谷川愛子
山ア 忍
吉永真奈
戸塚朋華
清水紗登美
安藤珠希
お話:千葉優子96 人 形 1923 葛原しげる 箏、歌 97 いーやいや 1928 葛原しげる 箏、歌 98 大 烏 1923 葛原しげる 箏、歌 99 町はづれ 1928 葛原しげる 箏、尺八、歌 100 夢見の眼鏡 1922 葛原しげる 箏、尺八、歌 101 おうむ 1918 葛原しげる 箏、歌 102 秋のお庭 1918 葛原しげる 箏、歌 103 豊年満作御代万歳 1926 葛原しげる 箏、歌 104 石清水 1923 高橋義雄(箒庵) 箏(歌付き)、尺八 105 二軒の雨だれ 1929 葛原しげる 箏3部、歌部 106 かけっくら 1929 葛原しげる 箏3部、歌3部 107 野 菊 1921 不詳 箏(歌付き)、箏(段合せ) 108 月のかがみ 1921 佐佐木信綱 箏(歌付き) 109 春の夜の風 1928 葛原しげる 箏、尺八、歌 110 初便り 1929 塚本篤夫 箏、尺八、歌 111 稲つけば 1929 『万葉集』より 箏、尺八、歌 112 嘆き給ひそ 1929 西条八十 箏、尺八、歌 113 章魚つき 1929 西条八十 箏、尺八、歌 *** 水の変態(替手付き) 1909
(1921以前)『高等小学読本巻4』より 箏替手(歌付き)、箏本手
≪新 暁≫ ≪二軒の雨だれ≫
≪豊年満作御代万歳≫ ≪嘆き給ひそ≫
「解説・対談」 ≪水の変態≫▲連続演奏会トップへ
宮城道雄全作品連続演奏会 10
2008/2/22 紀尾井小ホール▲第9回へ ▼第11回へ 開催にあたって
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
宮城道雄の全作品を連続して弾いてゆこうというこのシリーズも、1990年3月以来これまでに113曲を弾き、今回で10回目を迎えることができました。これもひとえに皆様の暖かいご支援の賜物と感謝いたしております。
前回は1929年(昭和4年の作品を中心に、曲名のみ存在していて内容が不明であったものが点字譜等から判明したものや新たに年代が判明したものなどを演奏いたしましたので、今回は1929年(昭和4年)から1931年(昭和6年)にかけての15曲をとりあげます。
それぞれの曲にはいろいろと思い出があります。
《一番星二番星》は、新宿の文化服装学院で「宮城道雄演奏会」があった折に出演させていただいたのですが、もう一人の演奏者が風邪で声がまったく出なくなってしまい、「ぼうや、一番星を弾きながら二番星の方も歌える?」と急に言われて困ったことがありました。1日前に伺っていれば、と思ったことでした。
《ピョンピョコリン》については、ある日お稽古の後で、喜代子先生から手書きの楽譜を渡されて「この次これをやってきてね。」と言われました。次のお稽古日まで3日間、難しい左手の猛練習をしてやっとまとめて行くと、「あら、歌だけでよかったのよ。」・・・。
《町の物売》に出てくる「納豆やさん」は子どものころに聞いた記憶がありますし、「豆腐屋さん」のラッパは最近まで聞こえていました。しかし、物売りの声はもう聞かれなくなってしまいました。
《春の水》は洒脱な内容の小品です。西条八十の作品はいつも最後にどんでん返しがあります。この詩は、男としてはいささかひっかかる点も無いことも無いのですが。
《雲のあなたに》は民謡風な歌曲で、「阿波の国にある眉山が遠く眉のように見える」と歌っています。何十年か前に、初めて吉野川橋を渡って徳島に入る時に、「ほら、眉山が見えますよ。」と同乗の方に言われて、その時はこの曲を知らなかったので何の事だがピンとこなかったのですが、その後数多く見ることになろうとは思いもよりませんでした。
《春の海》は、今や日本を代表する「お正月の曲」となってしまった感があります。ルネ・シュメーのヴァイオリンとの版が有名ですが、その他にフルート、オーケストラとの版もあり、箏の代わりにハープやピアノと洋楽器によるものなど、広く耳にされています。初めて着物を着て弾いた曲がオーケストラとの《春の海》でした。
終わりになりましたが、解説と年表をいただきました宮城道雄記念館資料室の千葉優子氏、10曲も演奏していただくことになってしまった藤原道山氏、賛助の皆様、その他会の開催にご援助・ご協力をいただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 114 秋の草 1931 葛原しげる 箏高音(歌付き)、
箏低音(歌付き)、
十七絃、
尺八【尺八】
藤原道山
【歌】
倉松麻紗子
澤田颯太
関 悠那
内記光賀
【お話】
千葉優子
【箏・三絃・十七絃】(輝箏会)
山崎 忍
安藤珠希
吉永真奈
石井まなみ
長谷川愛子
戸塚朋華115 ピョンピョコリン 1929 葛原しげる 箏、尺八、歌 116 一番星二番星 1930 葛原しげる 箏(本手・替手)、歌 117 赤い牛の子 1930 玉置 光三 箏、尺八、歌 118 雪のペンキ屋 1931 葛原しげる 箏、歌 119 鼻黒鼻白小僧さん 1931 葛原しげる 箏、歌 120 泣いているとんぼ 1929 葛原しげる 箏、歌 121 町の物売 1929 葛原しげる 箏、
尺八、
歌122 春の水 1930 西条 八十 箏、尺八、歌 123 遠 砧 1929 磯部 艶子 箏(本手・替手)、
三絃、尺八、歌124 こほろぎ 1930 --- 箏、尺八 125 富士の高嶺 1929 大和田建樹 箏、歌 126 雲のあなたに 1930 玉置 光三 箏、尺八、歌 127 春の海 1929 --- 箏、尺八 128 高麗の春 1931 石橋 令邑 箏、
三絃、
尺八、
歌▲連続演奏会トップへ 宮城道雄全作品連続演奏会 11
2008/10/2 東京証券ホール▲第10回へ ▼第12回へ 宮城道雄全作品連続演奏会−第11回に寄せて
宮城道雄記念館資料室 室長 千葉優子
今回は、昭和6年と7年に宮城道雄が作曲した作品の中から18曲が演奏されます。 これらのうち《ロバサン》《お正月ですから》《山と雲》《藤の花》《お宮とお寺》《福寿草》《吉野山》《大井川》《花よりあくる》《海棠》は箏の教則本である『箏曲楽譜 宮城道雄小曲集』に収載されています。さらに、《福寿草》《吉野山》《大井川》《花よりあくる》は三絃の教則本である『三絃楽譜 宮城道雄小曲集』にも収載されており、箏と三絃で合奏ができるようになっているのです。このことから、いかに『小曲集』が地歌箏曲の教則本として、完備されたものであるかがうかがえます。
なお、本日は他に歌曲の《喜悦の波と花と》、手事物の《虫の武蔵野》と《千代の寿》、合唱合奏曲の《秋韻》、そして童曲の《さあくら咲いた》《冬田の案山子》《柿の種と握り飯》《ワンワンニャオニャオ》が演奏されます。
宮城は昭和6年に童曲を13曲と一番多く作曲していますが、実は、大正7年の『赤い鳥』創刊以来、一世を風靡した童謡運動は当時すでに下火で、『赤い鳥』や『金の船』(のち『金の星』)といった童謡運動を牽引してきた雑誌も出版されていませんでした。そうした中、宮城がこの年多くの童曲を作曲した理由には教則本の作成と、もうひとつ、前年の1月に韓国から連れ帰った姪の牧瀬よし子の存在があると思います。
よし子は6年3月23日に正式に宮城と養子縁組をして宮城よし子となりましたが、その少し前の3月2日に行われた「作曲披露慈善演奏会」に早くも出演して、《赤い牛の子》《柿の種と握り飯》《ワンワンニャオニャオ》を歌っています。さらに、ひと月後には、この3曲をレコーディングし、この年の暮れにも《町の物売》をレコーディングしましたが、それはとても9歳とは思えないすばらしい表現力です。こうした優れた歌唱力と愛らしい容姿から、よし子は雑誌のグラビアを飾るなど童謡アイドルのような存在となって活躍しました。
そして、宮城もよし子という年齢的にも童曲にふさわしい優れた歌手を得ることによって、童曲を単に手ほどき曲、 あるいは子ども自身が歌って楽しむだけではない、ステージで歌われることを念頭に、聴いて楽しい曲作りを進めたものと思われます。 実際、《お宮とお寺》は『小曲集』に含まれていることからも分かるように、元来は手ほどき曲ですが、伴奏箏、尺八、そして胡弓を加えることで、 聴いて楽しい作品としました。
また、《柿の種と握り飯》《ワンワンニャオニャオ》でも胡弓を効果的に使って、童曲をより楽しいものにしていますが、 宮城は三曲合奏の楽器でありながら、明治以後次第に使われなくなっていた胡弓を、持続音が出せるという楽器の特性を生かして、 旋律楽器として活用しました。 本日は、カデンツァを含む独奏、さらには指揮的役割も担当する《秋韻》の胡弓も含めて、宮城作品における胡弓も聴きどころとなっています。ごあいさつ
安藤政輝
本日はお忙しい中をご来場いただきましてありがとうございます。
宮城道雄の全作品を連続して弾いていこうというこのシリーズも、1990年3月以来これまでに128曲を弾き、今回で11回目を迎えることができました。 これもひとえに皆様の暖かいご支援の賜物と感謝いたしております。
今回は、昭和6年(1931年)と昭和7年(1932年)の作品の中から18曲を演奏いたします。 《さあくら咲いた》は、これまで随筆『雨の念仏』の作曲目録に「童曲(伴奏付キ)」として曲名だ・ッ存在していましたが、 前回の会の・スめに玉置光三の・カ謡詩集『山のあなた』で《赤い牛の子》の歌詞を調べているとき、巻末にあった宮城道雄作曲《櫻咲いた》の五線譜を偶然発見しました。 《虫の武蔵野》演奏記録の初出は、昭和7年(1932年)11月5・6日(土・日)の両日に東京音楽学校奏楽堂において開催された演奏会ですが、 そのプログラムを見ると、ゴシックで「胡弓 宮城道雄」、その他に三絃・箏各5名の記載があって、現行のような箏・三味線・尺八による合奏ではありませんでした。 宮城先生の胡弓と言うと大合奏のための「宮城胡弓(大胡弓)」が有名ですが、それ以前は旧来の小型の胡弓を弾いていらっしゃったはずですし、 この場合も三曲合奏形式と考えて小型の胡弓を弾かれたと思われます。 翌昭和8年11月25日に行われた「宮城道雄作曲発表会」には尺八による演奏記録がありますが、 本日は、現行の尺八パートを小型の胡弓で演奏いたします。
今回は《ロバサン》をはじめ『宮城道雄小曲集』に所収されている曲が数多くありますが、 これらの曲を教えている通りに弾こうとすると意外と難しく、お弟子も苦労しているのだなと感じました。 昔、『宮城道雄小曲集』の教習カセットを製作したときに、宮城数江先生が、「小曲集も結構難しいのよ」とおっしゃっていたことが思い出されます。
子どものための「童曲」も多いのですが、《ワンワンニャオニャオ》の胡弓を弾かれながらニコニコしていらっしゃった宮城先生のお顔が忘れられません。 私が胡弓を弾くようになって、家で練習していると、庭の犬が「ワンワン」と答えてくれるのがうれしく、何回も「問答」を繰り返したものでした。 しかし、2番の「ニャオニャオ」となると、ちっとも反応してくれません。猫が前の道を横切ってもうるさく吠えるのに・・・。 そんなことを塚越清子先生にお話しすると、「音程どおりに啼く猫なんかいないわよ」と笑われてしまった思い出があります。
終わりになりましたが、解説と年表をいただきました宮城道雄記念館資料室の千葉優子氏、 柴田旺山氏をはじめ賛助の皆様、その他会の開催にご援助・ご協力をいただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。演奏順 曲 名 作曲年 作詞者 編 成 助 演 129 喜悦の波と花と 1932 葛原しげる 箏高音、箏低音
【尺八】
柴田旺山
【打物】
大家一将
【歌】
柿原万穂
澤田颯太
村田美奈
【お話】
千葉優子
【箏・三絃・十七絃】
(輝箏会)
安藤珠希
石井まなみ
戸塚朋華
長谷川愛子
長谷川 慎
光原大樹
山ア 忍
吉永真奈
130 さあくら咲いた 1931 玉置光三 箏、歌 131 ロバサン 1931 葛原しげる 箏、歌 132 お正月ですから 1931 葛原しげる 箏、歌 133 山と雲 1931 葛原しげる 箏、歌 134 藤の花 1931 葛原しげる 箏、歌 135 福寿草 1932 葛原しげる 箏、三絃、歌 136 吉野山 1932 八田知紀 箏、三絃、歌 137 大井川 1932 小沢蘆庵 箏、三絃、歌 138 花よりあくる 1932 頼 山陽 箏、三絃、歌 139 海 棠 1931 土井晩翠 箏本手、箏替手、歌 140 虫の武蔵野 1932 磯部艶子 箏、
三絃、
尺八(胡弓)
歌141 冬田の案山子 1932 葛原しげる 箏、歌 142 お宮とお寺 1931 葛原しげる 箏、歌 お宮とお寺 1931 葛原しげる 箏、胡弓、尺八、歌 143 柿の種と握り飯 1931 葛原しげる 箏、
胡弓、
尺八、
歌2部144 ワンワンニャオニャオ 1931 葛原しげる 箏、胡弓、歌 145 千代の寿 1932 桜居女 箏、三絃、尺八、歌 146 秋の韻 1931 高野辰之 胡弓、
箏2部、十七絃、三絃、
尺八、
打物、
歌2‐4部[友正写真館撮影]
▲連続演奏会トップへ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会 12 2009/3/2 四谷区民ホール |
▲第11回へ | ||||
▼第13回へ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会−第12回に寄せて 宮城道雄記念館資料室 室長 千葉優子 | |||||
ごあいさつ 安藤政輝 | |||||
| |||||
演奏順 | 曲名 | 作曲年 | 作詞者 | 構成 | 助演 |
147 | 春陽楽 | 【尺八】 川村 泰山 難波 竹山 【歌】 青山 恵子 澤田 颯太 武田 菜美 内記 光賀 藤原 美月 【笙】 増田 千斐 【玲琴】 山田 香 【打物】 窪田 健志 【お話】 千葉 優子 【箏】(輝箏会) 安藤 珠希 石井まなみ 戸塚 朋華 長谷川愛子 長谷川 慎 藤岡 歩 光原 大樹 | |||
第1楽章 曙 | 1933 | --- | 箏2・十七絃・ 胡弓2・尺八・ 笙・打物 | ||
第2楽章 佐保姫舞曲 | --- | ||||
第3楽章 夕 暮 | --- | 箏2・十七絃4・ 胡弓4・玲琴・ 尺八2・打物 | |||
第4楽章 さくら | 磯部艶子 | 箏2・十七絃・ 胡弓・玲琴・ 尺八・打物 | |||
148 | 狐のお嫁さん | 1933 | 葛原しげる | 箏2・歌2 | |
149 | 金の鶏 | 1933 | 葛原しげる | 箏2・歌 | |
150 | 裏の木戸 | 1933 | 葛原しげる | 箏・歌 | |
151 | まいまいつぶろ | 1936 | 清水かつら | 箏・歌 | |
152 | 高脚踊 | 1933 | 葛原しげる | 箏・胡弓・歌 | |
153 | 日暮山霧 | 1933 | 葛原しげる | 箏・胡弓・歌 | |
154 | 潮 音 | 1933 | 島崎藤村 | 箏・尺八・歌 | |
155 | 落 葉 | 1933 | 西条八十 | 箏・尺八・歌 | |
156 | 風の筒鳥 | 1933 | 北原白秋 | 箏・尺八・歌 | |
157 | 水三題 | ||||
山の筧 | 1933 | 桜居女 | 箏・尺八・歌 | ||
大河の夕 | |||||
太洋の朝 | |||||
▲連続演奏会トップへ |
▲連続演奏会トップへ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会 13 2009/9/2 旧東京音楽学校奏楽堂 |
▲第12回へ | ||||
▼第14回へ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会−第13回に寄せて 宮城道雄記念館資料室 室長 千葉優子 | |||||
ごあいさつ 安藤政輝 | |||||
| |||||
演奏順 | 曲名 | 作曲年 | 作詞者 | 構成 | 助演 |
158 | 暁 の 海 | 1935年(昭和9年) | 葛原しげる | 胡弓・第1箏・第2箏・ 十七絃・歌2部 |
【尺八】 柴田旺山 【歌】 澤田 颯太 武田菜実 藤原美月 【お話】 千葉優子 【箏】(輝箏会) 安藤 珠希 石井まなみ 戸塚 朋華 長谷川愛子 長谷川 慎 藤岡 歩 光原 大樹 山ア 忍 吉永 真奈 |
159 | テンテマリ | 1934年(昭和8年) | 葛原しげる | 箏・歌 | |
160 | 小 鳩 | 1934年(昭和8年) | 川路 柳紅 | 箏・歌 | |
161 | 花 咲 爺 | 1934年(昭和8年) | 葛原しげる | 箏・歌 | |
162 | 大蛇退治 | 1934年(昭和8年) | 葛原しげる | 箏・歌 | |
163 | 勝った亀の子 | 1934年(昭和8年) | 葛原しげる | 箏本手・箏替手・歌 | |
164 | 春 の 園 | 1934年(昭和8年) | 大伴 家持 | 箏・三絃・E歌 | |
165 | 春 霞 | 1934年(昭和8年) | 藤原 興風 | 箏・三絃・歌 | |
166 | 岩間とぢし | 1934年(昭和8年) | 葛原しげる | 箏・三絃・歌 | |
167 | かざしの菊 | 1934年(昭和8年) | 紀 友則 | 箏・箏段合せ・歌 | |
168 | 小夜ふけて | 1934年(昭和8年) | 北原 白秋 | 箏・歌 | |
169 | 御代の祝 | 1934年(昭和8年) | 桜 居 女 | 箏・三絃・尺八・歌 | |
170 | さしそう光 | 1934年(昭和8年) | 高野辰之 | 箏本手・箏替手・歌 | |
171 | うぐひすの | 1934年(昭和8年) | 詠み人知らず | 三絃・三絃段合せ・歌 | |
172 | 霞 立 つ | 1934年(・コ和8年) | 在原 元方 | 三絃・三絃段合せ・歌 | |
173 | 忘るなよ | 1934年(昭和8年) | 藤原 良経 | 三絃・三絃段合せ・歌 | |
174 | 寝 覚 め | 1934年(昭和8年) | 不 詳 | 三絃・三絃段合せ・歌 | |
175 | みよしのは | 1934年(昭和8年) | 藤原 良経 | 三絃・三絃段合せ・歌 | |
176 | いちごの実 | 1934年(昭和8年) | 西条 八十 | 箏・歌 | |
177 | 木の衣がえ | 1934年(昭和8年) | 野口 雨情 | 箏・歌 | |
178 | 渋柿甘柿 | 1934年(昭和8年) | 葛原しげる | 箏・歌 | |
179 | 雨 祭 り | 1934年(昭和8年) | 葛原しげる | 箏・歌 | |
180 | うてや鼓 | 1935年(昭和9年) | 島崎 藤村 | 箏独奏部・第1箏・第2箏・ 十七絃・歌2部 | |
▲連続演奏会トップへ |
▲連続演奏会トップへ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宮城道雄全作品連続演奏会 14 2010/5/11(火) すみだトリフォニー 小ホール |
▲第13回へ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
▼第15回へ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宮城道雄全作品連続演奏会−第14回に寄せて 宮城道雄記念館資料室 室長 千葉優子 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
このたびの演奏会は昭和11年に作曲された作品を中心に構成されています。この年は東京音楽学校にようやく邦楽科が本科として設置された年でした。東京美術学校が当初日本画科のみで開校されたのに対して、東京音楽学校は日本の音楽学校でありながら、それまで邦楽科は選科としてのみ設置されていたという何とも不思議な状態が続いていたのです。それゆえに、邦楽科の本科設置は邦楽関係者の悲願であり、宮城道雄もその喜びと意気込みを雑誌『三曲』で語っています。ただ宮城自身は昭和5年にすでに選科講師に就任しており、昭和6年に学生を含む多人数で演奏するのにふさわしい作品として《秋韻》を作曲しました。そして、東京音楽学校主催の演奏会のために作曲した合唱合奏曲の第2作が本日最初に演奏される10年作曲の《那須与一》です。続く第3作が11年作曲の《野に出でよ》ですが、この作品は初演以来ほとんど演奏されることのなかったものなので、本日の演奏はたいへん貴重といえましょう。また、終曲の《道灌》も合唱合奏曲で、規模の大きな編成による作品ですが、これは東京市主催の「太田道灌公450年祭記念会」のために委嘱された作品です。11年7月26日の午前に記念碑の除幕式が行われ、午後に日比谷公会堂で行われた記念会で宮城の独奏箏と宮城合奏団、それに吉田晴風らの尺八などによって初演されました。 ところで、11年に宮城は14曲の作品を作曲していますが、そのうち《お正月のうた》《お清書》《大麦小麦》《蝶々と仔牛》《お早う》《夕凪小凪》《時計のうた》《とび》8曲が童曲です。いずれも、翌12年1月13日から2月26日まで週2回30分間日本放送協会から放送された「箏のお稽古」のラジオテキストのために作曲されたもので、テキスト自体はこれら童曲に、やはり11年に教則的意図を持って作曲された歌曲《袖ひぢて》と古典曲の段物《六段》を加えて12月26日に発行されました。これまでに数度ラジオ講座のためにテキストを作り、さらにそれらをもとに前年には完備した教則本である『宮城道雄小曲集』を出版しているにもかかわらず、それらを流用するのではなく、改めて初心者用テキストのために作曲し、手法や調絃法をより詳しく解説するなど、初学者への心配りをしています。これは箏曲人口の底辺を広げるための努力だったのかもし・黷ワせん。なお、本日演奏される《ヘイタイサン》《お手々ポンポン》《金の鯱》は10年に作曲された童曲です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ごあいさつ 安藤政輝 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
演奏順 | 曲 名 | 作曲年 | 作詞者 | 構 成 | 助 演 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
181 | 那須与一 | 1935年(昭和10年) | 高野 辰之 | 独奏箏 箏2 十七絃 歌4 |
【笙・尺八】 藤原道山 【尺八】 田嶋謙一 友常聖武 松岡幸紀 【笛】 藤舎推峰 【打物】 大家一将 久米彩音 【歌】 大浦功太郎 柿原万穂 澤田颯太 武田菜実 藤原美月 池田和花奈 倉松麻紗子 佐竹舞香 松井 咲 【お話】 千葉優子 【箏・十七絃・三絃 ・胡弓・玲琴】 安藤珠希 石井まなみ 大嶋礼子 高橋芳枝 戸塚朋華 長谷川愛子 長谷川 慎 藤岡 歩 光原大樹 山ア 忍 山田 香 吉永真奈 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
182 | 大麦小麦 | 1936年(昭和11年) | 葛原しげる | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
183 | お正月のうた | 1936年(昭和11年) | 葛原しげる | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
184 | お清書 | 1936年(昭和11年) | 西条 八十 | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
185 | お早う | 1936年(昭和11年) | 葛原しげる | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
186 | 蝶々と仔牛 | 1936年(昭和11年) | 北原 白秋 | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
187 | と び | 1936年(昭和11年) | 葛原しげる | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
188 | 夕凪小凪 | 1936年(昭和11年) | 北原 白秋 | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
189 | 時計のうた | 1936年(昭和11年) | 葛原しげる | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
190 | ヘイタイサン | 1935年(昭和10年) | 葛原しげる | 箏2 歌2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
191 | お手々ポンポン | 1935年(昭和10年) | 葛原しげる | 箏2 歌2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
192 | 金の鯱 | 1935年(昭和10年) | 葛原しげる | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
193 | 野に出でよ | 1936年(昭和11年) | 高野 辰之 | 箏2 十七絃 三絃 歌2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
194 | 済美高等女学校校歌 | 1935年(昭和10年) | 船田 操 | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
195 | 袖ひぢて | 1936年(昭和11・N) | 紀 貫之 | 箏 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
196 | 秋の庭 | 1936年(昭和11年) | 安宿王 | 箏 三絃 尺八 歌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
197 | 道 灌 | 1936年(昭和11年) | 栗原 広太 | 箏独奏部 箏2 十七絃 三絃2 胡弓 玲琴 尺八4 笙 笛 打物 歌4 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
▲連続演奏会トップへ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会 22 2022/4/17 [紀尾井小ホール] |
▲第21回へ | ||||
▼第23回へ | |||||
「宮城道雄全作品連続演奏会22」のデータは下記に移動いたしました。
https://sites.google.com/kisoukai.org/renzoku/ホーム/
| |||||
お 願 い 新型コロナウイルス感染予防のため、以下の対策にご協力をお願いいたします。 ご協力頂けない場合は、会場の規定によって入場いただけない場合があります。 *発熱他の風邪諸症状・体調不良等がある場合は、来場をお控えください。 *検温と手指消毒にご協力ください。検温の結果37.5度以上の熱がある方は入場できません。 *不織布マスクを常時着用してください。 *ロビー・客席での歓談はお控えください。 *花束・プレゼント・差し入れのお渡しはお控えください。 *出演者との面会はできません。公演後のロビーでのご挨拶もご遠慮させていただきます。 *ロビー等では周囲の方との距離の確保をお願いします。 *当日クロークはご利用になれません。 諸般の事情をご賢察の上ご理解をいただき、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。 |
|||||
▲連続演奏会トップへ |
▲連続演奏会トップへ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会 23 2023/8/27 [紀尾井小ホール] |
▲第22回へ | ||||
▼第24回へ | |||||
「宮城道雄全作品連続演奏会23」のデータは下記に移動いたしました。
https://sites.google.com/kisoukai.org/renzoku/ホーム/
| |||||
▲連続演奏会トップへ |
▲連続演奏会トップへ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会 24 2024/8/3 [紀尾井小ホール] |
▲第23回へ | ||||
▼第25回へ | |||||
「宮城道雄全作品連続演奏会24」のデータは下記に移動いたしました。
https://sites.google.com/kisoukai.org/renzoku/ホーム/
| |||||
▲連続演奏会トップへ |
▲連続演奏会トップへ | |||||
宮城道雄全作品連続演奏会
25 2024/12/8 [紀尾井小ホール] |
▲第24回へ | ||||
▼第26回へ | |||||
「宮城道雄全作品連続演奏会25」のデータは下記に移動いたしました。
https://sites.google.com/kisoukai.org/renzoku/ホーム/
| |||||
▲連続演奏会トップへ |