BILL EVANS
言葉は悪いが、ヒステリックな印象さえ持ってしまう
"ALONE AGAIN"
BILL EVANS(p)
1975年12月 スタジオ録音 (FANTASY : VICJ-60179)
"ALONE"(JAZZ批評 298.)に次ぐソロ・アルバム。1968年録音の"ALONE"から7年後の1975年録音。購入してから随分長い間、聴いてきたのであるが、結局、馴染めないままで終わりそうだ。
"ALONE"と違って心に染み入るような、そして、ワクワクするような感動が湧いてこない。言葉は悪いが、ヒステリックな印象さえ持ってしまう。しっとり感がないのが残念。このアルバムはEVANSの傑作とは言い難い。もし、EVANSのソロをお求めなら"ALONE"の方をお勧めしたい。
@"THE TOUCH OF YOUR LIPS"
A"IN YOUR OWN SWEET WAY"
B"MAKE SOMEONE HAPPY"
C"WHAT KIND OF FOOL AM I"
D"PEOPLE"
E"ALL OF YOU"
F"SINCE WE MET"
G"MEDLEY"
"BUT NOT FOR ME"
"ISN'T IT ROMANTIC"
"THE OPENER"
代わりといっては何だが、お気に入りのピアノ・ソロ・チューンを列挙してみた。オリジナルCDに焼いて車の中でじっくりと堪能してみよう。
残念ながら、この中に"ALONE AGAIN"からのピック・アップはない。
@"PRELUDIO" INAKI SANDOVAL "SAUSOLITO"(JAZZ批評 401.) 美しく瑞々しいタッチ。
A"MIDNIGHT MOOD" BILL EVANS "ALONE"(JAZZ批評 298.) この何気ない美しさ。
B"RESIGNATION" BRAD MEHLDAU "ELEGIAC CYCLE"(JAZZ批評 278.) MEHLDAUの真骨頂。
C"SONG FOR ABDULLA" KENNY BARRON "PEACE"(JAZZ批評 147.) 至福の時。
D"TIL JENS" DAG ARNESEN "TIME ENOUGH"(JAZZ批評 284.) しみじみと聴き入って欲しい。
E"THE FOLKS WHO LIVE ON THE HILL" KASPER VILLAUME "FOOTPRINTS"(JAZZ批評 373.) 虚飾を排した演奏。
F"IT'S ALL IN THE GAME" KEITH JARRETT "THE OUT-OF-TOWNERS"(JAZZ批評 217.) 幸せの空気。
G"NORVEGIAN WOOD" STEFANO BOLLANI "SMAT SMAT"(JAZZ批評 249.) BOLLANIだからこう弾く。
H"FURUSATO" 本田 竹広 "MY PIANO MY LIFE 05"(JAZZ批評 389.) 完全燃焼。
I"ALL THE WAY" 馬場 和子 "ai"(JAZZ批評 112.) 優しい歌心。
J"PARANOID ANDROID" BRAD MEHLDAU "SOLO PIANO LIVE IN TOKYO"(JAZZ批評 219.) 巨大なエネルギーにぶっ飛ばされてしまいそう!
K"EL PUEBLO UNIDO JAMAS SERA VENCIDO" GIOVANNI MIRABASSI "AVANTI !"(JAZZ批評 60.) 反戦歌。
L"PRELUDE No.2 - MOCK UP" CHICK COREA "TRIO MUSIC LIVE IN EUROPE"(JAZZ批評 50.) 圧巻。
ひとつのアルバムから1曲だけをピック・アップした。トリオ・アルバムの場合はソロは1曲程度しか入っていないので問題ないが、ソロ・アルバムの場合はお気に入りを選んだ。ピアノ・ソロ・アルバムはA、B、G、H、J、Kの6枚。
ソロ・アルバムを作れるようなピアニストは「槍でも鉄砲でも持って来い」というオールマイティ・タイプだからどの演奏も安心して聴いていられる。結果的には現代ジャズを代表する超一流と呼ばれるピアニストが集まってしまった。 (2007.06.09)
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