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Starnbergseeはミュンヘンの南西にあります。S6が湖北端のStarnbergや西岸のPossenhofenを経由してTutzingまで走っているので、街までは簡単に行けます。地元の人は、この湖を夏の水泳や水遊びの場所と認識しているそうです。確かに、ヨットやボートをたくさん見かけました。
巡礼にとっては、湖がルートヴィヒ二世の終焉の土地であり、Berg城は死の前日に幽閉されていた場所、Possenhofenはエリザべート(Elisabeth
Amalie Eugenie von Wittelsbach)が滞在していた屋敷があるなど、気になる土地でもありました。 |
さて、詳細図です。StarnbergとPossenhofenはS6でつながっています。定期フェリーが運行されていて、StarnbergからLeoni経由でPossenhofenを結んでいるほか、便数は少ないものの遊覧船もStarnbergから出ています。 |
最初の旅 [April, 2004]
この出張は、US西海岸→ギリシアのクレタ島(仕事です!)と巡ってMunichで週末。翌週はEuropeあちこちという日程でした。天気があまりよくなかったのですが、Munichに入った土曜日の午後、Nymphenburgでルートヴィヒ二世の生まれた部屋を見学していた勢いで、翌日の湖行きを決意。ある程度下調べをしてあったので、その情報が頼りです。持って来たcameraはCanon A70。その前のOlympusより電池が長持ちするのが気に入っていました(これが、大きな誤算に...。) |
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最初からつまずき。電車が定刻よりも大幅に遅れ、S6を降りたら1040。Starnbergの船着き場には、すでに1035発の遊覧船の姿はありません。 |
船着き場の前。次の遊覧船は1315発と出ています。こんなのを待っていたのでは、夕方の電車に間に合いません。この日は、ICEでStuttgartに移動し、そこで泊まる予定だったのです。 |
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ここで撤退するのはしゃくだと、フェリーの時刻表を眺めて知恵を絞ります。結論は、S6でもう一つ先のPossenhofenに行き、そこからStarnberg行きのフェリーに乗ること。途中、十字架の近くにある船着き場(Leoni)を通るし、船から十字架や鎮魂礼拝堂やBerg城が見えるはず。これなら遊覧船と大差ありません。かくして、早速1104発のS6に乗車。一日乗り放題切符が活躍します。 |
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Possenhofen駅の近くで見た地図の看板。船着き場の場所を確認できました。 |
岸辺に向かって歩いていたら、エリザベートが滞在した屋敷の脇を通過。Possenhofen城(Schlossだから屋敷が適当?)と書いてありました。公開されていないので、遠目に見るだけです。 |
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岸辺の手前の十字架。日本のお地蔵さんのようなものでしょうか? 雲行きの怪しい天候と相まって、いささか不気味です。 |
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教会の庭 |
衛星放送用dishもこんな設置とは...。 |
早めの昼食で時間をつぶし、船着き場で待機。ほぼ定刻に1235発の船が入ってきました。
5EU払って乗り込み、最後尾に座ります。右は船からの眺め。さっき脇を通ってきたSchlossが見えています。 |
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Leoniの船着き場に接近。他の乗客もcameraを手に、十字架を待ち受けます。日本人は一人だけでした。 |
十字架の脇を通過。後ろは鎮魂礼拝堂です。やはり、陸からちゃんと眺めたいと、このとき思いました。 |
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ほどなく、十字架は船の後ろに。この辺でcameraの反応がおかしいことに気づきました。電池がなくなりかけていたのに、別の原因ばかり追いかけているうちに、Berg城に接近。 |
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結局、ものになったのはこの一枚だけ。連写したのにおかしいなと、再度点検したら電池切れでした。 |
準備不足を悔やんでいるうちに、すでに終着のStarnbergが見えてきました。中央の塔はヨーゼフ教会シュタルンベルク。 |
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電車の遅れを計略で取り繕ったつもりが、満足のいく結果になりませんでした。しょっちゅう電池を交換していた前の機械だと、こんなことは起きなかったのに。
気を取り直して、再びS6で市内に戻り、Oberschleissheimにあるドイツ博物館別館を訪ねました。ここは航空博物館というべき展示内容です。
Hotelで荷物を拾って中央駅からICEに乗車。座席に電源がついているので、PCを起動して写真の確認をしていました。
左は、翌週Munichからの帰国便に乗る日、朝の散歩で見かけた旬のアスパラガス。 |
二度目の旅 [June, 2005]
急に出張が決まり、出国便の手配が難航しました。日曜日に飛びたいのに、どの経路も満席。やむなく前日に現地に入っておくことにしても定宿は取れず。もろもろを気の毒に思ったらしい現地の仲間が、日曜日の昼間ならつきあってやるよと言ってくれ、お言葉に甘えることに。彼はMunich市内の観光名所に連れて行けと言われると思っていたようですが、相手を見くびってはいけません。
Starnberg湖に行きたい、電車の時刻は調べてあるとE-mailしたところ、多少驚いた様子でそれなら自分の車を出すとの申し入れ。これで十二分に復讐戦ができると確信しました。彼も写真が趣味で、C対N社のDSLR対決になりました。
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到着後、すぐ十字架の前に行き、陸側からの撮影。思ったよりも岸に近い場所にあって、本当にここで溺死したのかと思ってしまいます。 |
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悲劇の始まりです。鎮魂礼拝堂(Votivkapelle)を撮影。
現地でcameraのLCDで見たときは正常に見えたのに、hotelに戻ってPCの画面で確認すると、しっかり虹が出ています。こんなに逆光に弱いlensだとは思いもよりませんでした。 >T社
翌日、運転してくれた仲間に見せたところ、ほぼ同じ位置から撮影した自分の作品を披露してくれました。N社純正のlensとbodyでは全く問題なし。 |
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鎮魂礼拝堂の周辺を歩きながら、撮影ポイントを探します。
礼拝堂の前にある十字架と湖中に立つそれをどう組み合わせるか、試行錯誤しました。 |
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礼拝堂を離れてBergの街中に戻ります。Schloss Bergは陸側からは見えません。ここも私有地なので、入り込むこともできず、撮るなら湖からしかないことがよくわかりました。 |
ここから、車で市内に戻り、散歩がてらの撮影を続けました。
昼食後、これまで行く機会のなかったResidenzをゆっくり見学。美術品の撮影で、もっと明るいlensが欲しいと痛感。それにしても、WWIIの爆撃で破壊されることを見越して、重要な品物を疎開させていたことを知り、ちょっと呆れました。それなら戦争しなければいいのに。
Haus der Kunstの脇を流れるEisbachでは、水門のところで波乗りをしている若者たちがいます。珍しい光景なのか、橋の上に見物人が絶えません。水の量感と人の動感をどう出すかなどと、二人で競いましたが、完敗でした。
そろそろ別の乾杯に切り換えることにし、彼のgirl friend(今の奥さんです)を迎えに行って、三人で夕食。結局彼には12時間もつきあってもらったことになります。Hotelに戻って、虹を見たときの気分を想像してやってください。Good
grief.
この部分、別のpageに詳細を綴りました。 |
三度目の旅 [September, 2005]
少し長めの出張が入りました。天候次第ではあるが、是非三度目の挑戦をしたいと、事前準備を始めました。頼りたい前回の相棒は夏休み中で、運転を頼むわけに行きません。自力で移動するには、S6のStarnberg駅からtaxiでBergに行き、撮影後、Leoniから船で戻るのが現実的です。StarnbergとBergの間に路線バスもあるのですが、乗り場がよくわからないし、本数も少ないので、使えないと判断しました。歩いた方もいますが、一時間ほど掛かるとあって、暑いこの時期の選択肢にはなりません。
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土地勘ができているので、安心してtaxiを降り、歩き始めます。 |
Berg城とおぼしき辺りを通過。 |
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民家の屋根にあるアンテナの多さに戸惑いつつ、林の入り口に到着。
しばらく歩くと鎮魂礼拝堂が見えてきます。 |
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周辺ばかり撮っているのは、気分を落ち着かせるため。撮ってはすぐにLCDで画像を拡大、虹の出ないことを確認します。
今回はlensが違うし大丈夫だと思いつつも、不安が残っていました。 |
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ようやく撮った中の一枚。せっかくなので、大きいまま載せておきます。 |
前にもこんなアングルで撮ったなあと思いつつ、せっかく来たのだからと性懲りもなく。 |
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礼拝堂の門にあったささやかなお供え。 |
十字架の台座には王の命日(6月13日)が刻まれています。 |
林をLeoni側に抜けたところ。 ここに出る途中、湖にそそぐせせらぎがあり、しばし清流に手を浸して感慨にふけっていました。単なる物好きにしか見えませんが、本人は結構真剣だったのです。
一息ついて、Leoni船着き場でフェリーの時刻を再確認。Cafeに入るほどの時間はなく、船着き場で座って20分足らずの時間をつぶすことにしました。 |
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待っている間の時間つぶし。いろんなものが飛んでいました。 |
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ほどなくフェリーが来て乗り込んだら、"この船は次が終点だよ。反対向きのと間違えていないか?"と親切な質問を受けました。これでいいんですと返事をし、小銭で終点までの運賃をきっかり出したら納得してくれました。
かくして、さっきまでいた地点を湖上から眺めます。 |
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礼拝堂からBerg城へ。ヨットが思ったより高速で、画面右に去っていきました。 |
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沈着にBerg城を撮影。
王はNeuschwanstein城からここに移され、一泊しただけでした。
詳細はこちらを。 |
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まもなくStarnbergに着きます。ほっとしたらお腹が空いてきました。 |
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駅の近くで昼食(と祝杯)。S6で市内に戻るところです。落ち着いて眺めたら、駅に"王のサロン"がありました。ラウンジか何かでしょうが、人の気配がありません。午後は、Schack
Galerieに行き、ベクリーンの作品を堪能しました。 |
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ポスターがなかったら通り過ぎかねないほど控えめな標識です。 |
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Schack Galerieを出て、Luitpoldbruckeを渡ったところにあるFriedensengel(平和の天使)。 |
BerlinのSiegessaeuleと似ていますが、こちらの方が優美です。 |