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| 『メトロポリス』(Metropolis)[1926] | |||||
| 監督 フリッツ・ラング
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| 長年の宿題映画『二十四時間の情事』['59]をDVD観賞したら、思いのほか好かったので、これまた積年の宿題である本作も、ちょうど百年になることだしと観ることにしたものだ。ドラマもセットも圧巻のスケールでこれが百年前に製作されたことに恐れ入る。資本家 VS 労働者、人工労働力による人間疎外、平和主義対暴力闘争、扇動者と大衆といった今なお変わらぬ課題をモチーフにして、特撮によって現出させたイメージの豊かな斬新さ、やはり比類なきものだと思った。 アーティフィシャル・マリア(ブリギッテ・ヘルム)が降臨というか昇臨する場面の妖しさに瞠目したが、よもやニップルガードを付けたセミヌードダンスが百年前の映画に登場するとは思わなかったが、ワイマール共和国下のベルリン黄金時代として芸術も百花繚乱した時期の作品なのだ。七つの大罪を引き連れた死神の幻覚同様に、フレーダー(グスタフ・フレーリッヒ)の観た幻であったのだろうが、労働者を破壊行動に扇動していく邪悪な力の源泉たる根拠を端的に示していたように思う。 人工マリアと生身のマリアをメイクで演じ分けていたブリギッテが実に印象深い。フレーダーの父ジョン・フレーダーセン(アルフレート・アーベル)の策謀によって、権力者の御用科学者であるロートヴァング(ルドルフ・クライン=ロッゲ)に追われる恐怖で見開いていた目の怖さともども、迫力満点だった気がする。 大量の労働者を生贄のように呑み込む“クリムゾン・キングの宮殿”['69]を思わせるような門の設え、十時間労働の過酷を示す文字盤が10までしかない時計やバベルの塔、ノアの箱舟的試練を思わせるような洪水というか浸水場面やマリアの転送場面といい、全く見所に事欠かない映画だったように思う。テレビ電話まで登場していた。 返す返すも六年前に県立美術館がライブ演奏付きで148分版を上映したときに、コロナマスク着用を課せられて観逃していることが心残りだ。 | |||||
| by ヤマ '26. 9.29. DVD【118分版】観賞 | |||||
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