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| 『アメリと雨の物語』(Amélie Et La Métaphysique Des Tubes )['25] | |||||
| 監督 マイリス・ヴァラード&リアン=チョー・ハン
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| '69年と言えば、僕が十一歳の頃でもう六十年近くも前のことになる。全編そんな遠い日の日本の暮らしを描いた外国映画のアニメーションが、どうして出来上がったのだろうと不思議な気分に見舞われた。確かに外国人一家の物語なのだが、そこに込められていた情緒には、単にノスタルジックなだけではない深い日本の心が捉えられていて驚いた。 だてに自分は日本人だと言い張る三歳のアメリ【声:永尾柚乃】の物語ではないと恐れ入ったが、二歳半までほとんど野獣のようだったアメリを覚醒させたのは、祖母クロード【声:北林早苗】のくれたベルギー産のホワイトチョコレートだったのだから、やはりアメリはベルギー人なのだ。 三歳は特別なんだと言っていたのは、アメリの母ダニエル【声:日笠陽子】だったが、二十三年前に『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』['02]を観て「この年頃の少女にだけ備わり得る光彩で、最強とも言うべき輝きだ」と記したことを思い出したりした。帰宅後、チラシを読むと、原作者はアメリー・ノートンとのことで、彼女の自伝的な作品のようだ。僕の八歳下になるけれど、ザ・ピーナツの歌う♪恋のバカンス♪は同時代的に耳に残っている歌だ。なにかで読んだことがあるが、何ヵ国語にも訳されて歌われている世界的なヒット曲らしい。 チラシに裏面に記されていた「テレンス・マリックと宮崎駿が融合したかのような感覚」というフレーズにうまいことを言うもんだと感心した。表にはズバリ「わたしって、最強?」とあって笑ってしまった。 主人公メイベル【声:芳根京子】の思い込みの強い独善的キャラクターが妙に鬱陶しくて残念だった『私がビーバーになる時』['26]にしてもそうだが、マーケッティング上の已む無さではあろうが、今世紀に入ってからの女性キャラクターは押し並べてこの「わたしって、最強?」的な造形が主流になっている気がする。僕の愛好する昔の西部劇に登場する女性たちも気丈でタフなキャラクター造形が目立っていたように思うのだけれども、根本的なところで違っているように感じる。それが昨今やたらと持ち出されるようになった“男性目線・女性目線の違い”ということなのだろう。 | |||||
| by ヤマ '26. 4. 2. TOHOシネマズ5 | |||||
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