町界の此先

奈井江町にはかつて約20の炭鉱が開坑、閉鎖を重ね、
昭和48年(1973)6月の滝口炭鉱閉山を最後に街の炭鉱は消滅する。 奈井江


付近にはかつての三井奈井江専用鉄道、第一奈江川橋が残る。
中央がプレートガータ、両端がアーチの組み合わせだ。 三井奈井江専用鉄道


左岸に広がる白山小学校跡。
昭和37年(1962)に統合認可され、昭和62年閉校。
白山地域には明治25年頃入植が開始された。 藪漕ぎ


北に向いて入山する。
白山は石川県白山村民による開拓が基幹となる。 アプローチ


奈江川を渡る。
炭鉱ができる前はこの川を境に北部が上砂川町、
南部が奈井江町であった。 奈江川


三井奈井江専用鉄道は三井砂川鉱業所 奈井江坑開発のため
昭和23年(1948)4月に建設計画が立てられた。
それに先立ち昭和22年(1947)9月に三井鉱山(株)白山坑は開坑した。 鉱区


ここはかつて輸送司令部があった白山坑駅構内跡となる。
国鉄奈井江駅北430mの三井奈井江駅を起点とし、
そこから6.4kmで白山坑駅であった。 白山坑駅


広大なヤードが残る駅跡。
三井奈井江専用鉄道は昭和24年(1949)10月1日営業開始。
白山坑駅坑構内に機関区、そして保線区を設置されていた。 白山駅


駅構内跡に残る辛うじての痕跡。
昭和26年(1951)4月白山坑駅は白山駅に改められた。
これは白山坑の出炭に陰りが見られたからだ。 廃墟


やがて白山坑は昭和26年(1951)7月に閉坑するものの、
その後、昭和26年12月に専用鉄道は東奈井江まで延長される。 遺構


更に奥の鉱区を目指す。
専用鉄道で白山坑から約3q進むと終点の 三井砂川炭鉱奥奈井江坑 がある。 跡地


地形図にも記載される池は想像より遥かに浅かった。
白山坑は電力炭を主体とした採掘であった。 池


付近に残る何かの基礎のようなコンクリート製の遺構である。
白山坑の閉山の理由は自然条件の悪化により経済的採掘が不可能となったことである。 遺構


付近にはこの遺構しか存在しない。
閉山後、人員は 三井砂川炭鉱 に配置転換された。 廃


更に山深く登ると、廃道のような痕跡がある。
この先目指すのは、火薬庫跡だ。 廃道


廃道は突然途切れながら標高を稼ぐ。
鉱山保安法では坑内メタンガスや炭塵の含有量が
一定基準を超えるものを甲種炭鉱として指定している。 ズリ山


昭和25年(1950)に白山坑は甲種炭鉱指定を受けている。
つまりガスや炭塵が多い劣悪な環境の炭鉱であったと言える。 廃道


火薬庫跡は既に痕跡もなく、
土提さえ残存していない。 火薬庫跡


甲種炭鉱は火薬や雷管の規制、災害防止に厳しい基準を課せられた炭鉱である。
昭和42年(1967)で炭鉱数77のうち甲種は48炭鉱、
この白山坑含めて労働環境の厳しさが偲ばれる。 白山坑







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白山坑駅
白山坑駅

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