Northern White ~北の絵日記~

 
 2月15日(日) 曇り 
 
最低気温-4℃ 最高気温+1℃。
この日も気温は高かった。曇り空ではありましたが、朝の気温は-4℃。
朝食後の散歩がてら、釧路川まで歩いてみたんですが、川の水は普通に流れていて旭橋あたりでも蓮葉氷がほとんど見られない。もし川に氷が流れているようなら釧路川でSLを撮ってから鶴居に行こうかとも思ったんですが、これじゃただの鉄橋渡りの写真しか撮れない。
10時前のバスでまっすぐ鶴居に向かうことに。
例年だと私の鶴居行きは2月の10日前後。それから比べるといつもより一週間程度遅い今年の訪問。これは宿の都合で、今年はその時期は団体さんが入ってて予約が取れずちょっと後ろ倒しにした次第。ただ、その分タンチョウたちの給餌場での動きがやや活発になるという利点があります。求愛ダンスが本格的になるのは2月下旬から3月上旬だから…でも、この暖かさはちょっと想定外でした。
正午前に鶴居に着き、まずは定宿にチェックインして昼食。
もうこれはいつものパターン。ただ、正午前までは部屋の掃除が終わってないこともあるので、そういう時は隣接しているカフェでお喋りして時間調整してから入ります。幸いこの日は掃除が終わっててすぐ部屋に入れました。
昼食をとり、部屋に戻って届いた荷物を整理(私はいつも着替えその他は事前にTAITOに送っています)して、ちょっと部屋で休んでからおもむろにサンクチュアリへ。

観覧柵の手前に来ていたのはざっと20人ほどだったでしょうか。日本人の方は3割ほどで残りは外国人の方。これは例年通りでしたが、例年と違うのは外国人の方のほとんどが欧米からの方だったということ。台湾から来たという方が数人いましたが、大陸中国からの観光客はゼロ。あのオバサンの発言で「渡航自粛」になってる影響がもろに出た形。もっともその分欧米人が増えているように思えますが。まあ、静かでいいというハナシも。(^^;
ちょうど14時の給餌の時間。

今年からサンクチュアリでの給餌は村独自で行っています。環境省からの妙な横ヤリは一切お断りしました。
なぜというに、環境省は「自然採食促進」とやらの名目で年々給餌量を減らすという方針。もちろん自然採食促進自体は村としても異存はないけど、冬季の給餌量を一方的に減らすというのはそれと必ずしもリンクしてるわけではありません。その時の気温積雪等さまざまな条件を考慮してその都度給餌量を調整するというならともかく、環境省のやり方は一方的に年〇〇パーセントの割合で給餌量を減らしていき、ゆくゆくは冬季の給餌をなくす、という乱暴なもの。
そうなったら厳冬期、彼らはどうやって食いつなぐのか??牧場などでの食害が冬季にも発生してしまう危険性が出てきます。しかし環境省はそんなことは考慮しない。
「もともと自然採食していた生き物なのだから元に戻すのが当たり前」
という教条主義的な事ばかり言ってる。
そりゃ半世紀以上前だったら、そういう考え方もできるでしょう。しかし、人間があちこち開発と自然環境の破壊を進めてしまった今、かつてと同じ条件でタンチョウたちが暮らせるとは思えない。なぜそれを考えないのだろうか?
つまり環境省が言ってる「自然採食回帰」というのは単なるお題目にすぎず、本音はタンチョウの給餌にかかる予算を削減したいというだけの話。
だったら…、
「今後は村の裁量で給餌を行います」
「そうですか、それならもう国からは費用を補助しませんよ」
「けっこうです!ウチの村で全額持ちますから」
「わかりました。ではお願いします」
となったわけ。(^^;
良かったと思いますよ、村にとってもタンチョウたちにとっても。

そもそも環境省が本当に信念を持って自然採食を進めるために給餌量を減らすつもりなら、村が「ウチの村で全部やります」と言ったとき、「いやそれはダメです!」と言うはず。それがまるで渡りに船と言わんばかりに「そうですか。じゃ、お願いします」と即答したということは、ハナからそんな信念はなく単に予算を削りたかったのだという本音がミエミエなんですよね。
日本の環境省も所詮は「お役所仕事」しかできないんですね、情けない。
さて給餌が終わると…食後の体操、もといダンスの時間。

彼らはなぜかお腹がいっぱいになると踊りたい気分になるようで。(^^;
これはなんででしょうね??
猫の場合はトイレの後でやたらはしゃぎまわる「ウ〇チハイ」というのがありますが…タンチョウの場合は…私にはよくわかりません。

しばらくすると晴れ間が出てきました。雪の表情が変わります。この時間のこの光、いいですね。

このタンチョウの舞はよく「求愛ダンス」と表現されます。
確かに雌雄ペアで踊るのですが、「求愛」という表現でくくってしまうのはどうなんだろう??
若い者同士ならともかく、もう長年連れ添った夫婦同士でも踊ります。古女房・古亭主(ゴメンナサイ)相手にいまさら「求愛」でもないでしょ、という気もするんですが。(^^;
もっとも、この考え方は古い日本人あるは東洋人の考え方かもしれないですね。欧米の方は長年連れ添った夫婦同士でも人前で堂々と「愛してるよ」と言いますしね。少なくとも中年以上の日本人男性だと「今更そんなこと、こっ恥ずかしくて言えるか!」てなことになるんでしょうけど。(^^;

だからこう解釈すべきでしょうね。「男性と女性の愛を確かめ合うのも求愛だ」ということで広く考えるということで。

見ていると、同じ相手同士で踊っているのがいえるかと思えば、まるでフォークダンスのようにチェンジング・パートナーをしながら踊っているのもいます。これはたぶん、前者の場合は夫婦で後者の場合は独身者の「恋人募集中」(狭い意味で言えばこれが本当の「求愛」かもしれない)ということでしょうね。だからときどきフラれるのがいたりして。ダンスのモーションをかけても無視されちゃうカワイソウな子がいたりします。(^^;
いかにも通じ合ってる夫婦は一目でわかりますね。足のステップも揃ってるような♪
優雅にくるくると円を描いて踊ります。まさに円舞曲。

この日はサンクで数時間撮影して早めに宿に引き上げました。
まあ、ウォーミングアップといったところ。それにしても気温高いなぁ…。


 
 2月16日(月) 晴れときどき曇り 
最低気温-6℃ 最高気温-1℃。
相変わらず気温が高い。朝の予想気温が-10℃を下回らないということがわかった段階で、この日は早朝撮影は中止。(^^;
朝6時半まで寝坊させてもらいました。(^^;
ゆったりと7:00に朝食を取って、8:00過ぎにサンクへ。これだけ暖かければタンチョウたちの出勤も早いはず。
予想通り、8:20に行くともう10羽以上が来ていて。

そのあと続々と出勤ラッシュ。8:30には100羽近くに。

「メシまだか~!」とゾロゾロ。(^^;

9:00過ぎの給餌。

かつては環境省の指示で減らされていた給餌量、いくらか元に戻されたようです。撒く時間が長くなりましたよね。ひところは「え?これだけ?」ってことがありましたから。
いかに自然採食促進って言ったって、それは少なすぎだろ、と思いましたもの。
で、食後のダンス。(^^;

サンクチュアリには観覧柵があって、多くの人はその柵のところで撮影したり見学したりするんですが、私たちはときどきその観覧柵からちょっと外れた道路際から撮影することがあります。ひとつには観覧柵のところは入れる人数が限られていて混む時間帯があるということと、もうひとつは観覧柵側とは違った角度で光の条件も違う位置から撮ることができるという利点があるからです。混んでる時間帯の場合は、一般の見学者の方の場所を空けてあげたいし、こちらのほうが気兼ねせずにゆっくり撮れるというのもあります。ただ条件としては600mm以上の超望遠レンズが必要になりますが。

こちらから撮ると、ちょうど斜めに傾斜のついている上の方から撮ることになるため、時として上の写真のように踊ってるタンチョウの向こうに下にいるタンチョウの首だけが見えたりすることも。
それはそれで面白い♪

まるで競うように夫婦が翼を広げて。互いに相手の顔を見ながら踊るのが夫婦の証しかもしれないですね。若い連中のダンスの場合はけっこうよそ見しながら飛び跳ねてることもありますから。
「見て見て~!ボクはこんなにダンスが上手いんだよ~」
と言ってるのかどうか。

相方は呆れて見てるような。(^^;
10時を過ぎると、三々五々と飛び立っていくツルが多い。午後の給餌時間の14時まで彼らは思い思いの場所に散っていきます。どこで時間を過ごすのか…それは彼らだけの秘密。

かと思えば飛んでくる番も。

タンチョウのランディング。ダンスとは違った躍動感があるので、私はこの瞬間が好きです。

首と翼を微妙に動かしてバランスをとりながら下りてくる。飛行機の着陸も原理は同じなんですよね。

ふと、観覧柵の方を眺めてみれば、午後の給餌を見た後は観光客の姿は少なくなります。
そっちに移動してもよかったんですが、結局この場所で撮ってました。

正午前にいったんTAITOに戻って昼食。
部屋で一時間ほどTVを見て休憩♪オリンピック見て。録画だけど。
午後、Vさんに猫カレンダーを渡しに行くと「シマエナガ撮りに行こうよ」と誘われたんでちょっと行ってみることに。
一昨日のところでも書いたけど、私は小鳥の撮影は得意ではありません。
なにせ動きが激しいんで追いきれないし、じっくり絵作りをすることもできない。こればかりは「モチはモチ屋」なんですよねぇ~。
でもまあ、いちおう撮ってみましょか。(^^;

シマエナガというとふっくらモコモコのイメージ持ってる人多いでしょうけど、あれは風がなくてしかも空気が乾燥してる時にしかああはなりません。今日は風があるんでどちらかというとシュっとした感じに写っちゃいます。

私の写真仲間でも小鳥専門に撮ってる方多いですけど、あれは私には真似できないなぁ。動きの速さがダンチだもん。タンチョウやワシタカならある程度次の動きが予測できるし、飛び立つ時の前兆もほぼ掴めるんだけど、小鳥の場合はそれがわからない、少なくとも私には…。じっと構えてシャッター押そうと思った瞬間にピョンと飛んじゃう。そうかと思えばいきなりスイッと飛んできて枝にとまる。
「小鳥撮るには追いかけちゃダメ」
ということは以前に教えてもらったことがあるけど、なかなかじっと待ち構えて、というのができない私。修業が足りません。(^^;
小鳥を専門で撮ってる方々には心から敬意を表します。

それでも見てると面白いなと思うのは、シマエナガって飛ぶ時に上に飛ぶんじゃないんですね。まるで落っこちるように下に飛び降りて?それから羽ばたくんですよ。ひょっとするとシマエナガだけじゃないかもしれないけど、これはちょっとフシギでした。

いったん飛び去ると、次に飛んでくるのがいつかわからない。けっこう気長に待つ必要があるんですよね。
「あ、あっちで鳴き声」
って誰かが言うとそっちにレンズ向けて。
これはこれで面白いな、と思ったり。

それにしても、シマエナガっていつ頃からあんなに人気出たんですかね?
最近空港なんかでもお土産品というとシマエナガグッズばかりで。北海道にいるとさして珍しい鳥でもないんですが…。
時折ベニマシコも飛んできます。この鳥、本来はこの時期本州方面で越冬するはずですが、やはり暖かくなって生態が変わってるのかな?

けっこう雑談しながら一時間くらい撮ってたでしょうか。やがて日が傾いて。
タンチョウたちが塒に帰り始める時間。

ところがここ数年、タンチョウの飛行ルートが変わってしまっていて。いや正確に言うとタンチョウの塒の場所が分散し始めたのかもしれません。下雪裡の鶴見台あたりにいるタンチョウたちは間違いなく音羽橋下流の雪裡川を塒としているんですが、中雪裡のサンクチュアリに集まるタンチョウたちは音羽方面に帰るのは半数ほどで、あとはどうもサンクから比較的近い場所で寝ているらしいという話があります。同じ雪裡川でもサンクのすぐ裏にある場所あたりも最近タンチョウが塒にできるように整備されているし、さらに上流のシセツリ・モセツリ川で寝ている番も多いらしい。音羽方面に帰る番もかつてのように菊地農場の上を飛んでいく番は減って、本流橋方面を大きく迂回して飛んでいく番が多いらしい。
まあ、彼らの寝られる場所が増えたということは喜んでいいんでしょうね。

だからこの日、菊地農場ちかくで待っていてもしっかり夕陽や残照の中を飛んでいく編隊が撮れたのは数えるほどでした。
いい色のところを飛んで来た、と思ったら羽ばたかずに滑空していったり。

滑空してるタンチョウって真横から見ると伊賀流の棒手裏剣みたいですね。(^^;
明日はちょっと朝は冷え込む予報。霧氷が付くかどうか微妙なところですが…。
 
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