
タンチョウ、キタキツネ、一面の雪原、「SL冬の湿原号」…。
北海道の旅日記はこちらにまとめることにしました。
暖かすぎた冬
2026.2.13~20 鶴居村
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♪日に日に世界が悪くなる~♪
朝ドラ「ばけばけ」の主題歌じゃありませんが、世相騒然としてる今日この頃です。どこぞの狂ったオッサンのせいで世界中がメチャクチャに…。ヘタすりゃそれこそ♪野垂れ死ぬかもしれないね~♪てなことに。冗談で言っていられない状況になってるような。
そんな人の世を写したように自然界もおかしくなってきています。
地球温暖化による気象の異常化が叫ばれて久しいですが、近年は特にその影響が目に見えて激しくなってきて。夏の異常な高温、そして豪雨、かと思えば冬になれば日本海側で極端な大雪、太平洋側では異常乾燥。「温暖化」とは言われていますが、実際には「極端化」と言ったほうがいいでしょうね。これまでの季節の常識が当てはまらなくなってきている。
北海道、ここ鶴居村でもその影響は顕著に出てきていました。
昨年末の12/9~13の間の5日間、タンチョウの撮影に出かけていました。この冬も12月初旬までは比較的暖かい日が多く、雪もほとんど降らなかった鶴居村。鳥インフルエンザへの警戒もあって給餌場での給餌開始の時期を例年よりも半月以上遅らせていました。
ところが、私が滞在した最後の日の朝、それまでの気温経緯を無視するかのように冷え込みました。
雪裡川で-17℃。厳冬期の光景が。

通常、12月半ばにこれだけ冷え込むことはありません。朝の気温が-15℃を下回るのは暮れも押し詰まってからというのが通常。
思わぬ厳冬期の光景が見られたことで嬉しかった半面、あまりの極端な気象変化に戦慄する思いも抱きました。
この12月、下旬には大雪や暴風雪の日が続き、あちこちで倒木などの被害が出て、まるで季節が二か月早く進んでしまったような状況に。1月は例年以上に寒い日が続いたそうです。
そしてやってきた今年の厳冬期の撮影行。
1月までは平年を下回る気温経過だった道東は、2月中旬から早くも春の様相を…。
果たしてどんな光景を見ることになるのやら。
羽田12:45発のJAL543便で釧路着。先週まで平年よりも気温が低かった道東ですが、昨日から一転し暖かい日が続くという予報。例年よりも撮影行の日取りを一週間ほど後ろ倒しにしていたというのもありますが、それにしても極端な…。
もっとも「暖かい」とは言ってもそれはこちら基準での話。関東の感覚で言えば充分すぎるほど寒いです。(^^;
空港連絡バスで釧路市内入りし、市内のホテルに落ち着いたのは16:00前。ほどなく日没時刻となるのでカメラ一台を持って幣舞橋へ。
この時の気温、-4℃。2月のこの時刻にしてはやはり暖かい。

いつものアングル。

幣舞橋の夕陽、「世界三大夕陽」という人もいます。
もっとも「世界三大○○」というのは、その土地その土地によって評価が違ってくるんですが、夕陽の関してはほぼ世界基準で共通しているような。
フィリピンのマニラ湾・インドネシアのバリ島・それにここ幣舞橋、ということになってるそうです。季節によって日没位置が変わるのでその都度違う絵が撮れますが、一般的には3月と9月がいいと言われてますね。今だとちょい早いかな。
橋の欄干から夕陽を眺めるのもいいけど、釧路川のプロムナードに下りて夕陽の残照をシルエットで撮るのもいいです。
普通に撮るとちょっとジャマに思える人影もこうやってシルエットにするといい絵になります。

やがて橋の街灯に灯がともり…、

日没。

夕陽を撮り終えると時計の針が17:00を回る。
その足でまっすぐ泉屋本店へ。

ここは知る人ぞ知る釧路のソウルフード「スパカツ」の発祥のお店。
このお店、人気店だけに夕食のゴールデンタイムである18:00過ぎになると満員になります。お店は二階なんですが順番待ちで階段に人が並んでしまうほど。ヘタすると入店するまで30分以上待つ時も。だからここに行くなら、夕食時間をちょっと早めにして17:00過ぎには入店する方がいい。そうすれば待たされることなくすぐにテーブルにつけます。
当然、ここに入れば注文するのは…、

私はいつもこれ。グラスワインの白、ミニサラダ、そしてメインはスパカツ。
スパカツ、ボリュームがあるので充分お腹いっぱいになります。消化のことを考えるとこの時間に食べておいた方が正解かも。(^^;
この日は18:00過ぎにホテルに帰ってのんびりTVを見て、早めに就寝しました。
翌朝の釧路駅。
8:52発釧網線4728D「しれとこ摩周号」。
一昨年までキハ54の2両編成で運行していたこの列車。新型気動車H100型の単行に変わっていました。居住性はよくなったけど座席数少ないんですよね、この車両。
ゆっくり朝寝坊して朝食とってから駅に来たので、危うく座れなくなるところでした。(^^;
なんとか座席を確保できましたが。

茅沼へ。
昨日のきれいな夕焼けとは一転、車窓から見る空は曇っています。列車がと塘路を過ぎたころからはチラチラと小雪が舞いだしました。
茅沼9:33着。

ホームの向かいにいたタンチョウ。

手前に鉄道標識。あえてアングルに入れてみました。この「1400」というのは曲線半径。半径1,400メートルの円を描いている曲線ということです。
この茅沼駅のタンチョウは、もう今から半世紀以上前、まだここが国鉄茅沼駅だったころから有名でした。私が学生時代、リュックを背負って休みのたびに北海道巡りをしていたころから。あの頃はもちろん駅員さんがいる有人駅で駅長さんが毎日タンチョウに餌付けをしていたんですよね。当時、鶴居村の鶴見台や伊藤サンクチュアリなどはまだ一般的な見学地ではなく(そのころはまだそれぞれ渡部給餌場・伊藤給餌場と呼ばれて観光客にはほとんど知られていなかった)私たちがもっとも間近にタンチョウを見られたのはこの駅でしたね。線路わきに「釧路湿原のタンチョウ」という大きな白い柱が立っていました。
NHKアーカイブスにそのころの映像が残っていますね。「新日本紀行:鶴の来る駅」の一場面です。
興味のある方はこちらを。
タンチョウたちも代替わりして…キミたちは何代目?

この三羽は親子。一番左が幼鳥ですね。
ここにいるには一家族だけではありません。ホームから雪に覆われた畑を挟んで50mほどの位置に三羽。畑の反対側のほうから取ってみました。

これは親子ではないような…三羽とも成鳥です。二羽は番だと思うんですがもう一羽は…???
ホーム側の家族とは常に距離を置いていますね。この茅沼駅付近は餌付けをされていることを皆知っているのでこの近辺で冬を越している番や亜成鳥が代わる代わる飛んできます。時にはケンカが起こるときも。(^^;
私がタンチョウを撮っている間、駅の前にある大きな木の前には時ならぬ??十数人の人だかりが。皆カメラを出して上を見上げています。
実はこの駅前にある樹にはシマエナガがよく飛んでくるんですよね。今日は日曜日ということもあって釧路などから来たカメラマンが朝から三脚を立てて木を取り囲んでいました。
私は小鳥撮影は不得手。ふだんタンチョウやワシタカといった大きな鳥ばかりを撮っているせいもあって的の小さな小鳥は…。(^^;
わざわざ朝から三脚立てて狙おうとは思わないです。
2時間弱、駅のタンチョウをゆっくり眺めてから駅から歩いて10分ほどの踏切へ。
正午過ぎ。ここで「SL冬の湿原号」9380レを撮影。ちょうど小雪が舞っていましたね。


この後、駅で昼食(コンビニおにぎりです)をとって休憩。
そのあとまたタンチョウを眺めて。
件のシマエナガ撮影の皆さん、まだいました。実に3時間以上粘ってますね。もちろん皆さん車で来ておられますが。すごいな~。(^^;
私はまたのんびりタンチョウを眺めて。
返しのSL:9381レは14:25発。
「冬の湿原号」は上下列車とも茅沼駅に停車しますが、どちらも発車時には汽笛を鳴らしません。これはここにいるタンチョウに気遣ってのことです。
煙はご覧の通り派手に上がりますが。

ちょうど畑にいたタンチョウが飛び立とうとするところ。SLとすれ違うように。

客車の窓と同じ高さに飛び上がって。乗客の方々は喜んだことでしょう。

そして列車は煙をなびかせて走り去る。

駅のホームに戻り、再びタンチョウを観察。ふと駅前を覗いてみると、シマエナガ撮影組の皆さん、まだいます。(^^;
SLにもタンチョウにも目をくれなかったようで…
さて、これから釧路に帰るのですが、なんと17:54まで列車がない。(^^;
まあ、しばらくはタンチョウを眺めているつもりですが、タンチョウたちも日暮れ近くなれば塒に飛んで行ってしまうはず。となると思い切りヒマになってしまうわけで。一昨年のように14:58の反対方向への列車に乗って川湯温泉まで行って引き返してくる手もなくはないですが、あれは疲れる…だけでなく余計にお金がかかっちゃう。
ただ、今年は一つ手があります。昨年オープンした「ぽんぽんゆ」という温泉施設。いやかつての「憩の家」といえばわかりやすいでしょうか。そこでゆったり日帰り温泉に入ってくればいい。
実はこの「ぽんぽんゆ」、宿泊施設なんですよね、「憩の家」の時代もそうだったけど。その気になれば、昨日今日そこに宿泊するという選択肢もないではなかった。でもそうしなかったのは…高いんですよ、宿泊料。一泊二食付きで2万超えるんですから!
なんでも高所得者層向け(あるいは外国人向け)に設定したということですが…かつての「憩の家」が二食付きで7,000円ちょっとだったことを考えるととても泊まる気にはなりません。
ただ、日帰り入浴なら1,000円で済むので、それならいいかな、と。
といっても今から温泉に入りに行ったのでは、戻ってきてから時間が空き過ぎてしまうので、しばらくタンチョウを観察。

北側を見ると、幼鳥と親鳥が線路の中に。

「そこは危ないからこっちに来なさい」と親に言われてるかな?

「なんで?」とか言い返していそうな幼鳥。(^^;
南側では別の番がやっぱり線路上に。15時前のDCが行った後はしばらく列車が来ないの知ってるんでしょうね。

ゆっくりこっちに歩いてきて、

なんと一羽が「よっこらしょ」とばかりにホームに上がって、

後から連れ合いも。

ホーム上をゆっくりこっちに歩いてきます。

ホーム上にはもちろん私がいるんですが、警戒する様子まるでなし。

こうやって近くで見るとタンチョウって大きいんですよね。体高140cm程度あります。背の低い人間のおばちゃんくらいはある。(^^;
ファインダー覗いてるとちょっと圧迫感感じたりして。
私のわずか2m横を歩いて行きました。(^^;

いや~、面白かったです。こういうシーンってあまり見られないですからね。ホーム上にいたのが私だけだったからでしょうね。さすがに人が多かったらホームには上がってこないでしょうから。
この後「ぽんぽんゆ」でゆったり温泉に入り、駅に戻ってきた時はもうあたりは暗くなっていました。
17:54の4727Dに乗り釧路へ戻ります。
この日の夕食は…「河むら」で釧路ラーメンでした。(^^;