縄文杉( じょうもんすぎ) [九州] 標高 約1280m 地点 |
宮之浦岳から続く 縄文杉は山ではないので、山行記を掲載するのはちょっと、とは思うけど、まぁ、はるばる屋久島まで行ったんだから、何か記録を残させてくださいな。
昨日の宮之浦岳は、頂上こそガスに覆われてしまったけれど予想外のいいお天気で、日焼け止めを宿に置いて行ってしまったものだから、腕が日焼けでヒリヒリする。
台風3号はどうやら東の方にそれたらしい。ところが、弁当屋のおばさんは「今日は昨日よりいい天気だよ。今日山に行けば良かったのに。」と言う。
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縄文杉トレッキングの入口は荒川登山口なのだが、そこへは登山バスでしか行けない。屋久島自然館を4:40に出発する朝一番の登山バスには、30人ほどが乗り込んだ。あたりはまだ真っ暗。集まったトレッカーは若い人が多い。登山ではないので普段は山歩きをしないような人も多いのだろう。これも世界遺産効果か。ガイドに連れられたグループも何組かいる。 |
バスの中で一眠りして、小一時間で荒川登山口に到着。 |
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荒川登山口 |
まずは有名な森林鉄道の線路敷きを歩く。枕木に歩幅を合わせるのか、自分の歩幅で強引に歩くのか難しいところだが、歩いてみると結局は、歩きながら臨機応変に対応す るしかない。いずれにしろ歩きにくい。 いきなり長い鉄橋を渡るが、鉄橋部分はレールの間に板が敷いてあるので歩きやすい。ただ、短い鉄橋には手摺りがないので、少々慎重になる。 |
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トンネルあり |
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鉄橋あり |
こんなものもあり |
トンネルもあるが、電燈が点いていて歩くのには支障はない。しばらく行くと丸太で支えられた屋根みたいなものがあり、その上を水が流れている。谷川の水を除けるもののようだが
しぶきはかかる。大雨の時はどうなるのだろうか。 |
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小杉谷橋 |
小杉谷小中学校跡 |
小杉谷に架かる長い橋を渡ると旧小杉谷集落跡地。屋久杉伐採の前進基地で、一時は500人を超える人が住んでいたそうだが、今はほとんど痕跡がない。唯一、小中学校跡地がそれらしい広さで広がっている。同行の
Tu さんが40数年前に来た時にはまだ人が住んでいたそうで、ここの小杉谷山荘に泊まったそうだ。 |
小杉谷集落跡地からはレールの間が板敷になり、急に歩きやすくなる。なんで登山口からこうしてくれないのかと思うが、ひょっとしたら、わざと入口付近は歩きにくくしているのかもしれない。 |
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板敷のところは歩きやすい |
小杉谷集落跡から30分程歩いたところで朝食の弁当。昨日と同じ弁当屋なので、中身も昨日と全く同じ。宿のすぐ近くなのでつい同じ弁当屋にしてしまったが、ちょっと後悔。 大株歩道の入口までは、一か所だけショートカットするため軌道を離れるが、そこ以外はずっと線路敷きを歩く。板が敷いてあるので快調に進む。だんだんカーブが多くなり、何度も小さな谷を小さな鉄橋で渡る。 |
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植林地を抜ける |
大株歩道入口の手前に「岩の展望台」と称するところがあり、樹林が切れて屋久島の主稜線が望める。見ると宮之浦岳の隣の翁岳の岩峰が青空に聳えている。
きれいな谷川を渡ったところで急に線路が途切れ、目の前にこの場所には不釣合いな程大きな建物が現れる。二階建てで二階がトイレになっている。一階は何か機械室だろうか?ここから
大株歩道の山道になる。 |
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翁岳 |
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木道が続く |
翁杉 |
大株歩道に入り、しばらくは岩の露出した歩きにくい道だが、すぐに谷川沿いの木道や階段が整備された立派な道になる。2010年に倒壊してしまった翁杉を過ぎると、最初の見どころのウィルソン株に着く。 ウィルソン株の周りはベンチなどが整備されて広場のようになっている。縄文杉に次ぐ人気スポットなので大勢の人が休めるようになっているのだろう。株の中には祠があって、清水も湧いている。今はやりのパワースポットなのである。最近は株の中から見上げると、切り株の穴がハート型に見えるということで、若い女性に人気があるようだ。 僕も一枚パチリ。ちょっと歪んでしまったけれど、何とかハートに見えるかな。 |
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ウィルソン株 |
株の中から穴を見上げると |
ウィルソン株からは急に傾斜がきつくなる。ただ、相変わらず道はよく整備されていて、階段が果てしなく続くことになる。二日続きの長丁場で Tu さんが遅れ始めるが、今日もマイペースで行かせてもらう。 大株歩道と言われるだけあって、このあたりから巨木が多くなる。樹齢1000年を超えたものを屋久杉、それ以下を小杉というそうだが、その意味では本当に屋久杉の森と言える。杉だけでなくヒメシャラや常緑樹でも太いものが多い。 |
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階段が続く |
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巨木がそびえる |
ヒメシャラの大木 |
次の見どころは大王杉だと地図を見ながら考えていたが、なかなか辿り着かない。巨木が多いので気が付かずに通り過ぎてしまったかな、と思い始めたころ、やっと斜面の途中に現れた。 |
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大王杉 |
夫婦杉 |
山腹をトラバース気味に進み、いくつかの沢を渡り、ベンチがたくさんあるところを過ぎると目の前にデッキが現れた。とうとう縄文杉だ。左右に階段が二本あるが、右側の階段は通行止めになっているので、左側から上がる。すでに一番バスでやってきた何組かのハイカーがデッキの上で写真を撮っている。 |
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縄文杉前の鑑賞デッキ |
デッキは広いのだが縄文杉に向かって右半分は、大枝が朽ちて落ちてくる可能性が高いということで、立ち入り禁止になっていて、正面から写真が取れない。荒々しくうねった樹皮の様子はよくわかるのだが、幹の上の方は手前の木が邪魔してよく見えない。ちょっと迫力不足で残念。 |
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縄文杉 |
記念写真 |
縄文杉の少し上に休憩所があるそうだが、天気がいいので先ほど通ってきたベンチまで戻って昼食の弁当にする。弁当を食べている間も次々にハイカーが登ってくる。 僕らは一番バスで来た中では遅いほうなのだが、二番バス以降で来た人たちも随分いるようだ。 |
帰りは同じ道を帰るしかない。 |
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ウィルソン株の中の祠 |
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帰りも鹿に出会う |
ヤマグルマの葉 |
宮之浦岳に登り、ヤクシマシャクナゲも縄文杉も見て、トビウオのから揚げやカメノテの塩蒸しも食べられて、本当に満足。鹿児島空港に降り立った時には台風接近でどうなるかと思ったが、予想外のいい結果になってしまった。16年前に叶わなかった望みをやっと実現することが出来て、屋久島に来るきっかけを作ってくれた Tu さんに感謝。 |
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[山行日] | 2013/6/13(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[天気] | 晴れ時々曇り | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アプローチ] | 安房 4:15 →(レンタカー)→
4:20 屋久杉自然館 4:40 →(登山バス)→ 5:30 荒川登山口 |
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[コースタイム] |
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[ガイドブック] | 山と高原地図59「屋久島・宮之浦岳」 昭文社 |