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16-1:由比


東海道を歩く (16-1:由比宿・本陣) ---



(写真は、再建された由比宿の本陣)

由比宿に入ると、まるでタイムスリップしたかの様に、江戸の香りが漂う古い町並みが
続きます。

宿場町の中心には、立派に復元された冒頭の写真の由比宿の本陣があり、その正面には
下の写真の右の「正雪紺屋」があります。



「正雪紺屋」は、倒幕を企てた由井正雪の生家で、今でも、江戸時代の染物屋の風情
そのもので営業を続けています。



由井正雪は、丸橋忠弥らと共に、江戸幕府の火薬庫を爆破して江戸城を占拠、将軍を
人質としようと反乱を起こします。

しかし仲間の密告で、2,000人以上が逮捕され、由井正雪は自害、その一族は処刑、
そして丸橋忠弥は鈴ヶ森で処刑されました。

由比の宿は、昔から桜エビ漁が盛んだったそうで、街道には、桜エビを売る店が点在します。


江戸の宿場町そのままの雰囲気と、昭和の「三丁目の夕日」を一緒にしたような、妙に
懐かしさを感じる町並みで、私は、すっかり由比宿が気に入ってしまいました!

遅めのお昼は、生ビールと天ぷらそばを食べました。

でも、由比で天ぷらそばといえば、エビではなく桜エビです。



う〜ん! 桜エビの天ぷらも、なかなかいける!

旨い!



(水野晴郎の口調で) 「いや〜!旧街道歩きって ホントに素晴らしいですね!」

蒲原と由比は、とびきり風情のある宿場町なので、改めてたっぷり時間をとって、もう一度、
訪れたいです。



JR由比駅を過ぎた休憩所で、休んでいると、逆方向から走ってきた本格的なロードハイクの
おじさん二人と一緒になりました。

私が、”これから薩た(さった)峠を超えるか、今日はここで終わりにするか、迷っている”
という話をしました。

すると、二人から、”今日は午後から曇ってきたので富士山は見えないし、途中で日没の
危険もあるので、峠越えは、次回の楽しみに残した方が良い”と言われました。

このアドバイスに従って、薩た峠の絶景は次回のお楽しみにして、少し早いですが、
JR由比駅から横浜駅へ戻ることにしました。





バスで行く東海道・第4回 (沼津宿〜興津宿) 2012.6.28

「16:由比宿」

(次の写真は、昨年10月の完全踏破・一人旅の際に、薩た峠の浮世絵と同じ場所から
写したものです。

昨年10.27は、秋晴れで富士山が良く見えました!)

浮世絵は、薩た峠から富士山の絶景を望む図です。小さくて見ずらいですが、左上の
切り立った崖の道を歩く3人が見えます。






下の写真は「おもしろ宿場館」(400円)で、客引きの留女(とめおんな)に、強引に
引っ張られる弥次さん喜多さんです。



由比本陣跡の敷地には、東海道広重美術館(500円)があります。



由比の名物は桜エビです。
桜エビは明治27年の売出しで、この年は、東海道線が開通して5年後で、由比の海岸で
作っていた塩も大量生産の塩に押されて、蒲原・由比の宿場町がさびれ初めていました。

そこで、起死回生策として、これまで地元の人も見向きもしなかった桜エビを売り始めた
そうです。

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