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| 『サンキュー、チャック』(The Life of Chuck)['24] 『Michael/マイケル』(Michael)['26] | |||||
| 監督 マイク・フラナガン 監督 アントワン・フークア | |||||
| ダンスシーンが目を惹く映画を続けてスクリーン観賞してきた。 先に観た『サンキュー、チャック』はチラシによれば、監督が脚本も担っているようだが、スティーヴン・キングによる原作も第三章からの遡行を描いていたのだろうか。予告編を観て『フォレスト・ガンプ』['94]の今世紀版かもと察していた部分は見事に見当はずれだったが、第三章「ありがとう、チャック」から始まり、第二章「大道芸人サイコー」、第一章「私の中には無数の人が存在している」と、三十九歳から七歳まで遡る話を観ているなかで第一章に三十九歳のチャックことチャールズ・クランツ(トム・ヒドルストン)が登場するに至って、本作はチャックが病床で見た今わの際での回想だったのかと得心した。 道理で第三章では、夢幻に満ちた物語世界が展開されていたわけだ。その第三章で、迫りくる世界の終わり【死】に際して、二十年連れ添った夫も息子も残してハイスクール時代に一か月付き合っただけの男の元に去って行った妻のことを小学校教員のマーティー(キウェテル・イジョフォー)に保護者面談の場で零していた男が、自分などより余程好きだったんだろうと言っていた台詞こそが、チャックが手の甲の傷の件について妻にも本当のことを言ってなかった理由だったのだろうと思った。それにしても、わずか九ヶ月の進行であの有様とは、いやはや何ともだ。 七歳のときに家族を失い、祖父母に育てられたチャックが祖母仕込みのダンスでもって注目された中学時代の杵柄で、大道芸人ドラマー(ザ・ポケットクイーン)の繰り出すリズムに誘われて踊り出す場面の高揚感がとても素敵だった。大好きなダンスを生業とする勇気を持てずに堅実な会計士の道を歩み、妻子も得ていたチャックながら、ダンスのプロとしてやってみたいとの思いは、初恋の思い出の如く、ずっと胸の内に宿っていたのだろう。内に籠りがちだった幼いチャックにダンスの手ほどきをした祖母サラを演じたミア・サラがなかなか素敵で、チャックの心のなかに根付いているダンスのイメージを体現する存在としての輝きを放っていた気がする。明るくお茶目で、夫のアルビー爺さん(マーク・ハミル)には言っちゃ駄目よと“秘密の共有”という、特別なインティマシーの味を教えてくれていたのもサラ婆さんだった。 午前に『サンキュー、チャック』を観て、第二章のダンスシーンに魅了されたものだから、その勢いで、チャックがダンス部で一躍注目される契機になった“ムーンウォーク”の命名者の伝記映画『Michael/マイケル』も観てきた。マイケルとは同い年の生まれだから同時代を過ごしてきている僕は、ジャクソン5は好きだったけれども、彼がソロになってからは♪ベンのテーマ♪以外は、耳馴染みはあっても余り好むところではなかった。 だが、ダンスは流石に凄いと目を奪われたものだ。それが本当に達者に再現されていて、唸らされた。「上着が要るな」と言って例の赤いジャケットを羽織ったりしていた♪ビート・イット♪のときのダンスシーンが特に気に入っている。だが、♪ウィ・アー・ザ・ワールド♪で知られる“USAフォー・アフリカ”の前年1984年で終える続編ありの仕立てなら、最初からそう告知しておいてくれよと思った。エンドロールを眺めていたら、各楽曲の「performed by」は皆マイケルだったから、歌は口パクだったようだが、ダンスパフォーマンスをあれだけ再現していたら大したものだ。 すると「そうなの?私はてっきりジャファーが歌っているのかと思っていました。どこかで読んだ気もするんですが、ダンスが本当に上手かったので、不問です😁」とのコメントが寄せられたので、ネット検索で当たってみたところ、『VOGUE JAPAN 』に「『Michael/マイケル』主演、ジャファー・ジャクソンは実際に歌っているのか?」という直球の記事があった。それによれば「ジャファーは、「パフォーマンスのシーンでは、マイケルの音源に合わせて、実際にマイクに向かって歌いました」と説明。完成した作品では、彼とマイケルのボーカルを「ブレンド」したものに仕上がっているそうだ。」ということで、「答えはイエスでもあり、ノーでもあるようだ」ということらしい。だが、実際に歌ってはいても、それを映画館の観客に聴かせてないのなら、歌ってないのと同じではないかと思った。ブレンドというのは要は、ジャファーの画像とマイケルの音源とのブレンドということなのだろう。 | |||||
| by ヤマ '26. 6.13. キネマM&TOHOシネマズ7 | |||||
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