リフレッシュ作戦ph1完了 98.04.05
ガレージより75の作業完了の電話があったので早速引き取りに行きました。しかし、今回は代車は無しの為に静岡まで電車で行きました。朝の7時に練馬を出て、新宿から小田急で小田原まで行き、小田原でJRに乗り換えて静岡まで各駅停車の電車で行きました。早くリフレッシュされた75に乗ってみたい気持ちもありましたが、桜満開の春の中の各駅停車の旅ものんびりしていて心のリフレッシュになりました。
約4時間半のかかって静岡に着くと、今回お世話になりっぱなしの伊藤さんが迎えにきていてくれてました。伊藤さんの75に乗せてもらってガレージに着くと、洗車されたばかりの私の75が迎えてくれてました。

リフレッシュされた75
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伊藤さん、山下さん、私の75
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私達は、出来上がりの状態を確認したくて、ガレージのメカニックさんへの挨拶もそこそこに早速試乗に出かける事にしました。
キーをひねるといつもよりエンジンのかかりが良く、アクセルを煽るとレスポンスも依然より鋭い。そして、何よりも「プロペラシャフトのぶれによる振動も音も全くない」のです。感じられる振動はエンジンからの振動しかありません。これがダイナミック・バランスの効果なのか! 感動ものです。
発進の為にクラッチを踏んだ瞬間に、また、にやっとしてしまいました。うまく表現できないのですが、スムースな踏みごたえであり、前のちょっと引っかかった様な感じが全くありません。1速→2速→3速→4速へのシフトアップ、4速→3速→2速も非常にスムーズになっていて、クラッチのO/Hの効果絶大です。
次にハンドリングですが、路面のわだちによるハンドルへのキックバックが強かったのがマイルドになりました。また、ハンドルの戻りも非常にナチュラルな味付けになってます。アライメント調整により非常に扱い易いハンドリングになりました。そして、ド・ディオンセンタブッシュの交換の効果と思いますが、コーナーを曲がる際に後ろ側が腰砕けの様にググッとずれる感じがなくなり、しっかり後輪がグリップしシャキッとした感じになってます。
次はブレーキです。以前はブレーキを踏み込んでも絶対的な制動力を得られなかったのですが、踏み込みの初期タッチも良く、ブレーキを踏んだ分だけ制動力が増していきます。完全に踏み込んだ時の制動も申し分ありません。PBRのパッドはサーキット等での使用には威力を発揮するのでしょうが、普段の使用には向かなかったということでしょう。
予想以上の仕上がりは特筆・感動ものです。途中で運転を代わった伊藤さんと共に、顔はにやにやしていたにちがいありません。まさにマジック!
で、試乗を終えてから、メカニックさんから今回の整備内容の詳細の説明を受けました。
整備内容の大枠は、
- プロペラ・シャフトのダイナミックバランス取り
プロペラシャフトのダイナミックバランス取り及びセンタ・カップリングの交換を実施した。フロント及びリアのカップリングに関しては交換せずにそのまま使用したとの事。前のショップでカップリングの交換を行った際に、センタ・カップリングとシャフトの接点にあるべきプロペラシャフト・センタ・パイロットが装着忘れがあったので中古部品を見つけて装着し、また、リア・パイロットもずれて装着されていたのでそれを加工し修正してもらったそうです。
- ド・ディオン・センタブッシュ&デフ・マウント交換
ド・ディオン・センタブッシュとデフ・マウントの交換をしました。交換前のド・ディオン・センタブッシュ及びデフ・マウントを以下に示しますが、ド・ディオン・センタブッシュは思った以上に小さく直径約7cm程度しかありませんでした。写真ではわかりつらいと思いますが、かなりよれていて溶けだしています。デフ・マウントはもうボロボロでした。

デフ・マウント
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センタ・カップリング
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ド・ディオン・センタブッシュ
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- クラッチのO/H
2速へのシフトチェンジ時にギア鳴りが発生し、3速へのシフトチェンジが異常に渋く、リバースにはなかなか入りづらいので、ミッションを開ける前にクラッチのオーバーホールを実施した。クラッチを開けてみると、純正品ではなく社外製のクラッチに交換されていた模様です。それを純正に交換し、シフト・リンケージも調整したところ、シフトフィールは大幅に改善され充分満足な状態になりました。2速のシンクロが多少弱っているものの、ミッションを開けるのはもったいないとの事で今回ミッションのオーバーホールを実施せずにすみました。
- ブレーキ・パッドの交換
ブレーキの効き具合が悪いのは、メカニックさんの試乗によって装着されていたPBRのセミメタルパッドが原因(ローター温度がパッドの適正温度に上がりきっていない為効きが悪い)と思われる為に、まず純正パッドを装着してテストを実施されたそうです。その結果、予想通りパッドが原因で純正パッドで充分な制動力が得られました。この状態で充分サーキット走行も可能という事でした。
- アライメント調整
ハンドルからのキックバックが強すぎる為、アライメントの測定と調整をして頂いたそうです。キックバックが強かったのは、キャスターが左=+4°00、右=+3.8°であったのが原因で、左右とも+2°00にする事によりマイルド方向にふったとの事でした。従って、調整後はすごくナチュラルなハンドリングになりました。キャンバーは気持ちネガテティブに、トーは若干トーインに設定し、直進安定性を持たせたそうです。
以下は設定後の値です。
項目 |
左 |
右 |
キャンバ |
−1°00 |
−0°50 |
キャスタ |
+2°00 |
+2°00 |
トー |
+4mm |
+4mm |
サイドスリップ |
3mm |
- ショックアブソーバの調整
年末に交換したコニーのショック(赤)は調整可能であるそうで、若干固めに調整してもらいました。初期値はかなり柔らかいので、ファミリーユース:7割、ちょっと飛ばす:3割くらいの使用状況を加味した固さにしてもらいました。
- その他
- ミッション・オイル交換
ミッション・オイルをレースで使用して実績のある、MOTUL(AP90)に交換し、プロテクを注入したそうです。MOTULオイルは今までにレースで使用したオイルの中で一番良かったそうで、ここではすべてこのオイルを使用するそうです。また、プロテクはオイル添加剤ですが、通常の添加剤とはちがいオイル温度を下げる効果がありオイル温度の変化による潤滑効率の変動を押さえる効果があるそうです。
- センター・マフラー溶接修理
センター・マフラーが腐食していて穴が空いていたそうで、溶接修理をして頂いたそうです。これにより、かなり排気音が静かになり、本来のアルファサウンドが出るようになりました。
- その他調整
その他、足回り、オイル/水回り等の各部点検も実施して頂いたとの事。その点検の結果、上記の整備箇所を洗い出したそうです。また、作業伝票にもメカニックさんの口からも出ていませんが、私の75を乗った感じでは収排気系の調整・清掃等も行って頂いた様に感じます。なんといってもエンジンの吹けが全然違います。多分エアークリーナー、プラグ等の清掃や、さび付いていたマフラーの内部の清掃等もやって頂いたと思います。
★リフレッシュ作戦ph1が完了して
リフレッシュが完了した75に乗ってみて非常に感動し、そして勉強させてもらいました。それは、
- アルファロメオ75という車は、的確な整備を施せばすばらしい車に生まれ変わる
信頼できる確かな技術のあるアルファロメオを愛しているショップをさがす事が快楽への第一歩です。
- アルファロメオ75という車は、ノーマル(純正)部品で充分すぎるポテンシャルをもっている
まわりの人や広告に惑わされずに、むやみに社外品のアフターパーツに手をつけずに、ノーマルの状態を最高の状態にする事が先決です。ノーマルを極めたあとにそれぞれ個人の好みに従ったチューニングを計画した方が精神的にも金銭的にも健康的なチューニングと思います。
そして、今回気になるリフレッシュ費用はかなり勉強して頂きまして、こちらです。
★今後のリフレッシュ計画
今回のリフレッシュで、ほぼ主要部のリフレッシュは完了したわけですが、今後は以下の項目を計画しています。
- タイヤ交換
- プラグ交換
- エアークリーナー交換
- マフラー交換
★その他感じた事
当初はリフレッシュ作戦のメニューは以下のものを予定していました。
- 足回りブッシュ類の交換
- プロペラシャフトのダイナミックバランス&カップリング交換
- ミッションO/H
- クラッチO/H
- エンジンマウント交換
- ミッションマウント交換
まず、最初にリフレッシュを相談したのは、我が家のパンダがお世話になっているショップでした。このショップも大変親身になって相談に乗って頂いたのですが、得意分野がどちらかというと155以降のアルファであることと、伊藤さんからトランス・アクスル整備にはそれなりの技術と経験が必要というアドバイスを受けたので今回は伊藤さんの紹介のガレージにお願いした次第です。ちなみに車の現状を考慮に入れずに無条件で上記のメニューを実施したとしたら費用はこちらの様な金額になるそうです。
今回75をお願いしたガレージやパンダのお世話になっているショップの様に、実際に車をみて交換しなくてすむようなパーツはできるだけ活用して少ない費用で最善の状態にする事を考えてくれる様なところは少ないのではないでしょうか? 多分、上記のメニューを提示したら、車の状態もろくに確認もせずに、すべての作業に取りかかってしまうショップも少なくないのではと思います。
特に、今回お世話になったガレージの方針は、「使用できるものは使用し交換しなければならないものは交換して、できるだけお客様の金銭的負担を軽くし、完調なアルファロメオを味わって欲しい」と聞きました。そして、「整備をしたアルファロメオは自分たちが満足する車でなければお客様に納車できない」とも考えていられるそうです。アルファオーナーにとって、大変頼もしいガレージです。
そして、今回75の出来上がりの良さに驚いたのはもちろんですが、納車時の私の75のアルミホイールがピカピカに磨かれていた事にすごく驚き感動しました。今までにいろいろなショップに整備や修理を出した事がありますが、アルミホイールまで磨いて頂いたショップはありませんでした。こんなに技術と優しさと丁寧さを持ち合わせたショップはありません。これからなが〜いお付き合いをさせて頂きたいと思います。
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