- 経緯
75が我が家にやって来たのは4年前の4月で、4年半落ちの中古でした。この4年間の間で走行不能になったのはミッションマウントが逝ってしまった時のただ1度だけですが、インターネットで知り合った方々の75と乗り較べるてみたところ、「我が家の75は本来の姿にはほど遠い」事に気づきました。プロペラシャフトのぶれがかなり大きく、ブレーキの効きが悪いし、またシフトフィールの芳しくない・・・etc.
調子悪い所を気にしだすとやたら気になるようになります。こうなってしまうと、運転していても全然楽しく無い、逆に運転が苦痛になります。どうしても完調な状態の75に乗ってみたい。そんな事ばかり考えているようになってしまいました。そして、高いポテンシャルを持つといわれている大好きな75を楽しくドライブするために、思い切ってリフレッシュする決心をしました。
しかし、完調な状態にするには「リフレッシュ費用」と「信頼のおける確かな技術を持つ主治医」が必要です。
リフレッシュにかかる費用は「新車に乗り換えると思うえば安いものだろう!」と、自分自身及びかみさんを説得しました。しかし、湯水のようにお金がでてくるわけもありませんので、リフレッシュの優先順位をつけて懐具合と相談しながら段階的にリフレッシュを行うことにしました。
費用に関しては、なんとか我が家の大蔵省の許可が出たので、あとは75をお願いする「信頼できる工場」です。今まで75のメンテナンスをお願いしていたのは75を購入したお店でしたが、不具合について相談してもあまり要領を得ない答えしかかえって来ないし、あげくの果てには「こんなもんだよ」といった答えが返ってきたので愛想がつきました。すると75のリフレッシュをお願いする主治医がいない!の困った状態に陥ってしまいました。さあ、主治医探しです。雑誌などを見ると、自称イタ車専門ショップが数多く広告をだしています。しかし、元の主治医も毎月の様に雑誌に広告出していたので、広告などは全くあてになりません。すると、あとは頼りになるのは同じアルファ乗りの方々です。そこで、迷惑と思いましたがインターネットで知り合った方々に「相談メール」を送信させて頂きました。すると、相談したすべての方々からその日のうちに「アドバイスメール」を返信して頂きました。メールにはいろいろなショップの情報やそれぞれ苦労されたことなどが書かれていて非常に参考になりました。相談にのって頂いた皆さん、本当にありがとうございました。
そして、さんざん悩んだ結果、同じ75TSに乗る浜松の伊藤さんの主治医さんを紹介してもらうことにしました。選んだ理由は、伊藤さんの75が非常にすばらしい状態を維持されていた事もありますが、そのお店のメカニックさんは伊藤忠オート時代からの人でジュリアから75まで良いところも悪いところも知り尽くしていて、自分が手がけた車は自分が納得するまでは決して納車しないというこだわりというかポリシーがある方で、心からアルファを愛している人と聞いたからです。ちょっと静岡までは遠いけど、トランスアクスルをこよなく愛する伊藤さんがいった「あのお店にまかせれば絶対に後悔しないよ」の一言で決めました。
- リフレッシュ作戦始動 98.03.14
さて、75を預ける事を決めてしまえば一日でもはやくリフレッシュしたいです。紹介して頂く伊藤さんとメールで日程調整させて頂き、3月14日に静岡に行きました。朝8時に起床して冷たい水で洗車をして練馬を9時に出発しました。環八がいつもに渋滞で用賀まで1時間弱かかったのですが、東名は土曜日でというのにガラガラでなんと静岡まで1時間15分弱で着いてしまいました。伊藤さんとは静岡ICの料金所を出たところの駐車場で待ち合わせました。

由比ヶ浜PAにて
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静岡IC出口にて
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そして、伊藤さんの白の75に先導して頂いて紹介して頂いたガレージに行きました。ガレージの前には、修理待ちの車なのか部品取り様の車なの怪我をしたアルファが多くおいてありました。ガレージの中のリフトには、なんとリストアされまるで新車の様なジュリアGTCが乗っていました。またその下には、これもレストアさせたジュリア1300スーパーもあり、これも新車同様の輝きです。すばらしい!

アルファ界では有名な方のGTC
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まるで新車、感動ものです
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それらを見とれていると、事務所から頑固で気むずかしそうな表情(失礼!)の方が・・。「いらっしゃい。どこかどうおかしいの?」と質問をしながら、いきなり75のそばに。自己紹介もする間も無くいきなり症状説明となってしまいました。75を見る目がすごく真剣で鋭いです。職人!って感じです。
早速、75を購入してからのメンテナンス記録と、現在自分に中で懸案事項となっている以下の点を伝えました。
(1)ブレーキが効かない。特にパニックブレーキの様な場合は止まれるか非常に不安
(2)プロペラシャフトのぶれが大きく、特に2千から3千5百回転あたりは特にひどい
(3)2速が入りづらくギア鳴りし3速の入りも渋い
(4)ド・デオンのブッシュ類のへたり(購入後交換していないし、それ以前も効果した様子がない
すると、メカさんは75に試乗してひとまず各部の状態と私が言った懸案事項を確認されました。
その試乗の診断結果は以下の様でした。
(1)に関しては、初期のタッチや効きに関しては特に問題無いように思える。
(2)に関してはプロペラシャフトのぶれはかなり大きく、ダイレクトバランスは必要であろう。
(3)は特に問題無いように思え、ミッションを開ける必要は多分ないのでは。クラッチを降ろして点検調整によってかなり改善されると思われる。
(4)はどのみちクラッチを降ろすのでその際に各ブッシュ類を点検し必要であれば交換する。
しかし、(1),(3)に関しては自分自身としては納得いかなかったので今度は私と伊藤さんも同乗し再度試乗に出かけました。(1)に関してはパニックブレーキの際に幾ら踏み込んでもブレーキロックしないのでは?という不安をうまく説明出来ずに何度も説明したりメカさんの質問に答えたりで、何とか理解して頂きました。(3)に関しては、たまたまこの日はミッションが調子良くて、私が経験している現象が現れず結局その症状をメカさんに伝わりませんでした。
以上で、75の現状確認が終わり、今回の作業内容をひとまず決めました。
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ブレーキに関してはパッドがPBRセミメタルパッドで、ローターはドリル穴の空いたブレンボローターであるため、ローター温度が上がりきらないため効きが悪い可能性があるので、ノーマルのパッドを装着しテストをしてみる。
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プロペラシャフトのダイナミックバランスを行い、カップリングも点検し必要であれば交換する。ただし、真ん中のカップリングだけは無条件に交換する。
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クラッチを降ろして点検調整を実施する。
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各ブッシュ類を点検し必要であれば交換する。
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その他、問題があった場合は連絡を頂いてその都度どうするか判断する。
その後、事務所に入ってアルファロメオやレース参戦の事などの話を聞かせて頂きました。その話を聞いているうちに、このガレージのアルファロメオへの取り組み方や整備への取り組み方が何となく感じる事ができました。それは、アルファロメオはすばらしい車でノーマルの状態でも充分な性能を持ち合わせていて、ノーマル状態に近づけるだけで見違える様な車に変身する。しかし、その為に何でも新品に交換するのはユーザにとって負担になるため、出来るだけ使えるパーツは使って良い状態に持って行くのが本当のメンテナンスである。そう思いました。
ここは、そんなポリシーと経験と技術を持ったすばらしいガレージでありメカニックさんであると感じました。そして、安心して75をお願いする事が出来ました。仕上がった75がどれだけすばらしく変身しているか楽しみです。
最後に、このガレージを紹介して頂いき、さらに練馬まで送って頂いた伊藤さんには大変感謝しています。本当にありがとうございました。
- 電話で様子を聞きました 98.03.16
朝メールをチェックすると、伊藤さんからメールが届いていました。内容は「○○さんから電話ありましたか? かたおかさんの75は、けっこうあちこちすごいことになっているって聞きました。」との事。それであわててガレージに電話して確認しました。
「あちこちすごいこと」とは以下の事でした。
- プロペラシャフトのカップリングにあるべき回転バランスをとるパーツが後ろのカップリングからは欠落していて、真ん中のカップリングのはそもそも装着されていなかった。
→ 信じられません。欠落したのは仕方ないとして装着忘れとは・・。偉そうに雑誌に広告を出しているショップですよ! この部品は単体ではないため中古を見つけて頂けるそうです
- ド・デオンのセンターブッシュおよびミッションを吊っている後方のブッシュがかなり経たっていて交換要
→ 予想していた様に経たってました。交換です。
- クラッチが純正品ではなく社外製(ロッキード製)に交換されていた。
→ 誰がいつ交換したのか不明ですが、純正クラッチに交換する事になりました。これにより、シフトフィーリングも改善されると思われます。
- ミッションのシフトリンケージの調整が必要
→ 調整してもらいます。
あちこちすごいことは、確かにすごいことになっていたわけですが、金額的にはそれほどの事ではなかったようで、一安心でした。しかし、この日あたりから本格的に私の75に取りかかって頂けるみたいなので、この後どんな診断結果がでるかが、不安であり楽しみでもあります。
- ガレージから電話がありました 98.03.31
ガレージより状況報告の電話を頂きました。プロペラシャフトのダイナミック・バランス取りが仕上がって来て、それをつけてテストをした結果の報告でした。内容は
- ブレーキの件
中古の純正ブレーキパッドを装着した結果、初期のタッチは多少悪くなったが、思いっきり踏み込んだ時にフロントがロックさせる事がなかなか出来なかったのが出来る様になった。結局、ローター温度が上がらずに装着していたPBRのメタルパッドが本来の性能を発揮出来なかった様です。しかも、私の75はドリル穴のあいたブレンボのローターですから、なおさら温度が上がらなかったわけです。私はサーキット走行もしたいのですが、主な使い方はファミリーカーとしてですので純正パッドに戻す事にしました。
- アライメントの件
私は鈍感だったのか75のハンドル特性がおかしい事に気がつきませんでしたが、メカニックの人は試乗した際にアライメントがおかしいとわかったそうで(ハンドルをきったあとの戻りが急激)、アライメントを測定して修正をしたそうです。ただ、乗り手の好みがあるのでハンドルの戻りの度合いをどうするかを聞かれましたがメカニックさんが最適と思える設定にしてもらう事にしました。アライメントが狂っていた原因はキャスターロットの取り付け不正が原因のようで、詳細は車を引き取りにいった時に改めて聞こうと思います。
- ショックの調整の件
昨年末にコニーの赤ショックに交換したのですが、設定が最も柔らかくなっていた様なので気持ち固めに設定するようにお願いしました。コニーの赤ショックは調整不可と思っていたのですが、実は調整可能だそうです。
でした。従って、これから純正のブレーキパッドを発注し届き次第装着して作業が完了だそうです。うまくいけば今週末に納車が可能だそうです。大変うれしいです。
- 平成10年式75の完成 98.04.03
待ちに待った、平成10年式75の完成の連絡が会社に入りました。実はその前日の夜に、ガレージを紹介して頂いた浜松の伊藤さんから電話で「もう、○○○さんから連絡ありました? 75がリフトから降りていて既にできあがっているみたいですよ」と教えてもらっていたので、朝から未だか未だかとガレージからの連絡を待っていたわけです。で、75の引き取りには伊藤さんもお付き合いして頂けるそうなので、今度の日曜(4/5)に引き取りに行くことにしました。ちなみに、今回のリフレッシュ費用は大体200千円ちょっとですんだ様です。
〜 続く 〜