福島県南田舎暮らし「ZAI」

TOP  物件一覧  問い合わせ

●文学資料

物件Loveme

「楢山節考」などで知られる深沢七郎さんの終の棲家のラブミー農場。
埼玉県北部にある菖蒲町は関東平野のど真ん中。
町の中央に用水や川が流れる田園地帯の花の町。
深沢七郎がこよなく愛したラブミー農場。
放浪の末に手に入れた安息の地。

※取り扱い当時の資料です。物件のページは削除してしまい残っていません。

菖蒲町役場(現久喜市役所支所)から見たラブミー農場。中央の竹やぶと果樹林に囲まれて屋根が見えている。
すでに入植当時の「広く、平坦な私の畑から見える田んぼや森は静かな風景ばかり」
深沢七郎コレクション 転 (ちくま文庫) も様変わりしていた。


より大きな地図で ラブミー農場 を表示
グーグルマップではまだ建物が残っている。
更新とともに消える運命か(2012.6)
マップの物件情報は2008年のもの。
【簡易配置図】

農地の中心に増築を重ねた母屋と作業所
その間にはブドウ棚があった。
北〜西に防風を兼ねた果樹林(柿・ももなど)、
西〜南西は竹やぶ。

門(北側)から見た母屋(どうみてもトタン張りのバラック小屋)進入路は舗装され、脇には桜・梅の木が植えられていた。

売却を頼まれた頃(2008年。上の写真は翌09年)のラブミー農場。夏草に覆われて夢の跡。

北側からみた母屋。道路側はフェンスで仕切られていた。

売却を頼まれた頃(2008年。上の写真は翌09年)のラブミー農場。

「家屋は巨大なプレハブの要塞になっていた。トタン張りの砦だった。遠くからみると、家はうずくまって草を刈るオヤカタの後姿に似ていた。
這いつくばって、ざら土から草をむしるような砦なのだ。敵から用心深く身を守りつつ、土に化けて、土の保護色となる砦なのであった。
オヤカタの家は、来るたびに変化していた。客室が増え、二階が出来、ブラックホールという音楽室もあった。
外からみるとトタン張りでも内側には江戸城大奥を思わせる豪華な「西のマラ御殿」も出来た。
<中略>
オヤカタの家は生き物だった。少しずつ、西へ西へと手を伸ばして増殖しつづけていた。」    桃仙人―小説深沢七郎 (ちくま文庫)

母屋の横には農耕機のガレージ。

作業所と母屋。

作業所と母屋の間には屋根で繋がっていて、入り口(両側)にぶどう棚があった。
ぶどう棚は小屋前にもあり、好きだったのだろうか?

何年放棄されたのか? それでも実をつけていたぶどう。

朽ちいくものはなぜか美しく魅せられる。その訳は夏草だけが知っているのかも。

かつてここに流浪の作家が住んでいた。放浪の末にたどり着いた約束の地Promised Land ”だったのだろか?

深沢七郎さんは87年にこの農場でなくなるまで晩年をすごしました。放浪の末にたどり着いたこの安住の地を、七郎さんは
「愛する農場」、さらにはプレスリーの「ラブミー・テンダー」をもじり「ラブミー農場」と命名しました。
エッセー集『人間滅亡の唄』でこの土地をどんなに気に入ったかを書いています。
その中「ここは女生徒が写生した景色のようにおとなしい」(生態を変える記)とあります。
また、この地で安らぐ心境もつづっています。
「土手がわがラブミー農場と続いている――何よりも私の好きなのは雑草の中にすーっと残っているカヤの穂である。
愛する畑とこの土手さえあれば、私はどこへ行かなくてもいいのである」(八束土手)
食べる分だけのトマトやトウモロコシなどを栽培したり、季節の移ろいに溶けこみ、ゆったりとした暮らしぶりだったといいます。
場所を探している時に近所の方にお聞きすると、気難しさと大らかさが混じった頑固おやじだったようですが
ギターを教えてもらった(クラシックギターの名手だったそうです)と言っていました。
ステレオでエルビス・プレスリーやベンチャーズの曲を大きなボリュームでかけていたとのこと。
このラブミー農場には、『楢山節考』を映画化した木下恵介監督や井伏鱒二さんや
立松和平さん、南伸坊さん、石原慎太郎ら多くの文化人が通ったそうです。

北東側から作業所と小屋作業所と小屋の間もぶどう棚。
小屋前の果樹(右の写真参)やぶどう棚南南東から小屋。
南西に昔からあったらしい道。母屋北側には柿の木があった。

母屋西側には竹林。ここが西のマラ御殿?

西側の池? 地元の人によるとただの湿地だそうで、すぐ水が溜まって田んぼにもならないそうです。
母屋の前が竹林。その北に果樹林(梅・柿など)

【愛する畑とこの土手さえあれば、私はどこへ行かなくてもいい】「百姓志願」。
晩年そう書き記した周りの風景も変わり農場も造成地になり、なにも残っていません。
この星川の土手だけは当時のままです。

農場を拓いてから数年後に冬季は
曳舟駅の近くで今川焼屋「夢屋」(S46年)や
草加市でダンゴ屋を開き(S51年)盛況だったそうです。
写真はそのだんご屋さん。
とても大きな団子で好評だったそうです。

冬の出稼ぎ先?の草加市の団子屋(2008年)。※現在は残っていません。


深沢七郎ファンの皆様へ
このページは福島県南田舎暮らし不動産情報のサイトです


ラブミー農場は、現在なにも残ってなく造成地になっているようです。ここに深沢七郎資料館ができるようです。
物件のページも資料としてそのまま残せばよかったと思いますが残念ながら、バックアップがPC引越しで行方不明。

取り扱い時の20008〜2009年のものですが画像資料だけ残しておくことにいたしました。
もうすでに荒れ果てていました。写真から深沢先生の住んでいた痕跡が伺えないかも知れませんが・・・・。
なお、
また取り扱いだけで終わったので、どういう経緯で売却されたのか当社ではわかりません。


【参考リンク】

●深沢七郎のラブミー農場は今 2011年
http://www.gonzoshouts.com/book/2139/

●猫町文庫店「ラブミー農場は何処へ?」
http://ccnet.easymyweb.jp/member/fukuoka/default.asp?c_id=23330

●深沢七郎 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E6%B2%A2%E4%B8%83%E9%83%8E

●埼玉の文学「深沢七郎」
http://green.ap.teacup.com/sailitera/16.html

深沢七郎文学記念館(元森田美術館)

●菖蒲図書館(深沢七郎コーナーあり)


弊社はなぜか作家さんとかかわりのある物件を取り扱うことがあり、
作家「真船豊」の生家。戯曲「」の舞台となった生家も取り扱ったことがあり資料として残してあります

●福ZAIブログ関連記事

ラブミー農場
http://inakagurasi.at.webry.info/200907/article_2.html

TOP  町のZAI.  物件一覧  問い合わせ . 店舗案内. 福島県南を知る. blog. LINK

免許番号:福島県知事(3)第2135号
泣Zイワ不動産
福島県東白川郡棚倉町字清戸作41−3
TEL 0247-33-7396 FAX 0247-33-7397
seiwa413@cocoa.ocn.ne.jp