サキュバスの誕生

月夜眠短編集 2

(この作品はR18です。18歳未満の方は読まないでね。)

1

海沿いに有る小さな町の夕方、下校中の一人の男子高校生のあなたに、友人の剛君が息を切らせて駆け寄って行きます・・・。

「おーい!あの変な屋敷に人がいるぜ!」
「え?じゃあお化け屋敷じゃなかったんだ」
「それがさ、すっごい可愛い女の子!」
「女の子だって?ちょっとみてみよか?」
 町向こうに鉛色の海が見える少し小高い丘の通学路で、側の神社の脇の小道に向きを変え、小走りに森の方へ駆け出して行くプレザー姿の2人の少年。12月の寒い風もものともせず、2人はなにやら嬉しそうな会話をしながら消えていきました。

「おい、いるか?その女の子って?」
「昨日はっきり見たんだよ。なんかメイドさんみたいな服着て、庭掃除してたんだ」
「最近引っ越して来たんだろね?前は庭も結構荒れてたけど、ほら綺麗になってるし、何か木まで植わってるよ」
 古めかしい門に高い塀、明治時代の洋館を思わせる白い建物の門の脇の低木の茂みに隠れながら、あなた達2人はその新しい客人が姿を見せるのを今か今かと待ちわびていました。去年までは窓ガラスも一部割れ、庭も枯れ木や枯れ草が敷石が見えない位まで積もったりしていたのですが、錆びた門はそのままでも、庭はすっかり手入れされており、人のいるたたずまいを見せていました
「あ、出てきた!ほら、裏口から出てきたんだよ」
 剛君のその言葉に茂みからそっと顔を出すあなた。
「あ、可愛い、ほらあのモー○の○○に良く似てる。なんか窓に雑巾がけしてるみたい」
「おい、ちょっと声かけてみるか?」
「やめようよ、変な人と思われるかも」
「いいってさ、大丈夫だよ。あ、こっち見た!」
「気づかれたかな・・・」
 洋館の表玄関に廻ってきたその娘は、窓を拭こうとしたその手を止め、こちらを伺い始めます。
「おい剛、どうするんだよ。気づかれたかも、お、おい、やめろって!」
 あなたの制止も聞かず、剛君は無謀にも茂みから顔を出し、あいそを振りまきながらその娘に向かって手を振りました。
「あの、何か御用ですか?」
 水色の可愛い服に白のエプロン姿の、まだ少女の面影を残すその娘は、髪とスカートを少し揺らしながら、遠くから返事を返してくれました。どうなるかと気が気でなかったあなたも少しほっとした様子です。

2

「あの、もう1杯お茶如何ですか?」
「いえ、あの、もういいです」
「あ、すいません、頂きます」
 あなたと剛君は2人同時に正反対の言葉を喋ってしまいました。
「あら、ご遠慮なさらなくて結構ですのよ」
「あ、じゃあ遠慮なく」
 美少女にお茶を勧められて断る理由なんて無いと言わんばかりに、剛君は手に持っていた可愛いティーカップをその美少女に差し出しました。そんな剛君を横目に、あなたは招かれたその屋敷の大きな玄関脇の応接室の調度品や絵を、再び不思議そうに眺め始めました。そして、
「あの、それってペンションみたいな事を始めるんですよね。本当なんですか?こんな何も無い町で?」
「ええ、ペンションというか、まあここで1日ゆっくりして頂ける場所を作ろうと思いまして。ええ、何も無い、かえってその方がいいんですのよ。ゆっくりくつろいで頂けますし」
 あなたの言葉のその美少女はにっこりと笑って返しました。
「それで、買い物に行ってるオーナーさんは?」
「ええ、もう間もなく戻って来ますわ」
「オーナーの人も女性?」
「ええ、ですから全てにおいて女だけにしか出来ない細かな気配りをさせて頂く事が出来ますのよ」
 女ばかりと聞いて、剛君の顔はたるみっぱなし。それとなく目で注意するあなたでした。
「あ、皆帰ってきた様ですわ」
「え!本当!?」
 その美少女より先に椅子を立とうとする剛君を強引に引っ張るあなた。
「おい剛!いいかげんにしろよ。あんなお嬢さんの前であまりにも失礼で無礼じゃんか」
 あなたに諭された剛君がしぶしぶ椅子に深く座り直します。
「あ、あの、お嬢さん、お名前まだ聞いてなかったんですけど」
「はい、私由美子と申します」
「由美子・・・さんですね?」
「はい」
 美少女はそういって軽く会釈をして、部屋から出て行きました。

「おい剛、今日はもう帰ろうぜ。仕事の邪魔しちゃまずいじゃん」
「お前さ、そんな事ばっかり言ってるからいつまでも彼女できないんだぜ。向こうだって俺達の事悪く思って無いみたいだし、もうちょっといようよ、な?」
 あなたの言葉に耳も貸さず、そういいながら、薔薇の絵の入ったポットからもう1杯紅茶を自分に出されたティーカップに注ぐ剛君。と、程なく由美子と名乗る美少女が部屋に戻って来ました。
「すいません、そろそろお仕事が有りますので・・・。あ、あの、また遊びに来て頂けますよね?」
 ちょっと困った様子でそう話すその少女の表情を剛君は見逃しませんでした。
「彼女どうしたの?さっきの明るい雰囲気が無いんだけどさ」
「お、おい剛!」
 少しでも気を引きたいという剛君を戒めようと、言葉に割って入るあなた。ところが予想に反して美少女がちょっとにっこりして話を続けました。
「ごめんなさいね。あたし達のお仲間になって手伝ってくれる方がなかなかみつからなくて。そろそろここを始めないといけないのに・・・」
 その言葉にあなたと剛君は顔を見合わせました。
(それって、ひょっとして・・・)
「ねえ!それって、あの、バイトで良ければ俺手伝いますけど!なあ、お前もそうだろ!?な!」
 勝手に話を進める剛君ですけど、あなたとしても悪い気がしませんでした。ペンションの仕事は今まで経験無いですけど、向かなかったら止めてもいいし、ましてや目の前の美少女と会う機会が格段に増えますしね。
「あ、僕も面白そうだから、もしバイトで良ければ・・・」
 あなたの言葉にその美少女はリスの様な丸い目をそのままに、あなたたちに向かって首をかしげ、少し何か考えている様子です。
「そうですわね、じゃオーナーとちょっと話してきますわ」
 空のポットとティーカップをお盆に載せて再びドアから出て行くその美少女を見送った後、剛君が歓喜の声を上げます。
「やったぜ!おい!やっと俺達にも運が向いてきたかもしんねえぞ!こんな町高校卒業したら出て行ってやると何回も思ったけどさ、待ってりゃいい事も有るもんだぜ!なあ、お前そう思わないのかよ!ひょっとしたらさ、俺あの娘とより親密なおつきあいをしてさ、いずれ一緒になってさ・・・」
 とうとうペンションをどうしたいとか、どんな風に変えたいとか、そういう事まで話し出した剛君をあなたはちょっと苦笑いで見ていました。しかし、
(どうも話がおいしすぎるというか、うまく行き過ぎるというか・・・)
 あなたの脳裏にふとそんな不安が横切ったのも事実です。

「あ、どうも、始めまして」
 ドアの開く音と共にさっきとは別の女性の声。その方向を見たあなた達はぎょっとして息を呑みました。そこにはさっきの美少女と共に、その娘にオーナーと紹介された女性が何やら書類を持って立っていました。その姿は女優の藤原○香を少し細めにした、これまた美人の女性でした。
「まあお二方どうもありがとうございます。本当お手伝いして頂ける方がいなくて困ってたんですのよ」
 その女性と由美子さんがあなた方に向かってテーブルに座ると、2人の香水の匂いが部屋中に満ち、あなた方は少し照れてうつむき加減になってしまってます。
「じゃ、早速この書類にサインして下さいな」
 手渡された書類に早速あなた達が目を通し始めます。
「お手伝いさせて頂きます。時間とかお給金は後程別の契約にて・・・あの、なんか変な契約書ですね」
「あ、まだ私たちも始めたばかりで、どんなのにしたらいいかわからなくて、ごめんなさいね」
 あなたの問いに、ちょっと恥ずかしそうに答える美人のオーナー。その態度に、あなた方は疑うという事をまるでせずに、うっかりサインをしてしまいました。その書類を手にする美人オーナーと、美少女はお互い顔を向け
「良かったわね」
 と微笑みあう。
「あの、いつから来ればいいですか?学生なんで、平日昼間は無理なんですけど」
 鼻の下を伸ばしている剛君の横でオーナーに質問をし始めるあなた。
「あ、今度はコーヒーお持ちいたしました。砂糖はいくつですか?」
「あ、俺1つ」
「僕も1つ」
 小奇麗な角砂糖入れに入れられた角砂糖を、美少女が角砂糖はさみであなた方のティーカップのコーヒーに、中身が飛び散らない様に静かに入れてくれます。ようやくあなたも心が落ち着いたみたいで、いろいろ仕事の事についてお話を始めました。
「あの、土日だったら時間は1日空いてます。平日だと夕方位からなら、時給は最初頂けるだけで、その・・・・・・・あ・・・・・・・・・」

3

「あ・・・れ・・・、頭痛い・・・・。・・・・あれ、僕どうしたんだっけ・・・、確かあの女の子達とお茶してたはずなんだど、あれれ、何で僕こんな所に寝かされて・・・、ちょっと!ちょっとなんだよこれ!!」
 あなたが驚いたのも無理はありません。あなたはさっきの部屋とは全く雰囲気的に正反対の、石の壁で出来た少し薄暗い部屋の、その中に有る鉄格子の座敷牢みたいな所にいたのです。しかも、
「え、これ何だ?」
首には細い妙な首輪みたいな物がはめられていたのです。
「おーい、俺はここだ!」
 突然耳に剛君の声が飛び込んで来ました。その声の方向に目をやったあなたは信じられない光景を目にします。すぐそこには剛君がいたのですが、彼は学校の制服姿のまま大きなベッドの上に両手両足を固定されていました。首にはあなたと同じ首輪の様な物がはめられています。そのベッドの上の天井付近にはこれまで見た事も無い丸や三角や四角で構成された変な機械と様々に大きさのライトが見えました。
「なあ、これどういう事だよ!」
 なんとか固定されているベルトと枷を外そうと剛君がもがきますが、びくともしない様子。あなたは座敷牢の格子に手をかけ外そうとしますが、やはりびくともしません。

「お目覚めですか?」
「あら、2人とも気がついた様ね」
 奥の重そうな金属製の扉を開けて入ってきたのは、白いナース服の先ほどの美少女と黒のシンプルなワンピース姿の美人オーナーだった。
「おい、これ一体どういうことだよ!」
「これ何の真似なんだ!?」
 あなたたち2人は当然のごとく美人2人に抗議の声を上げます。
「あら、どうかしまして?」
「俺達アルバイトするって言っただけなのに、なんでこんな事になってんだ?」
「あら、あたしはアルバイトなんて一言も言ってませんわ。第一アルバイトって何なのか良く分かりませんし、あたし達の仲間としていろいろお手伝いして頂くって事は申し上げましたけど・・・あの剛様が何かご自分で勘違いなさっている様な気がするのですが」
 意外にも、美少女は少し困惑気味に答えました。
「とにかくここから出して下さい。何か勘違いが有るみたいだから」
 あなたはとうとう我慢出来ずにいらいらして座敷牢の格子を叩き始めます。しかし、
「とにかくお2人とも書類にサインされたんだし、時間も無いし始めましょ」
 オーナーと呼ばれるその女性はあなたたち2人の顔を見た後、無表情でそう言い放ちます。その言葉に、美少女は軽くうなずいた後、オーナーの女性と共に剛君が縛られているテーブルの横に歩み寄ります。
「お!おい!何すんだよ!」
  何と2人は大きなはさみを手に持ち、剛君の着ている制服を切り始め、次々にはがしていきます。
「やめろ!!」
 そういって剛君が大きく体を揺らしたその時、
「バシッ!!!!」
 何か電気がショートかる音と共にあなたと剛君は同時に短い悲鳴をあげ、あなたは座敷牢の床に倒れこみ、剛君はそのままぐったりとなってしまいます。
「だめですわよ、もしお二人のどちらかが抵抗とかしたりしたら、このリモコンスイッチで、不本意なんですけどあなた達の首輪から電気ショックを与える事になっていまして・・・」
 あなたがようやくショックから立ち直って、座敷牢の中で立ち上がった時、剛君の悲鳴が耳に入ってきます。驚いて駆け寄ったあなたの目には、すっかり裸にされた剛君の体に、2人の女性がどす黒い液体を刷毛の様な物で塗っていくのが見えました。
「何をするんだよ、やめてくれよ・・・」
 さっきのショックで意識がまだはっきりしないのか、弱々しい声で剛君が抵抗します。その液体は剛君の顔にも、そして恥ずかしげに縮こまった男性器にも塗られ、とうとう彼は真っ黒な人形みたいになっていきました。
「全身塗ったかしら?まあもし塗り残した部分が有っても、後で変化するからいいわ」
 剛君の言葉を無視するようにオーナーの女性が言い放ちます。
「剛様、しばらくこのままじっとしていてくださいね。もし抵抗なさるとこうですわよ」
 美少女の言葉と、手にした小さいスイッチの音と共に、剛君の体は悲鳴と共に震え、あなたは顔を左右同時に殴られた様なショックを受け、再び床に頃がりました。

「うわっ、なんだこの匂い・・・」
 電気ショックが怖くておとなしくしていたあなたの耳に、剛君の声が聞こえてきました。そして程なく変な匂いが剛君の方から漂ってきます。それは汗臭い男性の体臭を数倍に濃縮した様な匂いで、しかも段々強さが増してきます。
「ごほっ・・・」
 流石に身近で耐え切れないのか咳き込む剛君の横で、2人の女性もタオルで鼻を押さえています。
「ふう、本当男そのものって感じだわ。由美子ちゃん、早く次を」
「何を・・・する気だよ」
 そんな剛君の言葉を聞き入れずに、その美少女はオーナーの言葉にうなずき、部屋の片隅にあったホースと車輪のついた奇妙なタンクの様な物を剛君のベッド脇に押して来ます。
「じゃ、いきまーす」
 小さなポンプの音がして、ホースの先から透明な液体がシャワーの様に出て、そして剛君の体に振りかけられました。
「うわっ!熱い!熱い!!!痛いっ!」
 その液体を浴びせられた剛君はベッドの上でのたうちまわり、固定されたベルトがぎしぎしと音を立て、やがて所々湯気の様な物をあげながら、その黒い塗料みたいな物が流されていきます。と、その下からは真っ赤になってしまった剛君の皮膚が表れてきました。
「痛っ・・・」
 真っ赤になった顔でうめく剛君に、2人の女性は手に持った何かスプレーの様な物を吹きかけました。
「うっ・・・」
 一瞬呻いた剛君でしたが、剛君のスプレーを掛けられた部分は見る見る白くなり、やがて彼の体は真っ白な真珠色に変わっていきます。体の痛みが無くなったのか、真っ白になった剛君の顔が少し穏やかになりました。あなたは一体何が起こっているのかわからず只その様子を格子の奥から見つめているだけ。
「次よ」
 真っ白になった剛君の胸の乳首に、何か透明な小さな器具を置く美少女。
「な、何を・・・」
 少女がベッドから離れた瞬間、天井に吊り下げられた機器の一つから稲妻の様に電気がその器具に打ち落とされます。うめく様な声を上げる剛君の胸をあなたが良く見ると、透明なニプレスの様な器具の下で、彼の乳首が次第に大きくなっていくのがわかりました。
「おまえら、剛を・・・」
「やっとおわかりになりましたか?あたしたちのお仲間になるという意味が」
 美少女はにっこりとあなたに微笑みました。

「うまくいった様ですわね」
「やめてくれ!これじゃ家に帰れない・・・」
「もう、ものわかりの悪い方ですわ。もう帰る必要も無いでしょう?」
 剛君の大きく苺色になった乳首を触りながら美少女由美子は上機嫌です。
「あら、やっぱり感じるのね?やはり体は嘘つかないわ」
 そう言うと女性オーナーは大きくなっている剛君のそれを軽くタッチ。と、どこからとなく何か注射器を出し、剛君の男性自身に注射してしまいます。
「うわっ!」
「それ何だよ!」
 同時に声を上げる剛君とあなた。
「精巣を壊す薬だけど?」
 そう言ってオーナーは寝かされている剛君の頭の所へ歩みより、ベッドに手をかけます。
「剛君。どう?あたしたちの仲間になる決心ついて?」
 そんな剛君の体の上に何か円盤の様な機械が据えられ、彼の腰と太ももに太い固定ベルトが更に付けられていきます。
「剛君、じゃ卵巣と子宮移植、そしてあなたの血液を女の子の血と入れ替えさせていただくわ。これで一応はあたしたちと同じ体になるんですわね?」
「やめ・・て・」
 あなたの耳に剛君の消えそうな声が聞こえました。

「あ・・あ・・」
 顔中に汗をかき、多分局所麻酔されているのでしょうけど、苦しそうに時折声を漏らしている剛君。その彼の下半身の上で、天井から吊るされた円盤の様な装置の下から出るたくさんの細い機械の腕が忙しそうに動いています。
「やめて・・・」
 剛君の涙声が聞こえて来ます。多分オーナーの言う通り、彼の体には女の子の生殖器が埋め込まれているのでしょう。
 円盤の下から出るたくさんの細い機械の腕が忙しそうに動いているのを、あなたはもう声も出ずにじっと見ていました。
そしてもう暴れる気力が無くなった様な剛君の横には真っ赤な容器が設置され、腕に付けられた管から女の子の血が流し込まれ、彼の男の血が外に排出されていきます。
「いやだあ・・・」
女性の血と入れ替えられている間、泣きべそをかいたり、恨みを言ったり、剛君はだんだん弱気になっていきました。オーナーの血液を培養したその血液の入れ替えには約1時間程かかり、終わった頃、剛君はただ呆然と天井をみつめています。
「だめだ、頭が・・・ぼーっとする・・・」
 改造手術とも言える治療を受けた剛君の口からあきらめの声が漏れます。
「さて、今日はこれで終りだけど、ねえ由美子さん剛君の服どうする?この真冬に毛布一枚であの座敷牢で寝かせる訳にもいかないし」
「オーナー、ほら、私が女の子になりかかってる時に来ていた服がまだ残ってますわ。もう今じゃ体型が変わってちょっと着れなくなってますけど」
 あなたは驚いて、その美少女の顔を見つめました。
「お、お前・・・」
 そういうあなたにちょっとウィンクをすると、スカートを翻して少女はドアからさっと出て行きました。
「そうなの。あの娘も前は男の子だったわ。私が女の子に改造してあげたの。最もこんな乱暴なやり方じゃなかったけどね。時間も有ったし、3ヶ月間食事と学校の時間以外は高濃度の女性ホルモンで満たされた水槽に漬けただけだけど」
 女性オーナーは、もはや女体に変わり始め、ぐったりした剛君をベッドに固定しているベルトを外しながら答えました。そして上機嫌な様子で、あなたの入れられている座敷牢の横に歩み寄り、ちょっと妖しく微笑みます。
「待っててね、剛君の後はあなたよ。あなたも女の子にしてあ・げ・る。ふふふっ」

「剛が可愛そうじゃんかよ!元に戻してやれよ!」
 あなたの声を無視し、由美子と女性オーナーはもはや男の子とは言えなくなった剛君に、今しがた由美子が持ってきた服を着せ始めます。それはあなたの通っていた高校の女子の制服と下着の様です。
小さく萎縮した剛君の男性器を全く気にすることなく、それをフリル付きのピンクの可愛いショーツで隠し、いつのまにか桜色に変わった彼の女性化した乳首が、おそろいのピンクのブラで覆われていきます。ブラを付けられる時、ほんの少し剛君が抵抗したかに見えました。白くなった足は黒のストッキングで包まれ、白のブラウスで体をくるまれた時、剛君の姿はどことなしに女の子らしく見えました。
(剛が、剛でなくなる・・・)
 眠っているのか気を失っているのか、身動き一つしない彼の足にはとうとう赤のチェックのスカートが通され、紺のブレザーに身をくるまれ、そして最後に髪の毛を女の子らしく整えられてしまいました。もし剛君に妹がいればこんな女の子だったでしょう。

「さあ、今日はこれでおしまい」
 女性オーナーと由美子に肩を支えられ、気を失ったままで剛君があなたの閉じ込められている座敷牢へ連れてこられました。
「逃げようなんて気は起こさない方がいいですわよ。もしここから逃げても、ちゃんとセンサーが動いてますから。その時はこうですからね」
 今まさにすきをついて、その美少女からスイッチを取上げようとしたその時、目から火花が出た感覚に襲われ、うめき声と共に座敷牢の奥に倒れてしまいます。そしてそのショックで剛君も低い悲鳴を上げ、目を覚ましました。
「お、俺どうしたんだ・・・」
 そう言った剛君は、程なく自分に着せられた自分の高校の女子制服に気が付きました。
「な、なんだよこれ!俺どうなっちまったんだ!?」
 ブレザーやスカート、あちこちを触りながら剛君が訳のわからない事を口走ります。
「じゃ、ごゆっくり。剛君疲れているみたいだから、ちゃんと看病してあげてね。それからこの部屋は夜は冷えるから、ちゃんと毛布かけて寝るのよ」
 二人の美少女はそういって部屋から消えていきました。
「おれ、どうなったんだ?、なんかベッドに寝かされて、胸や、あそこに変な事・・・」
「剛、言いにくいんだけど、お前、卵巣と子宮まで埋め込まれてた・・・」
「嘘だろ!!」
 剛君は立ち上がり、スカートをたくしあげます。
「な、何だよこのパンツ!」
  黒のストッキングと一緒に、由美子に履かされたショーツを下げると、へその下に縦に伸びる真っ赤な傷跡が有りました。不思議な事にもう殆ど塞がっています。
「お、俺・・・嫌だ!」
 剛君はそのままスカートを外してストッキングごとショーツを脱ぎ去り、ブレザーを脱ぎ、乱暴にブラウスに手をかけます。その時、
「痛っ」
  そのまま両手を胸に当てる剛君にあなたがかけよりました。
「乳首が、ブラに当たって、痛・・・」
  そのままうずくまっている剛君に、冷えてきた部屋の空気が襲ってきました。
「さ、寒い・・・」
 暫くうずくまっていた剛君は、あきらめたのか、元通りブラウスのボタンを止め、なれない手付きでピンクのショーツとストッキングを履き、目に涙を浮かべながらブレザーに手を通しました。
「なあ、剛。今日はおとなしくしよう。明日隙を見てあいつからスイッチ取り上げてさ、なんだかんだ言ってもあいつら女だし、油断させてさ!」
  深くため息をついた後、床にぺたんと座った剛君は軽くうなずきました。

4

「うわあっ!」
 座敷牢で毛布に包まって寝ているあなたの耳に、同じ様にして女子制服姿で寝ている剛君のうめき声がまたしても聞こえて来ます。もうこれで何回目でしょうか?
「やめろ!やめろ!」
 あなたはそうして毛布を蹴飛ばす剛君のスカートを調え、元通り厚手の毛布をかけてあげます。部屋の時計は夜の1時。もう何回もおこされたあなたはもうふらふらでした。
「剛、明日脱出の為に、ちゃんと寝とけよ・・・」
 そう剛君の耳元でささやくと、剛君は軽くうなずいて再び寝息をたて始めました。あなたも再び起されない事を祈りつつ、毛布にくるまります。

「・・・うーん・・・」
 あれからどれだけ寝たでしょうか、ふとあなたが気が付くと、再び剛君が毛布にくるまったまま何かうめき声を上げています。
「おい、剛」
 また暴れるのかと思い、剛君の側に行くあなた。ところが・・・
「う、うん・・・」
 剛君のその声はさっきのうめき声とは違い、低い女声みたいになっていて、しかもその声の調子は寝起き直後の女の子の雰囲気が有りました。
「お、おい、大丈夫か」
「あ、あ・・・ん」
 あなたにより起され、その顔を向けた剛君ですが、あなたははっとしてその手を止めました。あの2人によって白く脱色されたその顔の頬には少女らしいピンクがかかり、頬もどことなしにふっくらしていて、その顔にはらはらと綺麗な黒髪がかかりました。あきらかにその髪もかなり伸びている様子。
「あ・・・俺・・・、あ・れ、声が・・・おかしい」
 すっと起き上がって喉に手を当てる剛君。
「俺、殆ど寝てないんだ。寝ようとすると、変な夢を、ああっ思い出したくない」
 といいながら、彼は肩まで伸びてしまった髪を振ります。
「なあ、剛、ここから出る方法だけどさ!」
 小声で耳元で囁くあなた。ところが・・・
「ね、俺可愛くなってる?」
 突然彼氏に甘える様な仕草であなたの声を見る剛君。
「お、お前何を言い出すんだよ」
「う、うふん・・・」
 両手をあなたの首にからめ、彼のふっくらした顔があなたの顔に近づいて行きます。それは男の唇を奪おうとする女の子の様でした。
「ごめん、俺どうかしちゃてる。気持ちは嫌なんだけど、か、体が・・・」
 彼の目にはうっすら涙が浮かんでいましたが、すっかり毛布を抜け出した彼の体はあなたを今にも押し倒そうとし始めます。女の子の制服ごしにあなたに当たる彼の体は、硬い筋肉の上にふわっとした脂肪がついている様子で、あなたの体にぴったりくっつき甘える仕草をしはじめました。
「だめだ、俺、どっからどこまで俺なのか、わかんない」
 そのままの姿勢であなたの唇を奪おうとする剛君。その体からは既に甘い処女の女の子の香りが漂い始めました。
「つ・・・剛・・・やめろ・・」
 剛君のすっかり変わった仕草にあなたは怯えて凍った様になります。でも剛君はあなたのその言葉に耳も貸さず、ウィンクしながら四つんばいになり、あなたにのしかかろうとします。入れ替えられた女の子の血と、移植された卵巣と子宮が、剛君をたった一晩でこんな姿に変えてしまったのでした。とその時、
「うわあああっ」
 あなたの唇を奪おうとしていた剛君は、いきなり膝で立ち頭を抱え、伸びた髪を振り回してあなたから離れようとします。
「お、俺何やってんだよ!なんでこんな事になるんだよ!!」
 ハスキーな女声になったけど、剛君の口調でそう言うと、剛君はあなたから逃れる様に横に倒れこみます。あなたはどうしたら良いかわからず、呆然として座りこんだまま剛君を眺めていました。やがて剛君の口からはすすり泣く様な声が聞こえて来ます。

「だめだ、俺何かに操られているみたい。もう元に戻れないって感じがする。胸とか、おなかとか、体中いろんな所がむずむずして・・・嫌だ、お、俺・・・」
 ぺたんと座った剛君は髪を振り分けあなたの方をいきなり向きました。
「あ、だめだ!嫌だと言ってるだろ!・・・・あ、俺・・・ねえ、お友達だったでしょ?ねえ、最後に抱いてよ。俺、すごく女として抱かれたいって気にさ・・・」
 別の人格が入り込み始めた様な剛君のその言葉に、座ったまま恐怖で唾を飲み込み、あとずさりするあなた。
「ばか、俺何を言ってる・・・ねえ、抱いてよぉ」
 そう言うと剛君は立ち上がり、悲鳴をあげるあなたに襲い掛かり、床に押し倒してしまいました。柔らかい体の強い力、半分女の子になった剛君は、たちまちあなたの唇を奪い、胸と下半身をあなたに押し付け始めました。
「剛、やめろっ」
 でも剛君はやめませんでした。ブラウスのボタンをみずから引きちぎって、ブラをたくし上げ、胸をあなたの顔にこすりつけます。
「剛・・・」
 少し前、小さかった剛君の乳首は、昨日の改造手術で桜色に変色し大きくなり、そして今見ると、中学生の女の子の様につんと尖ったふくらみ始めたそれになっていました。
「・・ごめん、許してくれ。もう、体がいう事きかないんだ・・・ねえ・・・愛してよ・・・」
 一瞬だけ元に戻ったものの、再びあなたを襲いはじめる剛君。だんだん消えていく剛君が可愛そうになり、とうとうあなたは女性化していく剛君をしっかり抱きしめました。
「剛、いつまでも友達だよ」
 あなたの目に大粒の涙が溜まり始めました。柔らかくなった剛君のすべすべになった体を暫く抱きしめていると、彼は女っぽく体をくねらせ、あなたの制服のスラックスとブリーフを脱がせ、あなたの男性自身をもてあそび始めます。いつのまにかねっとりした口であなたのそれを遊ぶ彼。
(もう、剛はいなくなったのか?)
 あなたはそんな彼を哀れみの目で見つめます。
 とうとう彼は自分のパンツとストッキングを膝まで下ろし、あなたのそれを中に入れようとし始めます。だけど、幸いだったのかどうかわかりませんが、彼のそこはまだ変化はしていませんでした。
「ねえ、入れてよ!おねがーい!」
「どうして!どうしてはいんないの!!」
 だんだん悲鳴に近い言葉を発するうちに、
「ぎゃああああっ!」
 一声そう叫んだ剛君はあなたの上に倒れ掛かり、気絶してしまいます。
「つ・・・剛・・・なのか?」
 彼の体を抱き、そう問いかけると、うっすら目を覚ました剛君が、僕にふっと微笑みます。
「ごめ・・・ん、今のが、止めさせるのが、精一杯・・・」
 あなたは剛君の体を抱きしめ、乱れた剛君の女子制服を元通りにし、二人で毛布にくるまりました。時計を見ると、まだ朝の5時でした。
「まだ朝早いよ・・・、寝なおそう。脱出の事は明日考えよう・・・」
 あなたはそういうと寝不足と疲れですぐに深い眠りに入っていきました。

5

「お二人ともお目覚めかしら?今朝は結構お楽しみだった様ですわね」
 胸元に黒薔薇のコサージュの付いた黒いワンピース姿の女性オーナーは、今度はあなた達と会った時の水色のメイド服の由美子を連れて部屋に入ってきます。
「お前たち!じってみてたのか!!」
 あなたはたまらず女性オーナーに向かって悪態をつきます。
「そうですわ。由美子の時と同じだわって、ちょっと楽しかったわよ。この子も変身途中ですごくみだらになったものね。ほほほっ」
 そう言われて傍らの美少女は少し顔を赤くしました。
「どういうこと?お前も、前は男だったの!?」
「ええ、そうよ。でも今はほらっ」
 毛布から出てきた剛君の言葉に由美子は笑顔で微笑み、くるっと体を回転させると、スカートが翻り、パープルのショーツがちらちらと見えました。
「3ヶ月女性ホルモンの液体に漬けられたらしいよ」
 ため息まじりにあなたは剛君に話します。
「さあ、剛様、今日で終りよ。早く出てらっしゃい。そうでないとまたあのスイッチを押さなきゃいけなく・・・」
「わかった、行くよ」
「お、おい、剛!!」
 由美子の声に、あなたの制止も聞かず、半分女の子になった剛君は座敷牢の出口に歩み寄ります。
「もう無理だよ。俺もう絶対戻れないって気がするんだ。それならこんな中途半端な心と体でいるよりさ・・・」
「剛・・・」
 あなたは体中の気が抜けた様な気分になり、剛君が出て行くのをただ見守るばかりでした。
「どうせ女に改造されるならさ、可愛くしてよ!絶対だよっ!」
 二人の女性はそういって歩み寄る剛君の手を取り、昨日寝かされていたベッドに連れて行きました。

 再び裸にされた剛君の改造が始まりました。両手両足になにやらケーブルみたいな物を付けられた彼が時折苦しそうな声を上げています。昨日の皮膚改造手術でまっ白になった体から今度は筋肉が溶ける様に消えはじめました。
 腕の筋肉は次第になくなり、結構たくましかった腹筋もだんだん消え、ふっくらした肉に変わり、太ももとすねからも男らしさが消え、一度幼い少年の様にすらっと変化した彼の足は、だんだん丸みをおびた柔らかな少女の足へと変わっていきます。
 やがてそのケーブルを外された両手の指は白魚の様に細くなり、両足も可愛い女の子の素足に変わりました。
 次に剛君は何かの装置を口に含ませられると、何かの装置のうなる音と共に、悲鳴を上げ始めました。その声はだんだんハスキーな女の子の悲鳴から、だんだん甲高い女の悲鳴に変わっていきます。
 それが終わると、今度は全身いたる所に点滴の様な物を取り付け、中の薬が全て剛君に吸い込まれ、点滴の針が外されました。
「さあ、剛君。覚悟してね」
 女性オーナーは声と同時に何かのスイッチを入れます。既にもう手と足の拘束具がわりのベルトは不要とみたのか、外されていました。
「あっあーーーー・・・・」
 女声になった剛君の口からは、今度は悲鳴ではなく、女の子の悶える様な声が漏れ始めました。激しく腰を動かしていた彼ですが、時間がたつにつれ、男の子の荒々しい悶え方から、次第に曲線的な動きになっていきます。
「あっあーん、うーん・・・」
 体をゆっくりくねらせながら胸と下腹部に手をあてて声をあげて悶えるその様子は、前にビデオで見た少女のオナニーシーンに似ていました。
 あなたに言葉も無くじっと見つめられている剛君の胸は、指でもてあそばれているうちに次第に大きく膨らんでいきました。最初はふくらみはじめのつんとした中学1年生位の尖った胸でしたが、その尖りがだんだん大きくなり、次第に丸くおわん形に変わり、乳首も可愛いボタン型に変わりました。そしてとうとう健康的なグラビアアイドル並の大きさの愛くるしい乳房に変わっていきます。
 次に彼、いやもう彼女かもしれません。剛君の太ももにだんだん柔らかそうな肉が付き始め、それとともにヒップがだんだん横に大きく広がっていきます。
「あん・・・あん・・・」
 剛君はだんだん笑顔になり、女の子になるのが嬉しくてたまらないって感じが顔に表れていきます。両膝を揃え、大きく膨らんだ胸を隠すように手を当て、ゆっくり回す様に腰を動かしているうちに、彼のヒップは大きくボリュームの有る女の子のそれに成長していきました。
 1時間位たったころ女性オーナーはスイッチを切り、汗びっしょりになった剛君は、もう誰が見ても元男の子だったなんて思えない体になっていました。たった1箇所を除いては・・・。

「じゃ最後はあたしが仕上げるわ」
  女性オーナーはそう言うと、黒のワンピースを脱ぎ始めます。友達の剛君を女の子に改造した憎い女のはずなのに、下着だけになった彼女の見事なプロポーションに、あなたはちょっと息をのみました。
「剛君、いや、もう別の名前にしなきゃいけないかもねぇ」
 彼女はそういうと、両手で髪をすっと整え、すっと格好良く真っ赤なブラを外して、そして揃いの赤のショーツに手をかけました。小さく縮こまったそれをポンと傍らの椅子に投げ、見事な裸の女体をあなたにちょっと見せびらかす仕草をした後、剛君のベッドの横に立ちました。
「剛君、おつかれさま。今あなたに女の性をわけてあげるわ。さあ、楽しみましょう」
 その瞬間、座敷牢のあなたは自分の目を疑いました。綺麗なその女性オーナーの股間から男性器がにゅっと現れたのです。
「あ、あんた、何者なんだよ!?」
 驚いたあなたは信じられないという口調で彼女に言い放ちました。
「え、私?うーんそうだな、もう人間じゃないって事は分かるわ。由美子さんは?」
「え、私ですか?そうですわね、可愛い女の妖魔に変身中の元男の子、かな?」
  2人はそういって笑い始めます。

 まだ荒い息をしている剛君に馬乗りになる様にして、女性オーナーが剛君を襲い始めました。最初に彼の唇に熱いキスをし、彼の顔のあちこちにキスをした後、その唇は剛君のおおきなバストに移っていきます。
「あ、ああん・・・」
  やっと気が付いたのか、剛君が再び声を上げ始めました。その可愛い少女の見事なバストそのものを女性オーナーが口に含み、両手で剛君の下半身をまさぐり始めます。
「あ、あーん・・・」
 その光景は、あなたが以前みた少女レズのビデオの光景そっくりでした。柔らかいお互いの肉体を褒めあうかの様に、触ったり、口でキスしたり、舐めあったり。
「お・・・お姉さま、お姉さま」
  とうとう剛君はそう言うと、その女の股間から生えた男性器を口に含みはじめました。それを見たあなたはじっと目を伏せ、座敷牢の床に座り込みました。とその時、
「剛君、さあ本当の女に生まれ変わるのよ」
  オーナーはそう言うと、自分の股間の男性器を、もはや小指程になった剛君の男性器の下につきたてました。
「やああああん!」
 それはずぶずぶと剛君の体にめり込み、痛がる声にかまわずそれは根元まで差し込まれていきました。そのまま女性オーナーはゆっくり腰を動かし、剛君を犯しはじめます。
「痛いっ痛いっ」
 最初は痛がっていた剛君でしたが、次第にその声はさっきの気持ち良さそうな声に変わっていきました。
「あっ・・・あっ・・・あ・・・」
 剛君の口からは、エッチしている女の子と同じ声が出始め、その目は気持ちよさそうにとろんとし始めます。
「剛君、いや、もうあなたは、女よ、女の子よ。そうね、今日からあなたは、由香里、そう由香里になるのよ」
 女性オーナーはそう言いながら、剛君を犯し続けました。
「さあ、あなたの名前は!」
「俺・・・あたしの・・・名前は、ゆ・・・、由香里。由香里です。お姉さま」
 剛君、いや、もはや由香里という名前になってしまった彼、いや彼女は再びかわいらしい悶え声を上げ始めました。やがてその声はかん高く、大きな声になっていきました。そして突然、
「きゃあああああっ!」
 由香里はそう叫ぶと気を失った様に動かなくなりました。女性オーナーはそれを見るとにっこりして、自分の男性自身を由香里から抜きます。するとそれはまたたく間に女性オーナーの女性自身の中に消えていきました。
「ふう、終わったわ。由美子さん、用意してあった服持ってきて」
「はい、わかりました」
 部屋から出て行く由美子、そして椅子にすわってちょっと疲れ気味の女性オーナー、そして再びベッドの上で横たわっている、少し前まで剛という名前だった女の子の由香里。少し開かれた彼女の股間には、もう男性器は無く、ピンク色の女性器があなたの目にはっきり見えました。

「由香里さん、こっちへ来なさい」
 元通りに服を着込んだオーナーに呼ばれ、由美子と同じ水色のメイド服を来た由香里が、座敷牢の格子ごしにあなたの前に来ました。只、由香里の頭には何か奇妙なヘルメットの様な物が付けられています。
「剛君が完全に由香里ちゃんになる前の最後のご対面よ」
 いつのまにかリスの様にくるっとなった目、細く整えられた眉、可愛いく変化した鼻、そしてあひる型になった唇、ふっくらした頬。見事に美少女に変身した剛君、いや由香里は恥ずかしそうに顔を上げます。
「ばいばい・・・」
 由香里は目に一杯涙を溜め、あなたに最後の挨拶をしました。
「剛、僕もあとから行くよ」
 ちいさな声であなたが答えたその瞬間、
「きゃああああああっ!」
 由香里の頭のヘルメットから何か変な音がしたかと思うと、彼女はヘルメットごと頭をかかえ、床に転びました。
「やん、やん!やああああん!!」
 足をばたつかせ、乱れた水色のウェイトレス風のメイド服からパンツが見えるのも気にせず、彼女は叫び続けました。数分後、静かになった由香里を女性オーナーと由美子がだき抱えて、格子越しにあなたの前に立たせました。
「由香里さん。目を開けなさい」
「う・・・・ん」
 ちょっとうめいた後、由香里は顔を上げ、優しくなった目でじっとあなたを見つめました。
「気分はどう?」
「え、あ、あの、あたしは?ここは・・・?」
 記憶を失った少女の様に、由香里は部屋のあちこちを見渡した後、あなたと目が合いました。  
「この人知ってる?」
 オーナーの女性は意地悪く由香里に問いかけます。
「ううん、知らない。あたし知らないわ。でも、不思議どこかでお会いした様な・・・。あの、私は誰なんですか、ここはどこなんですか?」
 少女らしく首をかしげる由香里。
「由香里さん、じゃあ部屋で少しお休みになって。ほら、あなたは出来たてほやほやの女の子だから、いろいろ教えてあげないといけないし」
 由美子と由香里はスカートを翻して部屋を出て行きました。
「さあ、次はあなたよ。心の準備は出来て?」
 グラスに注がれた琥珀色の酒の様な物に口を付け、女性オーナーはあなたに言いました。

 あなたは無抵抗のまま自らベッドに横たわります。どうしても剛君の事が忘れられなかったからです。変身の最初の皮膚改造の薬をあなたに塗っているのは元剛君だった由香里でした。
 あなたの悲鳴と共に皮膚は女の子の皮膚にされ、乳首を女の子にされて、精巣を破壊する薬を与えられた後、卵巣と子宮移植の為、麻酔をかけられます。
「僕、どんな女の子にされるんだろ・・・」
 あなたはふと目を閉じ、体にレーザーメスが入っていくのを感じていました。あなたのお腹の中に何か生暖かいものが埋め込まれ、手術は終わります。
 そしてとうとうあなたの血液が抜かれ、代わりに女の血が流れ込んでいきます。しだいにぼーっとしていく頭と記憶。
「この人も女の子になるんですね。わあ、どんな女の子に変身するんだろ・・・」
 ベッドの横で喋る由香里の声がだんだん消えていきます。

「今日は一人転校生を紹介します。じゃあご挨拶」
「はい。葉山絵里といいます。宜しくお願い致します」
 あなたはそういって母校の元のクラスメートの前でぺこっと頭を下げました。由香里は隣町の高校に転校という形で入学しました。
 1ヶ月前2人の男子高校生が神隠しにあった事も、なにやらそろそろ忘れられ始めている様子です。あなたは挨拶した後、ぐるっと男子高校生の顔を見渡しました。そう、あなたに与えられた使命は、可愛い男の子を誘惑し、女の子に改造する為あの屋敷へ誘う事でした。お屋敷のオーナーと由美子という美少女のお仲間として。

 

おわり

初出2004年8月13日夢幻館vol.3 (愛に死す様発行)

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