坂崎磐音道場(小梅村)

佐々木玲圓の死後、神田三崎町にあった道場は断絶となったため、磐音が新たに今津屋の寮があった場所に創設した。

【道場主】

坂崎 磐音 … 佐々木道場の後継。先代を彷彿とさせる剣術の使い手で、師範も遠く及ばない。
         剣を構えた時の姿勢が縁側で日向ぼっこをして居眠りしている年寄り猫のようなので、「居眠り剣法」と呼ばれている。

【坂崎家】

坂崎おこん … 磐音の妻で、金兵衛の娘、速水左近の養女。佐々木道場断絶後、夫と共に江戸を離れて尾張から紀伊へ逃避行を行い、姨捨
         の郷で空也を産んだ後、江戸へ帰着し、佐々木道場再建後は奥を取り仕切る。

坂崎 空也 … 磐音とおこんの嫡子。紀伊国の隠れ里である姨捨の郷で誕生した。名は空海から一字を取って名づけた。
         腰の小さ刀は雑賀衆男衆頭雑賀草蔵が別れの折に贈ってくれたもので、刃渡り九寸五分(約二十九センチ)。

坂崎 睦月 … 磐音とおこんの娘で、空也の妹。佐々木道場再建後の天明三年正月に誕生した。名は『むつび月』を縮めて睦月と名づけた。

【師範】

依田鐘四郎 … 先代から師範を務め、依田家に婿養子に入り、西の丸近習衆を務めていたが家基の死後、御役御免となった。寄合となった
          後、佐々木道場の再建に尽力し、師範として磐音の右腕として時には影武者もこなす重要な役割を行う。

【剣友】

速水 左近 … 先代の剣友。家基の死後、田沼の陰謀により、甲府勤番支配となっていたが三年余を経て磐音の意向を汲んだ御三家の尽
          力で奏者番に復帰した。初出仕の際、同じ奏者番の田沼意知を牽制する。

【客分】

小田 平助 … 富田天信正流槍折れの使い手だが、剣術もこなす。先代の時に客分として門番となり、断絶決定から明け渡しまで留守居役
          を務めた後、小梅村に移る。田沼一派の関係者を尾行するため、江戸を離れた後、紀伊での戦いにも参戦し貢献する。佐々木
          道場再建後は指導者の一人として道場を支える。

【門弟】

糸居三五郎 … 先代からの高弟。

根本 大伍 … 先代からの高弟。

田村新兵衛 … 先代からの高弟。

松平 辰平 … 先代からの門弟。御納戸衆松平喜内の次子で、住み込み門弟をしている。佐々木道場が断絶した際は福岡藩道場で武者修
          行に明け暮れていたが磐音の窮地にいてもたってもいられず、土佐にいた利次郎と合流後に紀伊に駆けつけて田沼一派の戦
          いに身を投じる。江戸帰着後は佐々木道場再建に尽力する。

重富利次郎 … 先代からの門弟。土佐藩近習目付重富百太郎の次子で、住み込み門弟をしている。佐々木道場が断絶した際は土佐にいた
          が、父の許しを得て合流した辰平と紀伊に駆けつけて田沼一派の戦いに身を投じる。江戸帰着後は佐々木道場再建に尽力す
          る。

霧    子 … 先代からの門弟。元雑賀衆に属していた忍び。玲圓、磐音の二人を師とし、忍術は弥助を師とする。佐々木道場断絶後、

田丸 輝信 … 先代からの門弟。住み込み門弟をしている。

神原辰之助 … 先代からの門弟。旗本神原家の嫡子だが、住み込み門弟をしている。

坂崎遼次郎 … 先代からの門弟。磐音の実家である坂崎家の養子で、豊前関前藩江戸勤番を務める。

速水杢之助 … 先代からの門弟。速水左近の嫡子。

速水 右近 … 先代からの門弟。速水左近の次子。父を救出する際に霧子から借りた短弓を使いこなした。

曽我慶一郎 … 先代からの門弟。

宮川藤四郎 … 先代からの門弟。

設楽小太郎 … 先代からの門弟。旗本設楽家当主。

磯村 海蔵 … 先代からの門弟。豊前関前藩江戸勤番を務める。

籐子 慈助 … 先代からの門弟。豊前関前藩江戸勤番を務める。

馬飼十三郎 … 尾張藩道場師範馬飼籐八郎の弟で、江戸勤番を務める。尾張藩両家年寄竹腰忠親の推挙で門弟となる。

京極 恭二 … 尾張藩江戸勤番で、側物頭を務める。尾張藩両家年寄竹腰忠親の推挙で門弟となる。

南木豊次郎 … 尾張藩江戸勤番で、使番を務める。尾張藩両家年寄竹腰忠親の推挙で門弟となる。

鳴海 繋智 … 尾張藩江戸勤番で、大番組を務める。尾張藩両家年寄竹腰忠親の推挙で門弟となる。

西尾種次郎 … 尾張藩江戸勤番で、使番を務める。尾張藩両家年寄竹腰忠親の推挙で門弟となる。

【坂崎家に仕える者】

季    助 … 先代から門番を務める。

竹村 早苗 … 先代から女中として奉公している。竹村武左衛門の長女。佐々木道場断絶後、一時宮戸川に奉公していたが再建後は再び女
          中としておこんを支える。

松浦 弥助 … 元御庭番衆吹上組に属する忍びだったが、磐音と共に行動するにつれてその人柄に惚れて主従関係を結ぶ。磐音の手足とな
          る一方で霧子の師匠として密偵や繋ぎなどを難なくこなす。警戒が最も強いと言われる江戸城中にも簡単に侵入する能力を秘
          め、磐音の父が拉致された際はその救出に当たった。


戻る


.