尾張藩

御三家筆頭で、尾張・美濃の二国六十二万石を領する大藩。安永八年(一七七九)の夏に江戸を離れた磐音たちが逗留した。

【藩主】

徳川 宗睦 … 尾張藩九代藩主。磐音の処遇を巡って重臣たちと協議した後、名古屋城中で磐音に会う。その際、
          家基への期待と田沼への反感を話し、磐音との信頼の印にと自らの小さ刀と磐音が家基から拝領した小さ刀を交換した。
          後に江戸城中で御三家で田沼に詰め寄り、甲府へ山流しとなった速水の召還を促した。

【附家老】

竹腰 忠親 … 御付家老で今尾藩主。両家年寄と呼ばれる。「今尾の虎」の異名を持った剣豪。尾州茶屋家を通じて磐音と知り合った。
          後に佐々木道場を復興した磐音に家臣五人を門弟として預けた。愛刀は五畿内山城来國光二尺二寸六分。

成瀬隼人正 … 御付家老で犬山藩主。磐音の処遇を巡って藩主に呼び寄せられ、城中での藩主と磐音の面会に立ち会った。

【家老】

山脇兵庫之輔 … 江戸家老。田沼の用人が尾張藩邸を訪れて磐音を匿う理由を詰問したことを書状で尾張に報せる。

【藩士】

石河季三次 … 藩道場主。名古屋城内に拝領屋敷があり、柳生新陰流尾張派の宗家を務める。

馬飼籐八郎 … 御番衆組頭で、藩道場では師範を務める。一番最初に磐音と立ち会い、磐音の藩道場逗留中、一番多く立ち会った。

相馬聖次郎 … 佐々木玲圓の門弟で、江戸勤番。代々、江戸詰めで尾張に帰郷したことはない。

鵜飼 左膳 … 御番衆組頭。次男の相右衛門の所業に頭を悩ませ、茶屋家の配慮に頭を下げた。

渡辺三左衛門 … 藩用人。柳生新陰流を第一の剣と信じている頑固者。磐音の正体発覚後、尊敬の念で接した。

今里助左衛門 … 書院番頭。五百石以上の家系。

今里 右近 … 大目付見習。十一の歳から藩道場に通う若手の家臣。石河の期待も大きい。

栃尾 七蔵 … 材木奉行支配下・材木方目付。材木会所総領の美濃屋と組んで美濃の材木を大坂に横流しして利益を得ていた。

高橋伝五郎 … 材木奉行支配下の隠密。美濃の材木横流しを調べている最中に行方不明となるも岩谷暗闇寺から救出された。

内浦 新八 … 小目付。材木奉行の密偵として、美濃の材木横流しを調べていた。磐音と共に岩谷暗闇寺に向かう。

弥勒覚兵衛 … 材木奉行の密偵として、美濃の材木横流しを調べている最中に行方不明となるも岩谷暗闇寺から救出された。

麻生角左衛門 … 藩道場師範。磐音と立ち会う馬飼の成長に気づく。

山村総兵衛 … 材木奉行。美濃の材木横流しを配下に命じて内偵させていた。解決後、竹腰同席の許、磐音に会う。

塩屋正五郎 … 町奉行。美濃の材木横流し事件解決後、竹腰同席の許、磐音に会う。

川端 達蔵 … 目付方。美濃の材木横流し事件解決後、竹腰同席の許、磐音に会う。

余目龍一郎 … 藩道場門弟。十六より藩道場に通う若手の門弟。

馬飼十三郎 … 籐八郎の弟で、江戸勤番を務める。竹腰の推挙で坂崎道場の門弟となる。

京極 恭二 … 江戸勤番で、側物頭を務める。竹腰の推挙で坂崎道場の門弟となる。

南木豊次郎 … 江戸勤番で、使番を務める。竹腰の推挙で坂崎道場の門弟となる。

鳴海 繋智 … 江戸勤番で、大番組を務める。竹腰の推挙で坂崎道場の門弟となる。

西尾種次郎 … 江戸勤番で、使番を務める。竹腰の推挙で坂崎道場の門弟となる。


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