機織り恋地蔵

伝記によれば、昔々、大和の国の宇陀郡のある村は、毎年毎年不作で村人たちは、食べるものもなく貧困な生活をあえなしていた。そんな中、村民の弥助は山にある名も無きお地蔵さんに手をあわせるのであった。「どうか 村の衆、みんな幸せに暮らせますように」と来る日も来る日も祈るのであった。

そんなある日、お地蔵さんの前で泣いている娘(お絹)がいた。
弥助が「どうしたんだい。何を泣いているんだい」そう聞くと
お絹は「おっ父もおっ母も死んじまって行くところがないんです」弥助は、それならば家にとお絹を連れて行った。何日も何日も月日が経ち、お絹は弥助のやさしさに惚れ、弥助はお絹の働き者に惚れやがて夫婦として結ばれたのであった。

ある日、お絹は弥助に着物を贈るのであった。それはそれは、とてもきれいな着物であった。こんな貧乏な村でどうしたんだい?と聞くとお絹は死んだ母に教えてもらった機織りで作ったと答えた。弥助はひらめいた、これを里に持っていけばこの村が救えると考えるのであった。早速、弥助は村の女衆を集め機織りの技術を広めた。やがて村は裕福な暮らしになったそうです。弥助は、これはあのお地蔵さんが、いい縁をくださったお陰だと信仰し村人からも大切にされたそうです。

今まで、「機織り地蔵」の名前で親しまれていましたが、良縁のご利益があるということで、「機織り恋地蔵」と改名させていただきました。良縁とは、男女の出会いもそうですが、良い友達、良い趣味、その他いろいろな出会いこそ良縁=恋だと思います。