シンプルなCPUを作ってみよう
(ver. 2 2007.5.9)
井澤 裕司
このコンテンツでは、ハードウェア記述言語のVHDLを用いて,「 シンプルなCPU 」 を設計する手法
について解説します.
一般に,CPUの設計には、算術演算回路(ALU)等の論理回路から,コンピュータアーキテクチャ
の命令セット,アセンブリ言語まで幅広い知識が要求されるため,初心者には「 ハードルの高い 」
ものとなってしまいます.
一方,ソフトウェアの「 C言語 」は,情報系の基礎科目となっており,工学を志すほとんど
すべての学生が使いこなすことが可能です.
そこで,本コンテンツでは,極めて単純な命令セットをもつCPUの動作を,ソフトウェア上で
シミュレーションする「 CPUシミュレータ 」を,C言語を用いて制作します.
次に,この「 CPUシミュレータ 」を,ハードウェア記述言語[ VHDL ]に拡張します.
VHDLは、トップダウンの回路設計に適したハードウェア記述言語であり,上記「 CPUシミュレータ 」は
比較的容易にVHDLに拡張できると思います.
このコンテンツは,以下の6章から構成されています.
- 第1章(その1) 「CPUシミュレータの制作」
- 第2章(その2) 「VHDLを用いた全体設計」
- 第3章(その3) 「VHDLを用いたコンポーネントの設計」
- 第4章(その4) 「より実用的なCPUを目指して」
- 第5章(その5) 「パイプライン処理の導入」
- 第6章(その6) 「C言語によるクロスアセンブラの制作」
オリジナルCPUの設計を通して,個性的で愛着が沸くようなCPUが数多く生まれることを期待しています。
また,このコンテンツを活用し,CPUやVHDLの理解が深まり,組み込みシステムに関連する研究課題へと
発展することを願っています.
誤りや問題点等がありましたら,井澤 (yizawa.cs@gmail.com) までご連絡いただければ幸いです.