岩坂士京 LIVE 2007 Feb.
at Bogaloo on 2007.2.3
前回から1年以上経過してのLIVE、しかも そのときは他ミュージシャンとのセッションでしたから、 私が行った単独LIVEとしては実に2000年以来! CDリリースも2000年から途絶え、LIVEも滅多にやらなくなりましたが、 会場は岩坂さんの生歌を聴こうと大勢の観客が集まり、客席に座りきれない程でした。 私はいちばん後ろの椅子に着席。
時刻どおりに客席が暗くなったら、岩坂さんとバックバンドの方々がステージに登場。 1曲目はデビュー曲(11年も前の曲なんですよね)『この空にKissしたい』でした。 その後は2ndアルバム『てのひらの果実』から『さよならは言わないで』と 『Melody Fair』を披露。『さよならは言わないで』はLIVEで聴くのは初めて? と思ったものの、調べたら前々回来たときに披露されてますね。
最初のMCでは岩坂さんの学生時代の話。
「公式ページのshikyoh.netってのがあってそこで日々思ったことを公開してるんですが、
書いてないことがあったなと。そこで僕の青春時代の話なんかをここでお話します。」
の後にこう続けました。
「中学3年、周りは受験勉強しているときに、僕はそういう気に全然ならなかったんですよね。
で、机の中からギターのカタログを覗きながら『俺がこのギターを持ったらどんなにかっこいいだろう』
とか思っていました(観客笑)。そのギターというのが・・・これ言うとみんな『えっ?』って
思うかもしれないけど、フライングVっていうやつ。」
これには私も意外でした。岩坂士京の作品として世に出た曲からは全然連想できないモデルのギターで。
次からは浅倉一男さんに提供した曲『dai-jo-bu』。
「最近ニュースを見てもイヤな事件ばかりが作って、そんなときに作った曲です。」
と仰ってました。この日のLIVEは2部構成になっていて、昼に開演した1部には浅倉さんとステージで競演したとのこと。
そして曲の後のMCでは高校時代のお話も。
「高校は私立の男子校で、比較的自由な校風だったのね。ロックをやってた僕は
髪を伸ばしてたんですよ。・・・え?何?」
ここで空気を読めない観客がMCを中断させてました。何やら、岩坂さんのシャツを出せと言ってた模様。
「さっきからずっと手をこうして(下ろせというジェスチャー)何かと思ったら。
ところが夏休みが終わって2学期が始まると新しく校長が来て、
先生たちが息を吹き返して、朝校門のところでチェックしてる訳ですよ。
男物の櫛を持って『岩坂、髪切れ』と。そしたら
自分よりもっと長いやつ(リーゼント)が素通りしていくんですね。
それはちょっと待ってと。で、先生に聞いたら、それはドライヤーだと・・・。
そこで考えました。帰って床屋に行って僕もリーゼントにしてもらいました。
『岩坂、何だその頭は』『ドライヤーです』『そうか』とそこはセーフだったんですが、
クラスメイトの視線が『お前もこっち側に来たか』的だったのでそれはちょっとイヤでした。
そんなことが半年続きましたね。」
岩坂さんが昔リーゼントだったとは・・・人は見かけに因らないものです。
しかし岩坂さんのリーゼントって全然想像できませんね。
こうですか?それともこうですか?わかりません!
次の曲も浅倉さんへの提供曲。岩坂士京として作った曲の中で最もテンポの速い
『届けたい』を披露してくれました。
「因みに仮タイトルは『selfish』(自己中心的な、わがままな)っていうんですが、意味わかります?・・・魚じゃないって!」
ここで一旦バックバンドの方々は退場。次は男の未練がましい部分を歌にしたというアコースティックナンバー
『ひとりじゃない』を披露。『もしも翼があったなら』もそうですが、恋愛に関してはなかなか
吹っ切れない部分ってのがあり、岩坂さんの歌詞はそこを上手く突いてきます。
同性だからこそすごく共感できる歌詞でした。
アコースティックコーナーはまだ続きました。
「今2月、でこれから3月、そうすると春ですね。でもまだ寒いじゃないですか。
余談ですけど九州がハワイみたいに暖かいって思ってる人いますけど、普通に寒いです。
日本の大都市で日本海に面してるのって福岡だけですからね。
福岡に帰省するって言うと『いいですね暖かくて』って10人中9人は言います。」
すみません。私もそう思ってました。福岡に行って「何だよ九州、全然寒いよ!」って。
続いては公式ページで募集した企画の話。
「3月になったからといって何がある訳じゃないですが
(筆者注:岩坂さんの誕生日があるじゃないですか!嬉しくないだろうけど)
卒業やら進学やら・・・そういうのの夢について公式ページで募集して
それを元に曲を作ってきました。」
「夢を捨てるということと大人になるということはイコールなのか?
それはある意味正解かもしれないけど、そうは思いたくない、とずっと考えてきました。
そこで思い描いたのが枯れ葉だったんですね。
枯れ葉って儚い寂しいイメージがあるじゃないですか。
でも落ちて終わりではないし。集めれば芋だった焼けるし!」
と語り、この日のために用意された新曲『夢のかけら』を披露。
岩坂さんはこれをCD等の媒体として我々の元に届けることが夢だと語っておられましたが、
CD-Rに焼いて会場で配布するとかじゃダメなんでしょうか。
『夢のかけら』披露後は再びバックバンドの方々がステージに登場し、メンバー紹介へ。
過去に歌詞を間違える、歌い出しのタイミングを間違える等があった岩坂さん。
今日は何をやらかしてくれるのだろうと不安期待していましたら、
キーボーディストの前田さんの名前を間違えてくれました。
絶対何かあるだろうなとは思ってましたが、こういうのが来るとは・・・。
まあ、それも含めてLIVEですよね。因みに今回も譜面台に歌詞が用意されていましたが、
視線を常に斜め下に送っていた岩坂さんは歌詞の間違いゼロでした。
そして最新シングル(と言っても2000年リリース)『俺は何も変わらない』。
をパワフルなサウンドで披露してくれました。
次の瞬間、岩坂さんの曲から信じられない発言が。
「LIVEというのは時間が経つのが早いもので、次が最後の曲となります。」
どうせ冗談だろうとスルーしてました。だって次の曲を入れてもたったの9曲ですよ?
しかし岩坂さんが本気だとわかった私は呆然。本編ラストは
「東京に来て最初にレコーディングした曲で、卓録で、炬燵に座りながら歌った曲です。」
と流麗なバラード『優しさの条件』を歌って、演奏の途中で岩坂さんは引っ込みました。
すぐにアンコールで岩坂さん復活。これまでの時間経過を考えるとアンコールだけで10曲くらいやってくれないと 割に合わない気がしましたが、シングル曲『心の地図』と2ndアルバムからの『STEP BY STEP』 で僅か1時間20分程のLIVEは終了。不完全燃焼の感は拭えませんでした。 でも前述の2曲は私の大好きな曲で、そこだけは充分な程堪能しました。
通常「出待ち」というのは公演が終わった後会場から出てくるアーティストを ファンが目撃するための行為ですが、何とこの日は、 我々が会場を出たところに岩坂さんが立ち、迎えてくれました。 まあ、こういうのは珍しいことではないんですが、 会場前の道幅が狭く、車が来ると危ないので岩坂さんとは顔を合わせることもできず、 とっとと帰りました。