石川たけし・岩坂士京セッション

at クレール on 2005.11.19


岩坂さん単独のLIVEではありませんでしたが久々に生の岩坂さんにお目に掛かれる機会だったので これを逃すまいと(昼間は会社行ってましたが)会場に出掛けました。その辺は当日の日記を御覧ください。 私にとっては、シングル『俺は何も変わらない』を発売した直後のLIVEが最後だったから・・・約6年振り。 6年という期間は本当に長いです。その長いブランクの間、私を取り巻く環境は激変しました。

チケットは買ってませんでしたがLIVE終了後に支払えばいいとのことだったので 会場であるケレール、 もといクレールに入りました。ライブハウスかと思いきやジャズ喫茶なんですね。 テーブルフロアにステージがあり、そこに機材が並べられていました。 このとき隣に岩坂さんと思しき人が立っていましたが、まさか本人とは思わなかったのでスルー。 しかし後でそれが本人だったと知って驚愕。 テーブルは殆ど埋まっていたのでカウンタに座ろうかと思っていたその時、同じく岩坂さんファンである 梅茶さんが来店!岩坂さん目当てで来る人はいないだろうと睨んでいましたから、びっくりすると同時に嬉しかったです。 梅茶さんとはマリみて話・ 冬コミの予定を話しつつ開演を待ちました(をい)。 ほかに知人はこの会場にはいませんでしたね。 岩坂さんファンはどうやら我々2人だけだったようで。

フロアが暗くなり、石川たけしさん(Perc.)、阿部篤志さん(P)、芹沢薫樹さん(B)が登場し アップテンポのラテンジャズを聴かせてくれました。2曲目は石川さんはドラムセットに移動してプレイ。 非常に聴き堪えのある2曲でしたね。 MCで自身のユニット「プッチモヒ」(オリジナルのユニット名だそうですが・・・)の名前の由来となったカクテルの話、 来年のLIVEの告知などを話し、メインアクトの岩坂さん、そしてサポートギタリスト米光亮さんを紹介。 いよいよ岩坂さんのがステージに上がるとあって、私はかなりドキドキ(おそらく梅茶さんもそうだったでしょう)。 岩坂さんはステージに向かって左側から登場。そこはトイレだったので「まさかトイレが控え室なんてことは無いよな・・・」と 思いましたが(をい)、実際にはトイレの横に階段があって、控え室はその先の2階にある模様。 1曲目は岩坂さんの記念すべきデビュー曲『この空にKissしたい』でした。 今日披露されたこの曲、原曲とはすっかりアレンジは変わっていましたが、 岩坂さんのヴォーカルは全くブランクを感じさせませんでした。 衰えるどころか、岩坂さんの曲に飢えていた私にとっては曲の持つパワーがより大きなものとして感じられました。 心にひとつひとつの音を刻み付けるように聴き入った私。 さて岩坂さんの最初のMCでも話題になりましたが、後ろでギターを弾いていた米光さんは 『この空にKissしたい』の編曲者。岩坂さんが上京して初めて一緒に仕事をしたプロのアレンジャーが 米光さんだったこと、それ以来暫く会っていなかったものの石川さんを通じて久し振りに再会したこと等を仰っていました。

続けて2ndアルバム収録の『太陽は知っている』。これは原曲同様音数が少ないシンプルな構成でした。 そして岩坂さんの故郷・北九州のことを歌った曲『レンガ色の想い出』へ。 LIVEのちょうど1週間前にこの曲の舞台となった場所へと行ったんですが、歌詞に登場した 路面電車の跡や観覧車は見ることはできませんでした。その代わり、 『こんなに貴方は美しすぎて』の歌詞に出てくる関門海峡周辺ではその綺麗な景色を十分に堪能できました。 そのときの記事はここに、写真はここにあります。

前半も残り僅かというところでこの時期にぴったりの『Melody Fair』を披露。 ここまで歌詞間違いは無く、完璧に覚えていたように見えた岩坂さんでしたが(公演終了後ステージをチェックしに行ったら 譜面台に歌詞カードがありました)、『Melody Fair』の"もし僕らが〜"の部分の歌い出しをフライング! 遂にやっちゃいましたね・・・LIVEのお約束(をい)。 まあ、逆に言えばこういうのに出くわした我々はラッキーだったのかもしれませんけど。 前半最後はデビューアルバムでもラストを飾る『風』で締めました。

その後ハーフタイムを挟んで(をい)後半突入。後半のステージも「プッチモヒ」(後のMCで 岩坂さんはこれを聞き間違え「ヒ」ではなく「ニ」と言ってしまいましたが・・・) の曲でスタート。それぞれピアノソロ、ベースソロ、そして石川さんのドラムソロから始まる これまた熱いラテンジャズを繰り広げていました。 もっと熱かったのは私の左隣の男性客でしたがそんなことはどうでもいいので省きます。

後半も岩坂さんとギターの米光さんが加わって、 先ずは『この空にKissしたい』のカップリング曲『優しさの条件』から。 岩坂さんはデビューして2006年2月で10年経過、この曲が出てからも同じ年数が経過してるんですが 曲の美しさはいつまで経っても変わらないもんですね。 で、曲のあとのMC。上京して以来岩坂さんは世田谷で暮らしていたそうで。 しかしデビュー前の仕事で (何の仕事なのかは明かされませんでした)この会場がある足立区に通っていたことから 会場周辺の土地には馴染みがあるようでした。
「石川さんのLIVEもここに客として来てたことあったけど、まさか自分が 出させてもらうことになるなんて思わなかった」
とのことです。

そんな岩坂さんのLIVEは年内にもう一度行われるそうですが・・・
「僕の地元の福岡、北九州で12月10日、土曜日にやります。 九州行ったことない人も、観光がてら、温泉がてらに来てください」
そんなこと言われてもその日は資格試験近いですし何より天皇杯が。 それ故1週間前に行ってきました。 続いて来年には福岡の劇団の公演に参加するとの情報も発表されました。 舞台に上がるんだそうです。
「前にも地元の劇団にいる友人から『岩坂、お前舞台出てくれよ。歌も歌えるだろうし』 って言われたんですが、 それがリボンの騎士」っていうタイトルで・・・ 知ってます?さすがに白タイツは無いだろうって思って、断りました」
との裏話も暴露。あの岩坂さんが・・・。

MCネタを続けて書きますと、ベーシストの芹沢さんを紹介するとき
「ベースの阿部さんは・・・」
と紹介(阿部さんはピアニスト)。すぐさま訂正して
「ベースの芹沢さんは(機材の知識も)凄い方で、機材のセッティングとかわからないときも ちゃんとやってくれる便利な人です」
と紹介。しかしこの直後!芹沢さんの足元に置いてあったウッドベースの話題になったときに トイレから出てきた客(トイレはステージよりも後ろ側にあるため、客はステージ横を移動することになる)が ウッドベースにつまづいて大きな音が。岩坂さん曰くイギリスから空輸した、350万するベースだそうでしたが・・・ 芹沢さんご愁傷様です。さてベースといえば岩坂さんは昔LIVEでベースを弾いてたこともありましたね(過去のReports参照)。 今日のLIVEでもあのでかいベースを弾きながら歌ってくれればよかったのに(をい)

曲に戻りまして、次は2ndアルバムと1stアルバムからそれぞれ『雨』『手紙』『心の地図』を披露。 特に『雨』は今回のLIVE用に新しくアレンジが施された曲で、 ジャズの要素を織り込みつつもミステリアスな雰囲気の曲に仕上がっていました。 岩坂さん自身も「何の曲かわからないくらい全く別の曲」と言っていたとおり、 イントロと間奏だけ聴いたら原曲がわかりません。『心の地図』は当時生きることに対して閉塞的になっていた私を 救ってくれた曲。当時とは状況は異なりますが、それでも岩坂さんの曲が私に与える影響は大きいと 再確認させられる程。今聴いても素晴らしい曲です。

LIVEも終盤に差し掛かったことをMCで告げる岩坂さん。
「僕の歌詞は結構自虐ネタが多いんですが、これから歌う曲も自虐的な歌詞です」
と紹介したのが『STEP BY STEP』。歌詞が明らかに虚構だと私は冷めてしまうので、 岩坂さんの歌詞のように誰もが日常で抱えている心の脆弱性を歌っているもののほうが好きですね。 前述の『心の地図』、それから異性の立場からの歌ですが『手紙』もその類の曲ですし。そしていよいよ 本編のラストナンバーへ。
「サラリーマンやってて辛いことがあっても、酒でも飲みながらバカ騒ぎしようよ、っていう歌詞です。 一緒に歌ってとはいかないまでも、手拍子を入れてください」
と紹介したのがLIVEではお馴染みの『smile〜いっさいがっさい忘れたい〜』でした。 ソロLIVEでお馴染みの光景はありませんでしたが、ジャズテイストを取り入れたステージにより 聴き慣れた曲でも新鮮な感覚で終始楽しめました。ハーフタイム(30分の休憩)を挟んでのステージだったので 終わった時刻は遅かったんですが、ステージ本編、特に岩坂さんが出ていた時間は短かったので ぜひまた単独LIVEを敢行していただきたいと思います。 ファンはみんな待ってます!

岩坂さんのファンは勿論ですが、知らない人にことぜひLIVEを観てもらいたいですね。 最悪のニュースが続き周囲に対して不信感が拭えない今の時代だからこそ、 岩坂さんの曲は多くの人に受け入れられるはずです。

special thanks : 梅茶さん


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