浜田麻里 LIVE TOUR sur lie

at ゆうぽうと東京 on 2007.07.08


昨年のツアーで「来年春にアルバムを出す」と仰ったとおり、今年3月に最高傑作と名高いアルバム 『sur lie』をリリースし、3ヵ月後にツアーも始まりました。大阪・名古屋・札幌を経由して、 2007年7月8日の東京公演で、遂にツアー最終日。

当日午後、同行者のホックンさんと合流し、開場1時間前にはゆうぽうと入り。 開場前にグッズ販売に行ってました。思えばファンクラブ会員のホックンさんからチケットを手配して頂いてのLIVE参加は 今回で4回目なんですね。毎回ありがとうございます。 開場は時刻どおりに始まり、すぐに客席に移動できました。 今回の我々の位置は1階席の、後ろから数えたほうが早い列でした。 ホックンさんはステージが遠いことを嘆いてらっしゃいましたが、私はあまり気にしません。 勿論近いほうが嬉しいですが、それだと耳鳴りもひどいだろうし。

10分程遅れて開演。ニューアルバムでもオープニングを飾る『Heartbeat Away From You』のイントロが流れて バックバンドの皆様登場。最後に麻里さんも加わっていよいよツアー最終日のステージが幕を開けました。 いつもはギタリストは増崎さん(DIMENSION)一人ですが今回はもう一人、藤井さんも加わりました。 後のMCで知ったんですが、アルバム『Philosophia』収録曲の作曲をしてた人だったんですね。 続いての曲ですが、一気に20年近く前の曲に逆戻り。知らない人はいない『Heart and Soul』へ。 いつもは終盤で披露されるこの曲がこんなに早く聴けるとは意外でした。 しかしLIVEの定番曲とあって既に麻里さんも観客もトップギアに。

最初のMCで
「こんばんは浜田麻里です!東京だけじゃなく遠いところからも来て下さってるようですが、楽しんでいってください! 私が皆さんの追い風になります!」
というフレーズに関連して、ニューアルバムからの『Sail Against The Wind』、 そしてシングル曲『Ash And Blue』と続きました。その後は1996年発表の懐かしいナンバー、 『Until the Dawn』。ニューアルバムからの曲ばかりではなく、こういう新旧織り交ぜての選曲のほうが 昔からのファンにはたまらないでしょうね。激しい曲調の作品から今度はアコースティックな音色に一変して 『Cry For The Moon』に移り、ニューアルバム収録の『Surrender』。 アルバムの中では低、いや、評価が分かれる曲だったんですが、驚くべき演出が施されていました。 これでもかというくらいに強調されたエリさん(麻里さんの妹)のコーラス。 あれはもうツインヴォーカルと言っても良いくらいの。 姉妹だけあって声が似ているため、麻里さんが2人いるかのようなステージに仕上がっていました。 これには観客全員びっくりで、曲の終わりにはあちこちから「エリちゃん」コールが沸き起こりました。

次のMCでは、とある曲に込められた裏話を語ってくれました。
「時間という濾過紙は、とても良く出来ていて、人の心の余分なところを除いてくれます。 私も今までは歌詞に感情が重なりすぎて、この曲はステージでは披露できませんでしたが、 時間が経って漸く皆さんの前で歌えるようになりました。」
という曲紹介から名バラード『Summer Days』を披露。 ベストアルバム『INCRINATION II』にも収録されていますがLIVEでは聴いたことなかったですね。 しかしこれも新たな定番曲になりそうなくらい、観客を強く惹き付けていました。

ニューアルバムからの『Blue Water』に続いては『Fearless Night』。 LIVEも折り返し地点を過ぎたことで、ここから一気に加速していきます。 先ず『Love Creatures』のイントロで客席から歓声が。 アルバム『sur lie』の中でも特に「麻里ちゃんはヘヴィメタル」という印象が 色濃く現れた楽曲。キーボードの増田さんの作曲・編曲ですが、 こんな衝撃的なアレンジの曲が作れるなんて思ってませんでした。彼のセンスに脱帽。 ニューアルバムからはこの後も『Ruten-no-toki』らきすた『Lucky Star』で盛り上がり、 前作の『Fly High』まで、とにかく熱かったです。 あの独特な空間は麻里さんにしか作り出せないと思いますが、これはこのテキストを御覧の方々には ぜひ会場に足を運んで体験してほしいです。あまり女性に関して年齢やキャリアのことばかり書くのは避けるべきなんでしょうが、 麻里さんの場合はそこが凄いのでご容赦ください。

『Ilinx』のイントロで麻里さんが
「昔の懐かしいフレーズを振り返ってみようと思います。一緒に歌ってくれますか?」
と煽って、過去の作品の歌詞の一節を麻里さんに続いて観客が大合唱。 あまり昔の作品を知らないため少ししか覚えてませんが、覚えてる限りを列挙すると、 『Call My Luck』『Precious Summer』『Nostalgia』『Misty Lady』『Saturation』は含まれていたかと思います。 バックで鳴っているメロディが『Ilinx』なのに歌う曲は別の曲、ってのになかなか慣れませんでしたが、 LIVEでしか味わえない良い経験が出来ました。『Ilinx』で会場の盛り上がりが頂点に達したところで、 本編最後の曲。アルバム『sur lie』でもラストを飾っている『Evergrace』で静かに終わりを告げました。

勿論これで終わるはずがありません。アンコールに応えて『Shadow Of The Night』、 そしてお馴染みのギターリフとドラムのリズム。やっぱりこの曲が無いと麻里さんじゃありません。 『Blue Revolution』!観客との掛け合いもバッチリで、時間が経つのもすっかり忘れてしまう程。 実はホックンさん、遠方からの東京日帰りという強行日程だったため(私もです)、 帰りの時間をしきりに気にしてました。最悪の場合はアンコールを諦めざるを得ないという覚悟も。 ここで再び麻里さんたちはステージを去りましたが、アンコールは止まりませんでした。

2度目のアンコールでは曲に先立ってメンバー紹介が行われました。 一人一人にマイクを向けて喋ってもらおうとしますが、なかなか喋ってくれません。 だがしかし。増崎さんだけは違いました。麻里さんが「ギターも上手ですが口も上手な・・・ギター増崎孝司!」 と紹介して、花束を持った増崎さんが登場!7月に誕生日を迎える麻里さんへの贈り物だそうです。
「これは僕一人からの・・・じゃなくてみんなからの気持ちです。誕生日おめでとう(観客拍手喝采)。 みんなこれからもずっと麻里ちゃんと演りたいと思ってます。応援してください。」
と増崎さんらしい素敵なコメントを寄せていました。2度目のアンコール、スタートは『Free Way』でした。

「最後の曲、みんなも一緒に歌ってくださいね!」
『Return to Myself』を歌い始めた、そのときでした。 開演前、観客全員にスタッフから、発光する棒状のモノ(世間ではペンライトと言うらしいですが我々は蛍光棒と呼ぶことで決定) が配布されました。麻里さんたちには内緒で。それを掲げて『Return to Myself』の大合唱が始まりました。 演奏が止まってからも、Na Na Na...と観客の大合唱は続き、そこに麻里さんが絡んでくるという流れ。 いつまでもこの時間が続けばいいのに、と思わずにはいられない、感動的なシーンでした。 これで遂にLIVEは全ての曲を終え、麻里さんとバックバンドの方々が深々と頭を下げ、ステージから退出しました。

ほかの観客が帰り始める段階になっても私は「もしかしたら・・・」という予感がしていたため、 その場に留まって3度目のアンコール。前例がありましたからね。 会場に『Heartbeat Away From You』のイントロが流れ、「来たか?」と思ったものの、 客席の照明が点灯され、「本日の公演は-」のアナウンス。全てが終わったことを知らされました、 よく考えたら、あれ以上は麻里さんの体力がもたないですよね。 ホックンさんと私は帰りのタイムリミットが迫っていたため慌しく会場を出て、とっとと駅に向かいました。

来年はいよいよデビュー25周年。もし何か開催されるならぜひまた一緒に行こうと話しながら帰り道を歩きました。 毎回LIVEの度にレベルが上がっているため、次はどうなるのか、終了直後から既に期待が抑えられませんでした。


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