スターリングエンジンの将来


 現在の燃料需要量を継続し続けると、石油は約43年石炭は約231年天然ガスが約63年で枯渇すると言われています.
 そのため代替エネルギの研究が広く盛んになってきました。
 そして、その一つとして、外燃機関で、熱源の種類を問わないS・Eが再浮上してきました.

 日本でも通産省の新エネルギー゙研究計画「ムーンライト計画」でも取り上げられ、研究が行なわれました.
 今後の期待される用途として、太陽熱源を利用した宇宙用動力、地上発電システム、地熱を利用した発電システムなどクリーンな新エネルギー利用に期待されます.

 スターリングエンジンの特徴をあげると、以下の通りである.

スターリングエンジンの特徴
(1) 実用可能な唯一の可逆機関である.
(2) 熱効率が高い.
(3) 燃料以外、とくに太陽熱、地熱、廃熱、温水等あらゆる熱源が使用できる.
(4) 静粛である.

スターリングエンジンの短所
(1) 耐熱性(500℃〜1000℃)、耐久性のある材料が必要である.
(2) 出力は100kW程度で、大出力は困難である.
(3) 作動ガスの圧力は高いほどよいが、漏れ易い水素やヘリウムを使用する.
(4) 熱交換器が必要なので潤滑油の使用は好ましくない..

現時点の問題
 機械損失や作動流体(空気やヘリウム、水素など)の流動損失など、いまだ不明確な損失が存在する事です.
 高圧(50気圧前後)の作動流体を充填して機関を動かすスターリングエンジンにとって、 シーリング技術が非常に難しいこと.
 700℃以上の高温部と100℃以下の低温部に常時さらされるので、長期間(約10年以上)耐えられる部品が決まらないこと.
  
将来有望な製品
 スターリングエンジンの有望な用途は、小型定置発電機、小型空調機、超低温冷凍機などで、熱源には工場廃熱、大型動力機械の廃熱などを利用したものが考えられる.