10.(7)映画について2:『インセプション』
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おはようございます。 |
12:00 AM Jul 30th mobile web |
ごめんなさい。『インセプション』見なくて良いです。見ちゃった人いたらごめんなさい。物語の舞台となる世界を作り出す才能と、できあがった舞台で人を動かす(演出)才能は全く別なんだと思います。 |
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『インセプション』の監督は演出の才能に恵まれた人で、世界構築の才能は演出のすばらしさには及びません。同じ夢落ちでも押井守監督が『ビューティフルドリーマー』で成功したのは、舞台となる世界を0からは作らなかったからです。あくまで高橋留美子さんの世界を背景に成り立つ話です。 |
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『インセプション』で描きたかった世界はきっとオリジナルじゃなくても可能だったと思います。逆に一昔前の『マトリックス』は世界構築には成功していますが、そこで主人公になにをさせるかで成功しているようには見えません。 |
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オリジナルへのこだわりは成功へ導かないと思います。『アバター』はジブリの『もののけ姫』の実写版と言っても監督は否定しないと思います。彼にオリジナルへのこだわりはないはずです。それで成功しています。 |
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アニメ版『時をかける少女』も、筒井康隆さんのできあがった世界があるから、監督の演出家としての才能が発揮されているんだと思います。 |
12:06 AM Jul 30th mobile web |
世界を0から作るのは並大抵のことではないんでしょう。それに成功したとしても、演出家としての才能がお留守になってしまうと思います。 |
12:07 AM Jul 30th mobile webから |
『インセプション』の監督は割り切って、『うる星やつら ビューティフルドリーマー』の続編を実写で作るんだと言えば、同じテーマで、より説得力のあるものができたと思います。 |
12:09 AM Jul 30th mobile web |
余談ですが、理屈で考える限り、夢と現実は何の違いもありません。でも、世界は理屈で出来てません。我々の現実はそんなにヤワではなく、生活世界に根ざした、疑い得ない実在感に満たされています。この映画は、それを揺るがすような説得力までは、残念ながらもっていません。 |
12:10 AM Jul 30th mobile web |
あと、今回明確に、この監督のテーマが虚無であることが主人公の言葉で語られています。前作『ダークナイト』の感想文でそれを指摘しましたが、当たってましたね。ちょっと、うれしい。 |
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おしまい。 |
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アップロード日 2010.11.14