4.(1)駱駝の消失
様子を見るような形でつぶやきを再開しました。 意外に良い反応があったような気がしたので、本題(おとぎ話)に入りました。 (「ザル頭」は昔読んだ三原順さんの少女漫画にでてきたフレーズです。) |
2:44 AM Mar 12th webから |
なんかつぶやこうかな。 |
2:44 AM Mar 12th webから |
ザル頭だから、準備に時間が掛かるんだよね。 |
2:46 AM Mar 12th webから |
しばらくしたら、また会いましょう。 |
8:10 AM Mar 15th mobile webから |
むかしむかし、あるところに三人の王子様が暮らしていました.... |
1:58 PM Mar 15th mobile webから |
......? ......違う......。 |
9:01 PM Mar 15th mobile webから |
外してる.....。 |
9:30 PM Mar 15th mobile webから |
こんな出だしじゃないし、まだ準備できてない。 |
9:43 PM Mar 15th mobile webから |
出直してきます。 |
2:14 PM Mar 19th mobile webから |
準備完了。 |
3:30 PM Mar 19th mobile webから |
【消えたラクダ】 |
6:02 PM Mar 19th mobile webから |
ササン朝ペルシャの時代のお話。今も昔も地図というものは重要な軍事機密です。敵対する国の詳細な地図を手に入れることは軍事的な優位性を獲得することになります。 |
12:04 AM Mar 20th mobile webから |
いきなり余談ですが、日本の幕末、伊能忠敬が作った正確な日本地図を、有名なシーボルトが国禁を犯して欧米に流出させました。軍事的に見れば、このことが、ペリーの黒船来航を呼んだ一つの大きな要因と言えます。ペリーは伊能地図の写しを持って日本にやってきたのです。 |
1:17 AM Mar 20th mobile webから |
ペルシャの偉大な皇帝バフラーム五世の治世、敵対する国の謀略により、皇帝の側近が地図の流出に手を貸すという事態が起こりつつあります。 |
8:47 AM Mar 20th mobile webから |
側近、正確には側近の息子は、地図の重要性を理解していません。敵国に捕らえられている多数の捕虜と連れ去られた人々の解放を条件に、全くの独断で、地図の引き渡しに応じる決意をします。 |
11:21 AM Mar 20th mobile webから |
連れ去られた人々は敵国で奴隷として使役されます。その中に側近の息子の恋人がいます。 |
3:35 PM Mar 20th mobile webから |
ペルシャ帝国内には、数多くの敵国の内通者、スパイが何食わぬ顔で暮らしています。敵国の王からの使者である彼らと会合を重ね、地図を持ち出し、捕らわれた人々と交換する手はずを整えます。 |
7:51 AM Mar 21st mobile webから |
まず、側近の息子は皇帝に進言します。自分が指揮する騎士団に街道を行く隊商の護衛をさせることを。 |
9:51 AM Mar 21st mobile webから |
商業の発展が帝国の繁栄をもたらすことを理解している皇帝は、大いに喜び、「街道の安全は私が最も心を配るべきことの一つです。貴族であるあなたが、自ら平民である商人の護衛を申し出るとはすばらしいことです。」といい、大きな部隊を彼に任せることにしました。 |
12:27 PM Mar 21st mobile webから |
彼は皇帝の側近の息子です。父を通じて容易に地図を手に入れることができます。あとはいかに地図を国外に持ち出し、捕らわれた人々を取り戻すかです。 |
4:42 PM Mar 21st mobile webから |
隊商に、地図を持たせた内通者を紛れ込ませ、はぐれた振りをして東の国境近くで潜ませ、時を待つことにしました。 |
6:44 PM Mar 21st mobile webから |
賢明な側近の息子は、目立つ方が逆に怪しまれないという人間の心理をよく分かっています。安易な解釈を与え、人々の心に納得というベールを掛けてしまい、それ以上の疑問を封じるような、そんな目立ち方が必要です。 |
8:43 PM Mar 21st mobile webから |
年老い怪我をしたラクダの背中に、重たい荷物を詰め込んだボロボロの荷袋を載せ、更にそこには妊婦を乗せて歩かせます。妊娠しても働き続けなければならない困窮した家計が一目で読みとれます。見守る人々の同情を誘いながら、遅れがちに隊商の最後尾について行かせます。 |
9:46 AM Mar 22nd mobile webから |
小さな砂嵐が通り過ぎたとき、予定通り内通者である妊婦と、年老いたラクダは隊商からはぐれます。南へ向かう隊商の列から離れ、誰も通らない東の国境である峡谷へ向かう道を進みます。 |
11:24 AM Mar 22nd mobile webから |
側近の息子は、守ると誓った隊商から行方不明者がでたことは、皇帝に申し訳が立たないと騒ぎます。彼自身が陣頭指揮に立ち、消えたラクダの探索にあたることになりました。 |
1:51 PM Mar 22nd mobile webから |
仕込んでおいた偽の証言者達の言葉に従い、東の道を除く広範囲で探索を行いました。当然、消えたラクダ見つけることはできません。 |
3:41 PM Mar 22nd mobile webから |
東の峡谷で潜んでいる内通者の妊婦から、はぐれて以降、峡谷まで、誰にも見つからず、人ひとり見かけなかった、との報告を受けています。 |
4:54 PM Mar 22nd mobile webから |
峡谷の反対側には解放が約束された捕らわれた人々がいるはずです。大きな砂嵐がくるのを待って、地図と人々の交換を行うことになっています。胸躍る気持ちを抑えて、側近の息子は演技の捜索を続けます。 |
8:22 PM Mar 22nd mobile webから |
全てが順調でした。 |
11:23 PM Mar 22nd mobile webから |
遠い国からきた三人の高貴な証言者が現れるまでは。 |
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アップロード日 2010.10.10