2.(8)関係に感情移入できますか?その2

Season2(2)、(3)であった生徒さんの返事を題材に、関係に感情移入するということの説明が続きます



送信者: 山田  日付: 2010/03/10 08:58 PM
宛先:  Aさん Bさん Cさん Dさん
cc:  
bcc: E先輩 F先輩 G先輩 Qさん
件名:  当事者意識 Season2 episode:6-2【関係に感情移入できますか?】


 補題六の二


 お便りのコーナーです。


 Aさんのワンちゃん話はとても示唆に富んでますね。

 ペットを大事に思っていない訳ではなく、むしろあの時の自分の気持ちに罪悪感をもってしまったことが、ああいう書き方になっているんだと思います。

 ペットを愛していることに間違いはないと思います。

 ペットはやはり家族の優しい関係の象徴なんです。

 だから、ペットが原因で家族が苦しんでしまう事の整合性が取れなくなってしまいます。

 それでああいった取り乱した態度になったんでしょう。


 余談ですが、矛盾を受け入れる勇気と、心の広さを持って下さい。

 矛盾とは一つの議論の前提において自家撞着を起こすことです。

 前提(土俵)を変えれば実は自家撞着でも何でもなかったということはたくさんあります。

 (私の好きな喩えですが、土俵を変えるということは、足下を徹底的に掘り返すことです。

 一つの土俵に拘る意味は実はとても薄弱なんです。

 掘り返してみて下さい。)


 Cさんのジローの例は、またしてもCさんに先回りをされてしまったという話です。

 私は小学校の話で、関係の公共性、客観性を書いたつもりです。

 みんなの小学校という意識です。

 それを先回りして「みんなのジロー」の話をされてしまいました。

 奏者と楽器の関係はおそらく特別なものなのでしょう。

 その関係性を学団のみなさんは当然理解しており、その一般的な関係性をジローが象徴しているということを、さらに楽団員全員が分かっているという構造です。


 Dさんのスノボ話はじっくり研究したくなるような面白い話です。

 スノボは一人で滑るのでしょうが、それでもいろいろな人との思い出が詰まっているはずで、それを象徴しているというのは分かりやすい話です。

 でもそれだけではないと思います。


 趣味一般についていえることなので、Dさんがそうだということではないのですが。


 会社での仕事が思うようにいっていない状況を考えてみます。

 毎日会社内での関係に疲れており、解放されたいとしたら。

 一人雪山でスノボを滑るとき、会社での関係が無いことを実感しているのかもしれません。

 このとき「板」は関係の不在を象徴していることになります。


 とっても面白いです。


 私が心理学者であれば、この題材で良い論文が書ける気がします。


 またいっぱい書いてしまったので、休憩タイムUです。



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アップロード日 2010.10.08