1998年7〜9月にテレビ東京で放映(深夜枠)されたTVアニメーション(全13話)。上田耕行プロデューサ以下、中村隆太郎監督、シリーズ構成・脚本小中千昭氏、オリジナルキャラクタデザイン安倍吉俊氏、キャラクターデザイン岸田隆宏氏、音樂仲井戸麗市氏、CGの中原順志氏らが制作に參加。制作パイオニアLDC、製作トライアングルスタッフ。
この時期、トライアングルスタッフはテレビ東京月曜深夜25:15〜45の枠を續けて擔當してゐた(資金不足の爲に當座の收益を期待して受注してゐた模樣。翌年倒産)。當時は深夜アニメ黎明期だつたが、人手と時間が足らず、アニメの制作體制が崩潰してゐた時期であつた。「lain」も危機的な状況下に制作されたのだが、とてもさうは思へない程に完成度が高い。のちに文化廳メディア藝術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した。
ネットワーカとしても知られるスタッフが揃つた事もあり、ネットワーク社會を描いた作品として異樣にリアルであつた。同時に、確信犯的な「トンデモ」的描寫、小道具やちよつとしたガジェットとして取込まれた現實の商品、譯の解らないアイキャッチ("ウェザーブレイク!")など、「解る人間」にはにやりと出來る「仕掛け」が隨所に組込まれてゐた。ストーリーは主人公の少女・玲音の「悲劇」。
並行して制作されてゐたゲーム版(PS)は發賣が遲れ、TV放映が終了した後の11月に發賣された。非道く陰慘なストーリーらしい。TV版とPS版の間には、玲音が主人公であると云ふ共通項はあるものの、直接の聯關が無い。(安倍氏の畫集でフォローされてゐる)
視聽者・プレーヤを非常に選ぶ作品とされる。謎解きや作品世界の理解を求める人には向かない。一方で、ネットワーク社會の胡散臭さ、玲音と云ふキャラクターのリアルさ──それらを愛するファンは、この作品世界に、熱狂的にのめり込むやうな出來になつてゐる。當時の深夜アニメの中で、現在に至るまで度々言及される、かなり珍しい作品である。
ぱそこんでつかえるれいんの”おと”と”つーる”おいてます。\e