- 制作者(webmaster)
- 野嵜健秀(Takehide Nozaki)
- 公開
- 2008-11-05
- 改訂
- 2010-10-31
- このサイトは何ですか?
- 「松原先生紹介サイト」について
松原正氏とは?
- 何の人なの?
- 松原正先生はもともと英米演劇が專門の英文學者で、もと早稻田大學教授(現名譽教授)の方です。長年、評論家としても活躍になりました。
- 松原正 公式サイト
- どんな戲曲を書いた人なの?
- 現代風俗を扱つた喜劇を書いてゐました。英米演劇の飜譯も幾つかあります。自作・飜譯に限らず、演出家として御芝居の上演を指揮した事もあります。福田恆存率ゐる現代演劇協會の理事でいらつしやいます。
- 松原正先生の戲曲について
- どんなテーマの評論を書く人なの?
- もともと文明論を書きたいと云ふ希望を持ち、高田保から福田恆存を紹介されたと云ふ事もあつて、日本人の生き方・價値觀について、ヨーロッパ文明との關係を意識しつゝ、批評されました。
- どんな價値觀を持つてゐるの?
- 人間にとつては、「生延びる事」とともに「より善く生きようとする意識」も必要だ、と考へてをられます。
- 評論では主にどんな事を書いてゐるの?
- 人間の價値觀について、「身近に感じ得る事」(「文學」「道徳」に屬する事)と、さうでない事(「政治」に屬する事)とを區別する立場をとり、「身近に感じ得ない事」を恰も「本氣」であるかのやうに言ふ言論を「勘違ひである」として嚴しく批判しました(「文學」「政治」と云ふ用語を、松原先生は特殊な用ゐ方をされてゐます)。世の中の問題を全て「政治」に屬する問題だと認識し、「政治」の領域の中で全ての問題を解決しようとする「主義」を「政治主義」と呼んで、松原先生は日本人に屡々見られるこの「政治主義」をもつぱら批判してをられます。
- 評論では特にどんなところに特徴があるの?
- 戰後の日本の體制下では「弱者」の立場にある自衞隊に同情的で、多くの自衞官の知人を御持ちです。その爲、軍事に關する知識が豐富で、防衞論を一時期書いてをられました。演劇や小説からの引用、音樂の話と、自衛隊の話が同時に現れる評論は、大變珍しいタイプのものだと思はれます。
- どんな場所で書いてゐる人なの?
- サンケイ新聞や「諸君!」等の保守系メディアで一時期活動した後、1980年代から90年代にかけては保守系ミニコミ紙/誌の「月曜評論」に寄稿してをられました。同紙廢刊後は御高齡と云ふ事もあつて文章の發表は散發的でした。2000年代以降は殆ど活動されてゐません。
- そもそもどんな感じの人なの?
- 大學の先生でしたからアカデミックな感じがする人です。授業は、若い頃は大變嚴しかつたと傳へられてゐますが、筆者が聽講した頃は隨分「丸くなつた」との由。
- 趣味として、音樂、特にクラシックが御好きで、その結果「オーディオマニア」になつたと御自身でも御書きになつてゐます。音樂に對する造詣の深さは時々評論でも顏を見せます。
松原先生の略歴
- 昭和4年、東京生れ。『埴輪』(創元選書)の著者・松原正業氏の御子息。
- 早稻田大學卒業。卒業論文のテーマはT.S.エリオット。
- 出版社勤務、高校勤務を經て、早稻田大學文學部教授となる。2000年春退任。早稻田大學名譽教授。
- もともとは英米演劇を專門とし、飜譯のみならず創作も行ふ戲曲家、また演出家でもあつた。現代演劇協會理事。現在はもつぱら「専門外」の領域で知られてゐる。
- 1980年代は評論を執筆。防衛論に特色がある。
- 1990年代から日本文學について批評を執筆し、2007年秋現在、「夏目漱石」論に專念。
- 小林秀雄、福田恆存の系譜に連なると同時に、彼我の斷絶を強烈に意識した文筆家である。福田を利用するのに長けた多くの政治評論家達とは根本的に立場を異にし、人間の人間たる所以のものを追求し、福田とは一面で異る立場を取る「異端」の文明論者である。評論では日本人の西歐化をテーマに採上げ、現代の日本人の生き方を追求してゐる。
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