- 制作者(webmaster)
- 野嵜健秀(Takehide Nozaki)
- 公開
- 2000-12-23
- 改訂
- 2006-01-04
- この文書の状態
- この記事は大変古いものです。最新の情報ではありません。
Internet Explorer 5.5(Win32版)
前説
- Microsoft社が公開してゐるWindows用ブラウザ。
- IE5使ひこなし情報
- 以下のリソースも參照の事。(既に無くなつてゐるリソースもあります)
印象
Internet Explorer最惡のヴァージョンと呼べるかも知れません。詰らない所の使ひ勝手は向上してゐますが、肝心のレンダラが腐つてゐます。Internet Explorer 3.0以上に5.5は迷惑な存在かも知れません。Netscape Navigator 4.xのやうにマルチプラットフォームでない分、迷惑をかけてゐる對象が狹い、と云ふ事だけが救ひ。
- HTMLやCSSの解釋に關して、矢鱈とバギーになつてゐます。
- DHTML關聯の機能強化がなされてゐると喧傳されてゐます。XMLとの連携により、色々「樂しげ」な演出が出來る事になつてゐます。※Microsoftの説明。但し、IE5.5の「DHTML」は、例によつてMicrosoftの獨自仕樣(暴走)ですので、混亂の元でしかありません。「安全」の爲に、ウェブ制作者はIE5.5獨自の機能を使はない方が良いでせう。
- 餘りにも5.5に不具合が多い爲、それほど大した出來でもない5.0/5.01が妙に高く評價されるやうになつてしまつたやうに私は思ひます。Microsoftが5.5をリリースした理由は、案外そんなところにあつたのかも、と勘繰りたくなります。
position:fixed
(Cascading Style Sheets)を知りません。
- 2006年1月4日追記。Internet Explorer 5.5は、どうやらIE 6で採用する豫定の機能を先取りして搭載したものであつたやうです。Mozilla.org/Netscape社への牽制であつたとの説もあります(Netscape社が不具合の多いNetscape 6を急遽リリースしたのはIE 5.5のリリースに對抗したものであつたとの見方もあるやうです。事實か何うかは不明)。
新機能
スタイルシートに關して
- 從來無效になつてゐたインライン要素へのborder、padding、marginの指定が有效になつた。
- border-styleでdottedが有效になつた。
- border-styleでdashedが有效になつた。
- :first-letter疑似要素に對應した。
「縱書き」プロパティのサポート
概要
- W3Cで檢討中の國際化對應プロパティ「縱書き」を、Internet Explorer 5.5は獨自にサポートしてゐます。例によつて完全なフライングです。
- 或ブロック要素のスタイルとして
writing-mode:tb-rl;
が指定されてゐると、その要素の中身を縱書きで表示します(writing-mode:lr-tb;
で横書き)。
- スタイルシートが不正になるだけですので、ウェブ制作者は文書でhtml 4.01或はxhtml 1.0準據を宣言する事が出來ます。
- このプロパティを使用してゐる場合、將來正式な仕樣が勸告された時點でウェブ制作者はスタイルシートをチェックし、場合によつて修正しなければなりません。
不具合
ドラフト仕樣に基いてゐる上、プログラム的にも繼接ぎ状態ですから、IE5.5の「縱書き」には多くの問題があります。
- IE5.5は、画面左上を表示の基準とする爲、長い「縱書き」html文書をロードすると尻尾の方を表示してしまひます。ウェブ制作者は、JavaScript等で豫め文書を「冒頭」までスクロールさせる、と云ふ對策をとる必要があります。
- 一部のスタイル(text-align等)の横書き用の記述を縱書き用の記述に變換します(問題を生じません)。ブロック要素のスタイルに
text-align:right;
が指定されてゐる場合、IE5.5はそのブロックの文字列を「下」に寄せます。
- margin、padding等の横書き用の數値を自動的に「縱書き」用の數値に變換しません(不具合)。その爲、ウェブ制作者が或html文書にIE5.5專用「縱書き」スタイルを適用させた場合、他の視覺系User Agentは屡々その文書を見づらくレンダリングします。ウェブ制作者は、IE5.5用とそれ以外のUser Agent用とでスタイルシートを切替へるやう、JavaScript等を記述しておかなければなりません。
- ベータ版に比べれば大分増しですが、正式版も「縱書き表示」を高速レンダリングできません(例へば、スクロールが遲くなります)。IE5.5の「縱書き」處理は極めて鈍重です。
- Windows9x/Me極東版上でのみ、IE5.5は「縱書き」表示が可能となります(シングルバイト版Windows9x上にIE5.5を導入しても、そのIE5.5で「縱書き」の日本語表示が出來ません)。Windows2000上では全てのヴァージョンで表示可能となります。(傳聞)
その他
- Internet Explorer 5.5は、エラーメッセージが5.0/5.01以前のものよりも少しだけ進化してゐます。もつとも、IE5.5でエラーがなくなる譯ではなく、單にIE5.5のメッセージが變つただけです。
- 印刷プレヴューが搭載された事が喧傳されてゐます。印刷プレヴューは、どうやらVBScriptか何かで作られてゐるみたいです。Mac版Internet Explorer 4.5からWindows版Internet Explorer 5.5に「移植」された機能である模樣。
- スクロールバーで、マウスの第二ボタン(通例右ボタン)をクリックすると、メニューが出現します。スクロールに關するちよつとしたナヴィゲーション補助機能ですが、餘り役に立ちません。
- フォームの一行入力や文章行入力でIMEを勝手に殺す5.0/5.01のバグを解消したらしい。
- 2002年7月のメモ @ [極H&A的技術研究所]によると、フレームの生成方法がInternet Explorer 5.0から變更されたさうだ。
不具合
Service Pack 2の不具合
- Windows Start誌によれば、ie5setup.exeをローカルに保存して導入しようとしても、駄目なんださうです。「上記の場所から實行」しなければ、うまく導入は出來ないんださうです。Windows Update經由なら問題ナシだとか云ふ話です。よくわかりません。
Service Pack 1の不具合
Internet Explorer 5.5 Service Pack 1は2000年11月1日、Internet Explorer 5.5 Service Pack 1 とインターネット ツール@MSで提供が開始されました。
ユーザはMicrosoft Internet Explorer 5.5 Service Pack 1 とインターネット ツール READMEを讀んでから、更新作業を行つて下さい。
もつとも、このService Pack 1は、餘り有益でないと云ふ噂があります。
- MicrosoftはREADMEで、無印Internet Explorer 5.5をそのまま更新するのは止してくれ、IE5.5を一旦アンインストールしてからSP1を入れて呉れ、と云ふやうな事を言つてゐます。IE5.5からIE5.5SP1にそのまま更新すると、アンインストール時に不具合が出るかも知れない、との事です。
- 今囘のService Packでは、セキュリティ關係のバグ修正がなされてゐます。しかし、表示關係のバグが修正されないまま、そつくりそのまま殘つてゐるさうです。
- 今囘のService Packでは、ファイルをgetする際、ブラウザのウィンドウが閉ぢる無印5.5の不具合が修正されたみたいです。(傳聞)
- WindowsNT/2000にIE5.5 SP1を導入する場合にも、依然、注意が必要です。
- SP1導入後のIE5.5も、突然pngの畫像を表示しなくなる事がある。しかも突然元に戻る。
正式版(2000-07-17リリース)の不具合
環境によつて、トラブつたり、トラブらなかつたり。
ベータ版(2000-04-05リリース)の不具合
- IE5.5ベータ版は、見出しや本文のフォントに妙なものを使用する事があります。IE5.5ベータ版が文書をレンダリングする時、縱書きフォントを適用して一部(或は全部)の要素の中身を横倒しにしたり、POP體や楷書體のやうなフォントを見出しに使用したりしました。もつとも、フォントの問題は本質的にWindows9x自體の問題であるやうです。
- ヘルプが英語(要らないのでどうでも良いです)。
- 印刷の際、「印刷部數」の「部單位で印刷する」がチェックされてゐると、なぜか最終ページから最初のページに遡つて印刷します。
Microsoftの記事
INTERNET EXPLORER 5.5 FEATURE STORIES