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第1圃場       面積 5500u
         
生産品目 クロマツ コニファー ツバキ サザンカ ポット苗他

第1圃場は昭和42年頃、塩化ビニールパイプを埋設し大型モーターによるスプリンクラーでの
全面散水設備を完備した。これは千葉県の補助モデル事業として、周囲の同業農家との
共同利用施設として合計2haの面積を潅水整備した。
当時はツバキ、サザンカ等の苗木生産が主力でビニールハウス内でミスト潅水方式で挿し木を
していた。植木ブームのはしりで苗木がよく売れた。野菜や甘藷など作付けしていた農家も
植木に関心を示し、植木の生産を始めだした頃だったからだ。
日本経済はますます拡大し、景気も右肩上がりで大型団地が方々に造成された。
高速道路 工業団地 ゴルフ場の開発等々緑化の素材として植木の需要は急激に膨らんだ。
生活の豊かさと共に植木もより付加価値の高いもの、高価なものが求められるようになり
苗木中心の生産も徐々に造形物(マツ マキ キャラ等の枝物)の生産に移行していった。
生産植木が大型になるにつれて小物植木生産用の潅水設備も、その用を成さなくなり、さらに
20年ほど前から大型植木の掘り取りにバックホーを使用するようになると、地下60cmに
埋設した塩ビパイプは各所で切断される運命となった。
時移り、やがてバブルも弾けて経済活動の停滞と共に植木もその需要が急速に萎んだ。
公共用緑化樹木の需要の50%を占めていたとされるゴルフ場の開発が殆ど無くなってしまい
開発と称される各種公共事業の縮小、個人需要も心理的要因での落ち込みが大きくなり
特に大型植木は販売本数も価格も大幅に下落した。
遅蒔きながら、この業界も4、5年前からリストラに懸命である。
販売の見込みがたたない植木をバックホーを使って伐倒処分する様子が多く見られるように
なったり、赤字を覚悟で廉価販売をして在庫処分を急ぐケースが普通の光景としてある。
我家もその例外ではない。日本庭園向けのクロマツやマキ等の造形樹、マテバシイ クスノキ 
タブノキ等の公共緑化樹木の生産から主に個人需要向けの小物植木つまり園芸用の植木生産
へとシフトしていった。
ガーデニングブームもあり手軽で廉価な園芸用植木(主に花木)は需要が根強い。品種も多様で
市場出荷を販路の柱としている我家にとって多品種少量生産は正に経営に適した方策だった。
こうなってくると小物植木用の潅水スプリンクラーは威力を発揮する。
しかし、時遅しである。少しくらいの補修では復旧しないほど配管はズタズタに破壊されている。
時代は変わるもの。そんな言葉をつくずく思い知らされるのがこの第1圃場である。  2003/1

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